黒死白雪2
零さんは顔を私の方へ向け話す。
「怪我は無いか?」
「はい、助けて頂き有り難う御座います」
私は怪我が無い事を伝え御辞儀します。
「礼は良い、だが何故こんな時間に出歩いて居る」
私が理由を云う事で、如何いう反応をされるか恐れ乍ら振り絞る勇気で声を出す。
「貴方を探して居ました……!」
「何故、己を?」
零さんが不思議に思う反応や、何故かと聞く当然の事に私は斯う返す。
「貴方が運命の相手だからです」
「――然うか、何時から?」
「気が付いた頃には探して居ました」
然う云う私に零さんは考え込む仕草を行う。
「『親』は? 心配するだろ」
「――」
何も可笑しな事は無い、親が子を心配する当然から出る言葉です。
「私の両親は『もう』居ません」
「――――は?」
私が其の事を云うと零さんは呆気に取られた声を出す。遅かれ早かれ知る事に成るなら早い方が良いでしょう。
「日本の事故で両親は死亡して生存者は私だけです」
「済まない」
零さんが謝る必要は無いのに私は下を向き、零さんの背広を掴み言葉を止める事が出来ずに云う。
「其の後に孤児院で保護されて、出てからも貴方を探し続けて……!」
「もう良い」
私は其の言葉を聞き、一滴の涙が出る。次々と流れ出し溢れる。
「ああ、ああああ――ッ!!」
私は叫んだ、感情を抑える事が出来ず、背広を掴んだ儘で、膝を着き大きく泣いた。泣く私に零さんは何も云わず頭と背中に手を置いてくれました。
其れから何分も経ち、漸く泣き止む迄に至る。長く続く運命の相手探しは今日で終わりを迎えた。
「大丈夫か」
私は涙を拭き答える。
「はい、有り難う御座います」
然うして落ち着き、続きを話す。
「貴方を探す理由が運命の相手の他に縋れる事は其れしか無くて、両親の分も生き無いと行け無いと思い探して居ました」
「なら、生きる為に己と来い」
零さんから一緒に来いと云われる事は思わ無くて目を丸くした。
「彼奴は汝も殺すとほざいた、なら必ず殺しに来る」
「行きます、一緒に」
有り難い申し出で私が断る理由は一個も無く、答えは既に決めて居た。受け入れ共に行く事を伝え、零さんは頷き高機能携帯電話を取り出し電話し始めます。
「己だ、今から其方に向かう」
短い通話を終え電話の画面が切られると零さんは一言を呟く。
「行くぞ」




