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「変則……零さんは何をしたんですか?」
「其れは御本人から聞くのが宜しいかと」
アルさんは言葉を濁した。確かに本人から聞くのが良いでしょう、零さんが嫌なら無理に聞く事はしませんが。
「知りたいなら話すが……」
其処で私は咄嗟に遠慮をします。
「いえっ! 嫌なら構いません!」
私達の後、アルさんは。
「所で最初の話ですが」
最初の話? 私は然う思い視線を落とすと書類鞄が目に入る。
「嗚呼……此れの事か」
零さんも書類鞄を見て居た。
「『また』武器か? 三個目だぞ? 流石に違うよな?」
三個目?
多く無いですか? 多いですね……
零さんは二個の武器を卓上に出す、銃と小刀、短刀? ですかね?
「『Barrett XM500 Rei Custom』と『死鎌』ですね」
「三個目を渡して何か問題が?」
そんな言葉が名前の後に出た。
「腕二本で如何しろと?」
「咥えればいいのでは?」
零さんが片手で頭を抱える。
「汝は阿呆か?」
「取り敢えず開けますね」
「話を聞け?」
そんな言葉が虚しくもアルさんは書類鞄を開く。私達は中身を見る、其処には拳銃……らしき物が有る。
「……其れで? 此れは何だ」
「『Jack the Ripper』全長三十三センチ、重量六キロ、装弾数五発。人類では粗扱え無い代物です」
見た目が鉄の塊ですね……。
「弾は.50 Grim Reaper、通称.50 GR 」
「其の弾は人類に使わせる気無い確信犯だろ……他に説明は」
「長く成りますが御聞きに成りますか?」
すると迚も嫌そうな顔で。
「……嫌だが聞いて置く」
零さんは説明を聞く事にした。
「製造は西暦一九八八年。作動方式は単動、短反動利用、傾銃身。『Colt Government』を元に製作。撃鉄式で蹴爪撃鉄」
「短引金に角型用心金。用心金の前は先端真下まで重量銃体が意匠に四角柱で洗練され平滑。銃口も遊底と平滑で突出せず照星は角が丸い直角三角形」
「照門は『高速照準器』で、他照準器より視野を遮蔽せず目標へ迅速に照準可能。使用弾『.50 GR』の反動が非常に強大、重量6kgでも抑制困難です」
「実包重量が弾倉発条に負担な為、装弾数5発。」
「安全装置は内蔵安全装置で、撃針安全装置」
「弾倉捕捉は両利きの釦式で排莢は右」
「の文字を遊底の左右に刻み有ります。私が設計した『一点物』の拳銃」
「『ゴフェルウッド社』に『受注生産』の依頼で製作『コルト・ファイヤーアームズ社』から特許の『撃針安全装置』を『使用許諾契約』で使用しました」
……長々とした説明が終わりを迎えたらしいです。
「終わったか?」
「はい、これで全てです」
零さんは聞いた後に銃を眺める、如何したのでしょうか?
「爆弾は仕掛けてませんよ」
「聞いて無い事を話すな、頭痛がする……!」
私も少し頭痛が……今日は長話を聞きたく無いですね……
「スノウ様の『魔法』に就いての説明は如何しますか?」
私の、魔法? 自分自身の知ら無い事が急に出て来ました。
「……説明為て遣れ」
「では御説明させて頂きます」
説明される事に成りました、本当に覚えが無いのですが。
「スノウ様、貴方は『魔法師』と呼ばれる者何です」
「魔法師ですか? 魔法使いや魔女では無く?」
魔法を使うなら其の何方か一つに成るかと思うのですが、実際は違うのでしょうか。
「魔法使いや魔女と呼ばれ無いのは、他の二つの呼び方に合わせて在る為です」
「?」
他の二つ? 魔術は思い付く、ですが後の一つは?
「魔法師の他に『魔術』を扱う『魔術師』や『魔道』の『魔道師』が居ります」
魔術師は分かるのですが……魔道師?
「魔術は『詠唱』して『魔力』を消費する事で現象を発生させます。魔術は二種類で『旧魔術』と『円魔術』です」
魔術だけでも二種類の違いが在るんですか……
「旧魔術は円魔術から以前の魔術です。使用に魔力を消費と発動に術者の『正気を喪失』させて仕舞います」
急に物騒に成りました、怖いのですが聞いておかないと後悔しそうなので聞きます。
「円魔術と違い『儀式』と『幻想侵蝕』を使う事が可能です。儀式は言葉通りですね、何かを呼び出す事等が出来ます」
何かとは?
「何かが何かは置いて於いて、幻想侵蝕は範囲内の『現実を幻想が侵蝕』します。」
「其れは……月の吸血鬼の現実改変能力みたいな物ですか?」
「いえ、侵食ですので改変では有りませんね、現実と融合、融け合います。此の名前は現実を幻想が侵蝕して融合した景色から付いた物です」
少し見てみたいですね、機会が有ればですが。
「円魔術はアイリス・ロストレインが魔術で正気を喪失せず使う事が出来る円魔術を構築した事で誕生しました」
「使う魔術の魔力で使用の際に『色円』と呼ぶ魔法陣、正確には『魔法円』ですね、其処から円魔術と名前が付きました」
「色円は『生物が知覚可能な色彩』で、系統別に相異する『虹色な分光色に白黒灰で十色』です。呼び方は例えば赤の色円なら赤円ですね」
「魔法円の説明ですが、色円から魔術の発動で術者の正気が喪失する事を防ぎます。欠点は正気を喪失し無い事で儀式、発動場所が色円で幻想侵食が使えません」
「後は『詠唱』でしょうが、詠唱は魔術を発動する『意志』の言葉です。」
「『詠唱時間』事に分け『儀式詠唱、召喚詠唱、契約詠唱、取引詠唱、代償詠唱』の順に増えます」
悪魔と関連して然うな名前ですね、魔術だからでしょうか?
「『一秒未満、一秒以上、一分以上、一時以上、一日以上』の順です。次は魔道ですね」
魔道ですか、如何云う物なんでしょう、想像が出来ませんね。まあ私には関係無い様ですが……無いですよね?
「魔道は魔力を使い発動する『固有』の能力で、魔道師は魔道と『魔素』を使えます」
魔素、聞いた事が有る様な無い様な……
「魔素は『力』を意味する『自然の魔力』です。和訳は『魔素』と成ります。時代次第で『天素』和訳は『天素ですね」
「魔道を使う為の儀式は、魔法円を描き中心で詠唱、円内で魔素を願望と意志から肉体へ吸収して魔道師に成る事が出来ます」
「儀式の最中に円を通る事は出来ません。魔道ですが、魔道次第では『代償』が有ります」
代償? 不穏に成りました、私は魔法師な筈なので問題は無いでしょう、恐らく。
「代償が有る魔道師は、通常より魔素を多く吸収と適応で『魔法が使えます』」
私は、絶句しました。
「まさか魔法師は魔道師が代償を得た存在なのですか……!?」
「其の通りです」
なら、代償所か儀式すら為て無い私が魔法師の訳は何故ですか?
「あの、私代償所か儀式も為て無いのですが、魔法師に成れて居る訳は何でしょうか?」
本当に謎です、生まれてから今迄に魔術や魔道と関わる事何て無い筈です。
「私には御答えしかねます、然し魔法の使い方は御教えする事が出来ます」
「なら……御願いします」
頼む私にアルさんは頷く。
「魔法とは『意志』で『魔素』を消費して魔術や魔道と別な『任意』の現象を発生させます、単純に意志さえ有れば良いのです」
「意志さえ有ればと云われても……」
如何すれば良いのか分から無い。
「では試しに使いましょうか」
「えっ」
此処で為ても問題は無いのでしょうか? 本人が然う云う為、問題は無いかと思いますが。
「まず掌を上に向けて下さい」
私は従い利き手の掌を上に向ける。
「次に発生させる現象を想像します」
発生させる現象、雪にしようかと思いましたが、氷の方が良いかと思い其の想像をする。すると掌の上に氷の塊が出来上がる。
「!」
「御見事で御座います」
私は氷を卓上に置き御礼を云う。
「有り難う御座います」
「因みにですが、魔法は『魔気』でも使う事が出来ます」
「魔気?」
「魔気は和訳で魔力の気から『魔気』と呼びます。魔気は精神自体の魔力で平均量は十です」
十が平均ですか、私の魔力は幾つ何でしょう?
「スノウ様の魔気は『九百』ですね」
「……九百? 間違いでは無くてですか?」
平均は十で私が九百な事は間違いだと思い聞く。平均の九十倍だ何て有る訳が無い、余りに可笑しい。
「いえ、間違いでは有りません、証拠に零様の魔気量は千ですので」
其の事で零さんの方を向くと何でも無い様な表情をして居た。
「魔気量が九百や千位な事は良く有る事何ですか?」
「非常に極稀ですね、有り得無い程の量です」
私達が話して居ると何か音が鳴る、携帯の通知音だと思う。私の携帯では無い、アルさんも違う様で残るは零さんのみ。
「己のだ」
零は短く云い携帯を確認して文字を打ち込む様に指を動かす。
「誰かの連絡ですか?」
「嗚呼、此処に来る様だ、少し待つ事に成る」
「ではいらっしゃる迄に、零様が持つ他の武器に就いて解説でも如何でしょうか」
「嘘でしょ……」
零さんも其の事に「嘘だろ」と云う。そんな私達に構う事が無く、アルさんは話し始める。
「順番に解説を致します、まずBarrett XM500 Rei Customから。」
「対物狙撃銃で、使用弾薬は.50 BMGと零様が使う『.50 Angel of Death』通称『.50 AOD』装弾数は十発」
「作動方式は気体作動に回転螺子。後方方式から従来方式に変え排莢は左と成ります」
「二脚と抑制器の銃口制退器に照準眼鏡被覆は反射防止膜で無し」
「.50 AODと.50 BMG使う為に銃身交換の必要は無く、単一で二種の弾薬を使用可能で、全体が洗練した形状の銃です」
「此方も私が零専用に『特注』した『一点物』で、遠近距離に対応して戦闘が可能。後方方式から従来方式に変更して二脚銃口制退器は腰から引き抜く為に無い」
「.50 AODの薬莢形状は縁無に瓶首、弾丸直径は零点五一零インチ。全長百三十九点四ミリ。火薬が少量で弾丸は肉体の反対に貫通せず、二次被害を防止する小銃弾」
「序でに.50 GRの解説もしましょうか。ゴフェルウッド社が生産する拳銃弾で薬莢形状は半縁に真直。弾丸直径は十三点四ミリ、全長は四十四点四ミリ」
「完全被甲で非常に反動が強大な大実包弾」
「後は死鎌ですね、種類は合口、刃長三十点三センチ、全長四十点四。装飾と鍔は無く合口、鎺と縁に頭が鉄、柄は黒。黒刀で真直」
此れで全てでしょうか、漸く終わりました……ですが。
「これで解説は終了致しました」
「ですが零さんの連絡相手はまだ来ませんね」
其れから或る程度の時間が経ち、扉が叩くノックの音が響く。どうぞとアルさんが答え、或る人物が二人部屋に入る。
「失礼する、私の名は『レオ・リオン』だ。職業は近衛兵」
来た人の一人が話す、レオ・リオンと名乗り外見は金髪の馬尻尾で顔は少年的ですが女性と分かる凛々しい容姿です。
「其の娘がスノウ・ホワイト?」
安楽椅子から立ち上がり二人に挨拶をする。
「初めまして、スノウ・ホワイトです!」
レオさんは笑みで私に掌を差し出す。
「宜しく、スノウ」
レオさんの手を握り握手をする、綺麗な感覚の手です。握手して居るともう一人の方が話し出します。
「俺は『リオ・ブラック・インクマン』リオで良い」
リオ・ブラック・インクマンと名乗る、レオさんが男性に成る場合の容姿みたいで双子の様です。容姿は金色の短髪に顔は凛々しい男性です。
『黒墨男』ですか……珍しい名前に思えますが、そうでも無いのでしょうか?
「って! 何だ其の黒い塊は!?」
リオさんは然う云いJack the Ripperを指差す。確かに離れてみたら唯の鉄の塊に見え、後リオさんはレオさんと別種の人に見える。
「リオ、静かに」
レオさんがリオさんを咎める、其の姿は親が子を叱る様でした。
「零様、訓練所で試し撃ちは如何でしょうか」
アルさんが突然そんな事を云う、此処はかなり広いですが訓練所も在る様です。
「試し撃ち? 射撃場か何かが此処に在る覚えは無のだが」
「『リオさんが居る』では有りませんか」
――え? 予想出来無い言葉を理解するのに何秒か経つ。何故リオさんが居ると云うんですか? 如何云う事何か分から無い。
「確かに此奴なら問題無いだろうが……」
零さんが問題無いと云う。零さんは『人を殺す様な人』では無いと思いますが、如何云う事か矢張り分から無い。
「扱いが非道で酷い!」
リオさんが叫ぶ、危機感で叫んでる訳で無く、巫山戯て叫んでる様に見えるのは気の所為でしょうか? 然う見える事が少し怖く感じる。
気の所為だと思いたい、異常者な私が此れ程迄に怖く感じる事が在るとは思いませんでした。
零さんと会う時の相手も勿論怖く感じましたが。
銃声が鳴り響く、硝子の壁紙越しでも耳に響く程の音でした。一定の間隔で零さんが壁に向けJack the Ripperを撃つ音です。
装弾数が五発と少無い事で一箱分の弾を零さんは隣に置いて有る。
零さんの撃つ壁に『一個だけ』弾痕が在る。『何発も弾を撃ち尽くして居る』のに一個のみ。其れは機械の上を行く正確と精密さを表す。
零さんの持つ弾を除き、大体撃ち尽くされ銃から出た金属の物が散らばる硝子の向こうから私達の方へ来る。
「おい、此の銃、反動が可笑しいぞ……」
「其の割には普通に撃ててたじゃない」
「実際に撃たなければ何れ程か分かりませんからね、此処迄とは私も思いませんでしたが」
零さんの次にレオさんアルさんの順番で話して居た。
「何を撃つんだ此れ……」
呆れた様に零さんがアルさんへと聞く、確かに弾痕が凄いですが、何を想定してるのでしょうか?
「特に無いのですが、強いて云うなら……化物でしょうか」
「幾ら威力が有ろうが無かろうが、銃は月の吸血鬼を『壊す』事が出来無い、知ら無くは無いだろ?」
「ええ、良くご存知です」
「……まあ、取り敢えず貰うが」
アルさんの言葉に零さんは然う返した。
「リオ、入れ」
零さんから云われ、リオさんが大剣を持ち硝子の向こう側へと行く。
「現実改変は無しか?」
「いや、有りで良い」
レオさんは現実改変能力の使う事を有りで良い云いますが、人間が彼れに対応する事の出来るとは思え無い。
二人が中に入り、一定の距離を離れる。本当に戦うんだと、私の事で無いのに冷か汗が出て来た。
始まりは唐突でした。零さんが合口を投げ、其の合口に『追い付き』掴むと至近距離でリオさんに向け振る。
速く鋭い合口の薙ぎ払いをリオさんは大剣で防ぐ、然し其の状態から一回、二回、三回と何回も回転してリオさんを振り飛ばした。
「うおっ!?」
吹き飛び中に浮くリオさんは足を地に着く様に出し、床を強く踏み締め抉る。其処を零さんは容赦が無い追撃をJack the Ripperで行い、銃に有る全弾を撃ち尽くした。
弾はリオさんが大剣を盾に為た事で防ぎ弾かれる。
拳銃から出た箱を上へ曲線に投げた、素人目でも優れた投擲技術だと分かる。唯、普通に上へ投げただけに見えたのに。
リオさんは避けると、床に打つかる箱から強い衝撃音が鳴る。零さんはRei Customと刀の銃刀、二つを腰の左右から引き抜き何か『構え』始めた。
「『睦月』ですか……」
アルさんが呟いた、睦月とは陰暦で『一月』の異称な筈です。彼の構えを指して在る?
「『後方を向き抜刀と同様に振り回転して一周する技』」
「零の使う剣術は相手を壊す『破壊剣』で在り、自身をも壊す『自壊剣』だ、肉体に負担を掛け過ぎ壊れ行く。零が技を使えるのは『人で無いから』」
アルさんの後にレオさんが話し、言葉を付け足す。
「身体能力を『限界まで』引き出し使う為『体』に『負担』が有る。私も試しに振るう事は在りはした、だが多く振る事は無理だと感じた、実際無理なのだろう」
そんな技を、月の吸血鬼を全て滅ぼす為に……? 其れ以外にも、何か或る気がするのは気の所為でしょうか。
何か『自罰』的な……
「ッラァ!」
零さんの重い二撃がリオさんに襲い掛かり、二人は鍔迫り合う。ですが長く鍔迫り合う事は零さんの力が強く出来ず、リオさんは押され退く。
離れたリオさんに零さんは武器事で両腕を後ろにする。
「次は『如月』……『全身を前に倒し、体重は前に武器へ預け乍ら後方から頭上を通し回転させ振る技』」
二個目の技も陰暦な事で、零さんの技名は『和風月名』が元と分かる。十個も残り在るんですか……
零さんが後ろの腕を其の儘に前へ振り、何処から如何見ても身体に負担が掛かる事が分かる振り方です。
リオさんは大剣を斜めにして受け流した。受け流された武器二つは床に叩き付けられ、爆発に近い音が鳴る。
そして刀の持ち方を変えて居た。
「『弥生』……『腕を回し上に振る技』」
リオさんは如月の逆に見える技を限り限り躱す。リオさんは大剣を振るう、ですが零さんは受け流し回転し乍ら跳ぶ。
「『卯月』……『回転し乍ら五回、飛び跳ね刀を振る技』」
素人目ですが、私には零さんは手加減して居て、リオさんが其の理由で防げて居る様に見える。最初の投擲以降から手加減して居る?
「殺さない様に手加減して居ますね、次は『皐月』ですか……『腕を回し下に振る技』」
「零が本気を出せば私も『瞬殺』だからね、其れに此れは訓練だし、本物の武器を使おうと『彼等が死ぬ事は然う然う無い』」
彼……等? 零さんが死な無い事は分かりますが、リオさんが死ぬ事が無い理由は? 思い付く可能性として、彼は『人間では無い』事が思い付く。
「『皐月』……『腕を回し下に振る技』」
先の技と逆ですね。二人は武器を打ち合う。
「『水無月』……『曲線に刀を振り引く技』ですね、技は後『半分』です」
水無月で刀と大剣から鉄が軋む様な音の鳴る。漸く半分ですか、後はどんな技が有るのか……
「『文月』……『曲線に刀を振り押す技』」
零さんは文月の後、刀を上に振る。
「『葉月』……『下に曲線で振る技』」
そして次々と剣術を出す。
『長月……『上に曲線で振る技』と『神無月』……『刀を逆手で腕と密着させ曲線に振る』そして『霜月』……『刀を鋭く曲線に振る技』」
三個の技を放つ零さん、残る技は一個。
「『師走』……『掌は上で刀を体の右に、走り右側から左へ回し振る技』で後は一個、次の技で全てです」
? 十二個迄では無いのですか? 後一個、何が……和風月名?
「『和風月名』……『十二の回転から斬り、回転の度に動作を補助して速度が上昇する技』です」
説明通り、零さんの動きは早く成り行きリオさんの大剣を弾き飛ばした。其の後、二人は動きを止める。
「もうそろそろ『処刑』を使うか」
零さんは然う云うと何時の間にか手に黒い剣が握られて在る、変な形状の剣です。
「彼の剣の名は『処刑者』……『刃長九十センチ、全長百二十センチ』です」
再び二人は戦闘を開始します。先程よりも苛烈に武器を打ち合う様子の光景が私の目、瞳に映って居た。
「チッ!」
リオさんは退き、横に走り零さんは処刑者を投げる。
また手に武器が握られて有り、先が二重螺旋の黒い槍でした。
「『処刑縛』……『全長百六十センチ』」
零さんはリオさんに近付いて槍を突き出し薙ぎ払う。リオさんは背を仰け反り躱す。
「危ねぇっ!?」
胴体を狙い連続して突く、然し零さんは槍先を当てる事が出来ずに居た。
槍を持つ手は槍から黒い『鎚』に変わる
「『処刑獄』……『全長百二十センチ』」
かなり重いと思う鎚を、零さんは軽々と振り回し低い音を鳴らして居る。剣や槍に鎚と別々の種類の武器なのに使い熟して居た。
尋常では無い速さで振り回す、当たれば確実に致命傷と成る程の速さ。何の様な生物だろうと致命傷に成り得る筈の威力です。
其れを連打する様に振り回す零さんは、一体どんな体をして居るのか。
リオさんは到頭、耐える事が出来なく成り、鎚が当たるのかと思う。ですが其の事は青い魔法円の色円で鎚が弾かれた音と共に消えました。
「彼れが円魔術ですか……」
「『青円』と呼ぶ、見ての通り『防御』の色円です」
零さんはまた武器を変える、彼れは……鉈ですかね?
「『処刑軽』……『全長百十センチ』」
鉈を見る事は余り無いので、長いナイフ? 等に近い印象を抱く。零さんは処刑軽を弾かれた反動を利用して、回転した後に鉈で斬り付ける。
其処から血が出る事は無く、黒い何かが見えた、見間違い、ですよね……?
そしてまたも武器を変え『珍しい?』武器を持つ。
「『処刑間』……『全長百五十センチ』彼れで漸く折り返しですね」
其れは両端が『処刑人の剣』の剣身と云う武器でした。酷く扱い辛そうな印象を受けます、彼れも使い熟せるのでしょうか?
其の疑問は直ぐに解消された、零さんは片手から両手に、両手から片手にと持ち方を変え巧く扱う。大きく体を動かし乍ら武器を使い戦う。
絶え間無く、其の両端の剣が大剣と打ち合い音が鳴る。次に出す武器は黒い斧でした。
「『処刑重』……『全長百十センチ』」
手斧……とは云え無い処刑重を、剣の様に振る。彼処迄も速く振るわれる斧は屹度彼の斧だけなのでは? 私は然う思いました。
斧を振るい終え、最後にリオさんわ蹴り飛ばすと斧を投げ、またもや武器を変える。其の武器は私も良く知る棍と云う武器です。
「『処刑天』……『全長百二十センチ』」
零さんは処刑獄と同じく処刑天を殴打する様に振り回す。殴打されるリオさんは距離を取ろうと動き、零さんが武器を矛に変える。
「『処刑裂』……全長百六十センチ、残る武器は一個ですね」
後は一個ですか、最後は一体どんな武器が出て来るのでしょう……
零さんは処刑裂を薙ぎ払い刺しを繰り返す。リオさんも負けじと応戦して居ます。
時間が掛かると判断したのか、零さんは最後の武器を持つ。其れは剣と呼ぶには大き過ぎる。大きく厚く重量感が在る。そして無骨で鉄塊の様でした。
「竜殺しの大剣『処刑竜』……『全長百八十センチ』これで最後です」
最後の武器は処刑者に似た、大き過ぎる大剣でした。そして御互いに最後の一撃を繰り出す。
――――!!
其のと音は零さんとリオさんの大剣が両方とも壊れた音でした。
戦闘を終えた二人は硝子向こうの部屋から出て来た。
……リオさんの黒い何かは見間違いでは無い、見間違いなら良かったのに……
「リオさん、其の黒い所は一体……」
「ん? 嗚呼、俺人間じゃねえの、言ってなかったか」
私は驚いた、驚きましたが既に人間では無い相手とは会って居たので其の時の事程ではありませんでした。
「人間じゃないなら、貴方は何ですか……?」
「と或る生物だ」
私の疑問に零さんが代わりに答えた。
「と或る生物……?」
「嗚呼、凡ゆる生物に擬態する事が出来る生物だ、其れも完全な擬態だ。名前は『ショゴス』……だったか」
――如何やら此の世界は、私が思うよりも広いらしい。
「体の器官を自由に作る事が出来る生物でも在る、斬り落とされた腕を付ける事すらも可能だ……其の者の遺伝子が有れば其の者に成る事も可能と成る」
「因みに私は『元人間』だよ」
「えっ……」
私はまさかの事実に驚く、元人間?
「あの、元人間とは如何云う……」
「あ〜……ミクスグレイでは身体強化が出来るんだけど、其れをしたらこうなっててね」
「零さんは……?」
「己は為て無い、する必要も無い」
「『ショゴス』と『元人間』の違いは?」
其の事に就いて私は聞く。知ら無いと後悔するかもしれないから、知って後悔するとしても。
「其の儘だな、元からショゴスの奴、元人間の奴だ」
「人間を如何遣ってショゴスに?」
私が其の事を質問すると、沈黙が訪れた。
「アル信徒、これは汝が説明する可きだろ」
「そうですね、一言で云えば食べさせます、其の者の全身を」
それじゃあ、其の人は……
死んだのですか?
其の恐ろしい事に気付いた私は、頭が恐怖に支配されて居た。信じ難過ぎる狂気的な現実でした。
「此の……事は、組織の部者の人は知って居ますか?」
アルさんが答えた、私は、知ら無い儘で居て欲しい、私の自我でしか無くとも。
「極一部の者しか知り得ません」
其の言葉を聞いて私は良かった、と唯々思った。
人間の信じる神様何て居ないのかもしれないけれど、私は今、此の時だけは祈りたくなった。
然う思う私は無意識に祈る様、自身の両手を重ねて居た。有り難う御座います。其の事だけを思い感謝して在った。
此の世は地獄かも知れない、けれども、救いは必ず在る、私が零さんと出会えた様に。
私は彼の後に宿泊施設の部屋へと案内された。ベッドに寝転んで居る、然し、だからと云って嫌な出来事を忘れる事等、出来る筈が無かった。
寝れずに転がり、左、右に体を向ける。寝れ無いので無意識に体を動かし疲れさせ様として眠くさせる為かは分から無い。
でもそんな事は如何でも良くて、今日は早く眠り付きたかった、頭に恐怖がこびり付いて離れないから。
私は一人でベッドの上に寝転んで居る。零さん達は何をして居るのでしょうか、思い付く事は、作戦会議……等になりますか。
今日の事だけじゃない、明日の、未来の事も思い、考えなければならない。
でも今日はそんな事を出来る程、私に元気は無い、色々と……在り過ぎた。
一人そんな事を考えて居ると突然と扉の方から大声が聞こえた。
「スノウ! 起きて居るか!」
零さんの声だと分かった私は、直ぐに扉に向け歩き開く。扉を開け、最初に見えたのは零さんの焦った表情でした。
其の顔を見て私は明らかに何か不味いと分かる。何が不味いかは分から無い、兎に角ですが相当と云う程に酷く不味い事が分かります。
眠ろうと為た目が覚める。こんな事に成れば嫌でも眠気は吹き飛びます。遭遇したくはなかったのですが。
そして私は聞く。
「……何が、有りました?」
「彼奴……彼奴等が責めて来た……!」
彼奴? 彼の相手だけでは無いのですか?
「彼奴って……一人では無いんですか? 彼の時の……」
「否、アルカードじゃない、アルカードの概念……其の『生屍』軍だ……!」
生屍……!?
「生屍……生屍ですか!?」
「生屍だ! 窓を見れば見える」
私は然う云われ部屋を少し走り窓を覗く。其処には大量に居る武装した生きた屍の、死の軍が居ました。
「嘘っ……」
然う言葉が漏れ出す、此の光景を見たら仕方ないと思う。
「見えたか」
「はい、レオさん達は……」
「他の部者と共闘して居る」
なら私も……!
「スノウは此処に残れ」
私は其の言葉に驚く、確かに此の人なら云うでしょう、ですが実際に云われて、驚いた。
「私も戦えます!」
「駄目だ」
私は然う云うが零さんは其れを許さない、ですが。
「人を二回も死なせたく有りません!!」
「ッ!? 分かった……行こう、一緒に」
私は先程迄の気分が嘘の様に元気良く返事をする。
「はいっ!」
他の人達が生屍達と戦って居る場所に行く。其処では生屍の呻き声と止ま無い銃声が聞こえ、アルさんが指揮を指揮を執って居る。
「状況は」
「悪い、数が多す過ぎる、何れ先に此方の弾が尽きるでしょう」
状況は良く無い、窓から見ても圧倒的な数でした。
「銃以外の武器はあるだろう」
「ええ、其れを使う事に成る迄に幾ら数を減らせるか」
其の後に零さんは私を見る。
「スノウ、魔法を使ってくれないか?」
此の人に頼まれたら、私に断る理由なんて無い。
「喜んで」
「有り難う、頼んだ、もう……眠らせてやってくれ。夜に悪夢を見ない様」
然うして私は二回目の魔法を使う、氷の魔法です。氷の結晶を作り、風を発生させる事で氷の結晶を生屍に向け飛ばす。
結晶は銃弾の中に混じって飛んで行き、結晶に命中する、ですが生屍は倒れる所が止まる様子も在りません。
「生屍は脳を破壊すれば倒せる」
「分かりました」
再び結晶を作り同じ様に飛ばす、違うのは狙う箇所が在ると云う事だけです。
私が然うして居ると零さんは右手の掌を前に出し、色円『黒円』を出す。すると何か黒い呪いの玉みたいな物が生屍を目掛けて飛び命中します。
そして無詠唱な事から儀式詠唱だと分かる。零さんは千の魔気を惜しみ無く使い魔術を放ち、私も魔素で魔法を使い連射する。
生屍は少しづつ倒れて行きますが、まだまだ数は居ます。
「もう魔気が無い……」
零さんが云う
「クソッ!弾が切れた!」
部者の誰かが然う云い、他の方々も次々と弾が切れる。すると零さんは大きな声で云う。
「全員下がれ! 後は己だけで全て倒す!」
其の後は「それでいいか?」とアルさんに聞き零さんが一人で戦う事に成る。
「宜しく御願い致します、『十三の処刑』様」
十三の処刑に反応したのか、部者の人達が騒ぎ出す。十三の処刑? 彼れが番外部者十三の処刑……、大分若く無いか? 等々、そして最後に聞こえたのは『死神殺し』の……と云う言葉でした。
死神殺し? 如何云う事ですか? 死神と呼ばれる人を殺したのか、然し零さんが人を殺す事は考えられない、なら死神を……殺した? 死神と呼ばれる存在が、実在する?
私が考えていると零さんは左右の腰から銃と刀を引き抜き生屍達に向け構える。
零さんは凄まじい速さと勢いで前に居る生屍を刀で斬り、Rei Customで頭等を叩くや突き潰す。刀で斬る様にRei Customで生屍の首を叩き斬る事もして居た。
武器や盾事、生屍相手を斬り裂いて居た。睦月や和風月名と横に広い技を使うも、生屍の大軍はまだまだ数が居る。
生屍を斬り、斬り裂き、斬り断つ。数多幾多の生屍を相手にして居るのに、零さんは疲れを見せる様子は無い。
様子が無いだけで実際は疲れて居るかもしれない、ですが私達は見守る事しか出来無い。
殆どの生屍を零さんが倒すと一体だけ大きな生屍が居た。他の生屍と比べて明らかに強いで在ろう生屍です。
行き成り其の生屍が零さんに拳を振り下ろす。零さんは拳を軽々と軽業に体を動かし、頭と足が上下逆さまに成り乍ら躱す。
振り下ろされた拳は振り払われ、次に上に飛び拳を躱した。躱した後は生屍の腕の上に乗り、頭に近付くと如月で頭を破壊した。
其の光景を見て、部者の方々は各々の喜び方で歓声を上げた。
斯うして生屍による襲撃は終わりを迎え、私達は眠りに付いた。
【神無教会】
七日間後、其の日に至る迄の一日目の朝、私はベッドの上で目を覚ます。
首を回し、頭だけ動かし横を見る。
知ら無い女性が居た事で私は一瞬の間だけ、思考を停止して仕舞う。
「――」
「スノウ、良く眠れたか?」
起きて直ぐに突然とそんな事を問われる。
「眠れましたが、貴方は……?」
「零だ、次に行く所の問題で自分を女にした」
問いに答えた後に質問すると私は其の人が故神零、零さん其の人だと分かった。
服装が同じ、背が低く成り顔は顔は完全に女性と成り、声も変化して居ますが分かる事が出来た。他に云うなら刀とRei Customを持って居るからでしょうか。
「そうですか……此処から移動を?」
「襲撃されたからな」
確かに襲撃されたなら移動するしか無い、ですが女性に成る事が必要な問題とは如何いう……
「次行く所の問題とは何ですか?」
「……次に行く所は『教会』だ」
「それで何故女性に?」
女性に成る意味が分からずに居た私は聞く。
「彼処に行くと首を刺されるから其の対策だ、身長が変われば避けられるだろ、恐らくは……」
然うして私達、主に零さんが教会に行く準備をして私達はミクスグレイ支部の宿泊施設を出た。
私達は教会へ向けて歩いて居る。
「教会とはどんな所ですか?」
「そうだな……教会つさと云うよりは組織なんだが」
「どんな名前ですか?」
「『外典教会』其れが組織の名前だ、詳細に説明するなら通称は『教会』と呼び『殉教者』と呼ぶ存在が所属して居る」
殉教者? 確か殉教は『信仰の為に自分の命を捧げる』事を指す筈です。何故其の様な名前なのでしょうか。
「本部は『和地関市国』に存在する。『基督』教最大教派『普遍』教会の名称『外典』道理な秘密組織だ」
「目的は『主』が創造した世界の『異端』を殲滅する事」
「主とは?」
「神の事だ、己は外典教会にも千九百五十二年に所属して居る。所属して居るだけで神は信仰する、も何もして居無いからな」
「そんなんですね」
「嗚呼『人間の云う神』は『世界、宇宙に存在し無い事を知って居る』から」
「然う……何ですね……居無いのですか……」
「信仰して居たのか?」
「! いえっ、私は日本育ちなので信仰して居る事等は無いです」
「然うか『其の方が良い』神だなんてろくでもない存在だからな」
「神様関連で何か在ったんですか?」
零さんは顔を背けて一言。
「嗚呼、ちょっとな」
と、然う云った。
私達は京都では珍し然うで珍しくない、西洋の建物で在る教会の前に立って居ました。白い外壁に茶色い両扉が在る如何にも教会らしい建物です。
私達はゆっくりと遅く歩き行く、両扉、教会の入口に向けて歩く。私達は両扉の前に、左と右に立ち零さんが右側です。
零さんは扉を叩きノックする。返事は帰って来なかった。
「……入るぞ」
然うして零さんが片側の扉に有るドアノブに触れ、開こうとした瞬間の事です。零さんの首に『剣が突き刺さり』ました。零さんは後ろに下がり片膝を着く。
「ッ!? 零さん!」
私は急いで零さんの傍に駆け寄る。出血が止まら無い、かと思っていたら剣によって出来ていた怪我が治って居た。
「何だ、お前か」
扉の方から声がする、男性の声です。教会から出て来た人物は剣を何本も持つ男性でした。
「貴方は……?」
私が質問すると男性は答える。
「アレクシオス」
男性は答えた、唯々、其の名前だけを。
「扉越しに確認もし無いで首を突いて来るとは、とんでもない奴だ……」
「アリュキラド、貴様が姿を変え様と無駄だ」
然う云われた零さんは、女性の姿から男性に戻る。
「容赦無しか……」
「失礼だな、俺が容赦するのは異端者だけだ、貴様の様な、な」
「嗚呼、俺が容赦し無いのは月の吸血鬼だけだ」
「一応聞いておく、此処に何しに来た」
「此の娘を匿いに」
然う云われアレクシオスさんは私を見る。
「まさか、アルカードか?」
「狙われているんだ、運悪くな。其れと奴の目的を知っているか?」
「否……日本に来た事しか知らんな」
「最終戦争だ」
然う云われアレクシオスさんは一切変化せずに居た表情を驚愕へと変化させた。
「最終戦争……最終戦争か! そんな物を起こして何に成る」
「終王に成る事が出来る……らしい」
「終王? 月の吸血鬼の王か?」
「其れで合っている」
「クソッ! そんな下らない物の為に神聖なる聖書を冒瀆しやがって!」
「……アレクシオス、アルカードに就いて他に何か知ってないか?」
「知ら無いな、俺が教えて貰いたいくらいだ」
「そうか……」
「アルカード以外の事は知って居るがな」
アルカード『以外』?
「以外って何だ……」
「月の吸血鬼の王族アルカード、此の事ほ知って居るな」
「当たり前だ」
「なら、アルカード以外にも王族が居る事は?」
「彼奴以外の……王族?」
「嗚呼、アルカードと貴様以外にも月の吸血鬼には居るんだ、王族がな」
「……何個だ、数は」
「……アルカードと貴様の他の数は……全部で六個、アルカードを含め七個」
「七個……同じだな……」
「嗚呼」
何が同じなのか私には分からなかった。
「えっと……何が同じ何ですか?」
「聖書……約翰の黙示録には七個の封印と云う物が在る」
零さんが答えた後にアレクシオスさんが話す。
「『第一の封印』は支配。第二の封印は戦争、此れはアルカードの事だ。第三の封印は飢饉。第四の封印は死。此処迄が約翰の黙示録の四騎士」
其の儘で続けて話す。
「第五の封印は血液、第六の封印は天災。そして最後に第七の封印は沈黙……不気味な程に同じだ、嫌悪感が出る程にな」
「……神が態々と同じにしたのか?」
「そんな事は心底如何でも、如何だっても良い。唯、俺が奴等全員を地獄に送ってやれば良いだけの話だ! 主が御創りに成られた此の世界の為に!」
「取り敢えず入っても構わ無いか?」
「嗚呼……続きは中で話そう、入れ」
了承の返事を貰うと私達はアレクシオスさんと共に教会の中に入る。教会の内部は長椅子が複数、綺麗に並べられて在り、教壇が奥に配置されて在る。
「如何にもな教会ですね」
「まあ、教会だからな」
「然う云いえば、其の娘の名前を聞いて居無かったな、名は何と云うんだ?」
「スノウ・ホワイトです」
「そうか、それではスノウ・ホワイト、アリュキラド、これからの事を話し合おうか」
教会内部で私は椅子に座り、二人は立って居た、零さんは壁にもたれかかって居る。
「話を聞いた限り、恐らくだが、宿泊施設が直ぐに襲撃された事を考えると、此処にも直ぐに襲撃される事に成るだろう、早くて今日、遅くて明日以降で在るかは分からないが」
「十中八九、然うだろうな、己も直ぐ襲われると考えて居る。恐らく今日中かも知れない」
「根拠は?」
「アルカードの奴は七日間後に最終戦争を起こすと云って居た、なら態々と此方を待たずにさっさと仕掛けて来る筈だ、他の奴等が如何かは知らんが恐らく同じだろ」
「成る程……なら『秘物』の準備をして居なければならなく成るか」
秘物?
「何時も持って居るだろ」
「何時もより多くだ」
「秘物って何ですか?」
「「……」」
二人は沈黙する、私は何か不味い事を聞いて仕舞ったのでしょうか……?
「……アリュキラド、貴様此方側に来た娘に秘物の説明もしていなかったのか?」
「……説明する場面がなかった」
「ちゃんと此処で説明しておけよ?」
「嗚呼……勿論。秘物と云うのは『Out-of-place artifacts』の事だ」
Out-of-place artifacts……オーパーツ?
「オーパーツの事で良い……ですよね?」
「オーパーツも有るが、魔術と化学を同類に分類する異常な道具で『オーパーツ、アーティファクト、アンティーク』の総称だ」
零さんが続けて説明して行く。
「日本語意訳は『空間錯誤異物』で通称は己等がさっき云って居た『秘物』だ。秘物は人外製の物をオーパーツ、人間製をアーティファクト、不明をアンティークと呼び分類する」
「他には『空間錯誤異物』の武装を『秘密兵器』と云う。そして『空間錯誤異物』を製作した組織、存在、場所は『秘源』と呼ばれる」
「先程の剣も空間錯誤異物なんですか? 普通の剣に見えましたが……」
「外観はな、彼れも空間錯誤異物だ、教会が保有する物の内の一つ、一つとは云っても種類だけで実際には大量に複製されているんだが」
「己の武器……刀も空間錯誤異物だ」
「えっ……」
「それと、スノウ、他にも汝に云って置かなければならないことがある」
私は驚いた、他にも云って置かなければならない事とはなんでしょう?
「もっと云うなら、元は死神の持つ鎌で『死神の鎌』だ」
行き成り突然と凄い事実を教えられ、私は衝撃を受けた。




