突然の再会
うおぉぉ……腕が……! 筋肉痛に……?!
昨日の俺の奮闘で、どうやら両腕の筋肉が死んだようだ。
痛む腕を庇いながら外に出る。
昨日設置したプニ雄の小屋を見ると、ちゃんとプニ雄が眠っていた。
よしよし、ちゃんと機能しているな。
俺が外に出た気配を察したのか、プニ雄も目を覚ました。
「おはよう。悪いな起こしちゃって」
プニ雄は片手?を上げ挨拶を返すと同時に、「気にするな」といった様子で手を振る。
ちょうどいいから朝飯にでもするかな。
軽く畑を見回すと、いい感じに実っているトマトを見つけた。
お、コレは食べごろだな。
トマトといくつかの野菜を収獲して、家に戻り、台所に立つ。
サンドウィッチでも作るかな。
具材は先ほど収穫したトマトに、物々交換で手に入れていたベーコン。
パンとベーコンを軽く焼き、野菜を挟んで完成。
行儀よくテーブルで待っていたプニ雄の分を皿の上に置く。
プニ雄は意外と行儀がいい。
料理が出来上がっても、俺がテーブルに着くまで食べるのを我慢してくれている。
思った以上に賢いのだろう。
今だに正体が何なのかわからないが……正直どんな正体でも驚かないと思う。
プニ雄はプニ雄だ。
それだけプニ雄の存在が、俺の中で大きくなっている。
多分ペット的な感覚だろうが……それでも、プニ雄は俺にとって家族の様なものになりつつある。
二人で朝飯を食べ、今日の予定を話し合う。
話し合うといっても、俺が一方的に予定を喋るだけなんだけどな。
とは言っても、やる事は大体同じだ。
水やりをして、害虫駆除をして、収獲するものは収穫する。
その間に村人が訪ねてきたら、その対応をするだけだ。
いつもと同じ一日。
そう思っていたんだけどな……。
畑の見回りをしていると、畑と森の境界線に見覚えのないものが視界に入った。
何だあれ?
そう思って近寄ると――。
女が倒れていた。
そう……人が、倒れていた。
「うおおお! 大丈夫ですか?!」
あまりのことに一瞬フリーズしたが、倒れている女に声を掛ける。
よかった、息はしている。
――ああ、くそっ! 冒険者をしていた頃はポーションを常に身に付けていたのに。
「プニ雄! 家の中の棚からヒールポーションを取って来てくれ! 上から二番目の棚だ!」
家に近かったプニ雄に指示をする。
飛び跳ねながら家へ向かったプニ雄は、すぐにポーションを持って来てくれた。
賢い子だ。
違う違う、今はそんなことを関心している場合じゃない。
女の口にポーションの中身を流し込む。
頼むからそのまま飲んでくれよ……。
女はゴクリと喉を鳴らし、ポーションを飲み込んだ。
とりあえずはこれで様子見だな。
見たところ外傷は無い。
何でここに倒れていたか、理由はわからない。
それに――。
誰だろう、この人。
村の住人ではないよな……こんな綺麗な銀髪は見たことないし。
それにしても綺麗な人だな……。
銀色に輝く髪は――なんか、こう、すごい綺麗だ。
肌も驚くほど白い。
ポーションを飲ませるために、抱き起こした形になっているが、起きた時に変な誤解を招いたりしないよな?
するとプニ雄が、おもむろに女の顔をペシペシ叩き出した。
「おいおいおい、何やってんだ! 止めなさい! メッ!」
プルンと震えたプニ雄は、手を引っこめると俺の隣に移動した。
まったく……ん?
「――んっ、こ、こは……?」
どうやら目を覚ましたようだ。
「えーっと、大丈夫、ですか?」
女はボーッとしながら、上半身を起こし、周囲を見回した後、プニ雄を見て固まり――。
プニ雄を両手で掴むと叫んだ。
「魔王様!!!!」




