プライド何てなかった
ハア……ハア……つ、疲れた。
何とか自分の家に辿り着き、外に出していた椅子に腰かける。
そこにぽよんぽよんとプニ雄が近付いてきた。
体を伸ばし、プルンと震え、「おかえり」と言っているように感じた。
「ただいま。プニ雄、お前の家を受け取って来たぞ」
すぐにでも犬小屋を設置してあげたいが、如何せん荷車を引くのに力を使い過ぎたせいか、腕がプルプル震えている。
膝の上に飛び乗ったプニ雄を撫でながら、回復を待った。
◇
腕も回復したので、早速荷車から小屋を下ろすことにした。
犬小屋に手をかけ、持ち上げる。
持ち上がらねえ。
え、なにこれ。
なんでこんなに重いんだ?
どう見てもただの木で作られた犬小屋なのに、荷車からピクリも動かない。
試しに引っ張ったり、押したりしたが、数センチほど動くだけで荷車から降ろすことができない。
この犬小屋もそうだが、この荷車も何で出来てんだ?
この村の周辺に生えてる木は硬いと聞いたが……え、こんな硬いの?
俺は自分の能力で木を直接操れるので、硬さを気にしたことがない。
俺が操れるのは、あくまでも生きてる植物のみ。
加工済みの物はどうすることも出来ない。
さてどうするか……いっそココアが来るまで待つか?
それは年上としてのプライドが……。
するとプニ雄がプルンと震え、荷台に飛び乗った。
そのまま犬小屋の下に入り込むと、そのまま持ち上げ、地面へ降り立った。
…………ふむ、やるじゃないか。
「家の軒下に置いてくれ。そうそう、そこだ。え? もっと日当たりの良い場所がいい? うーん、じゃあそっち側に置いてくれ」
俺はプニ雄に指示を出し、犬小屋の設置を進めた。
日当たりを良くするために、ここに生えてる木をどかすか。
能力を使うと、木が地面から「よっこらせ」といった感じで立ち上がり、移動を開始した。
あっちに根を下ろしてくれ、そうそう、そこだ、ありがとう。
穴の空いた地面に土を埋め、平らにならす。
犬小屋を設置したプニ雄は、さっそく中に入り体を楕円形にして寝そべっていた。
さすがに床が剥き出しなのは寝心地悪いよな。
俺は事前に用意してあったクッションを家の中から持ってくると、プニ雄に手渡す。
プニ雄はクッションを小屋の奥に設置し、そこで再度寝そべりだした。
嬉しそうに一つ目を細めている。
喜んでくれているようだな、よかったよかった。
俺も今日は畑の様子を見て休もうかな。
腕が今だにプルプルして、クワを持てそうにない。
夕飯も簡単なのでいいよな。
肉と野菜焼いてパンに挟んで食べよう。




