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怪獣  作者: 吉屋 沿道
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第十六話

 鼻歌。

 穏やかな曲調でアップテンポなリズムを刻んでいる。

 ゼイが入隊したのは第二部隊、俗ではB隊、白鯨などと呼ばれている。

 そして、同じく第二部隊に入隊した人物が一人、カルメリック・エリべリオル。


「よろしく、ゼイ」


 優しく微笑みかけるカルメリック。

 ゼイはカルメリックに好印象を抱いた。


「よろしく、カルメリック」


「長いから、カロンって呼んでくれ、みんなそう呼んでくれるから」


「ん、おぅ」


 カロンはゼイの手を取って、無理矢理握手をした。

 ゼイは軽く頷いた。

 カロンは手を離して、また優しく笑いかけてきた。


「これにて隊分けを終了とする、各部隊に戻って戦果報告と入隊式を行うこと」


 シャンセンが喋り終わると同時に全部隊長が立ち上がって新しく入隊した者を連れて約三歩円卓から離れた。

 それぞれが持っている小型のリモコンのボタンを押すと正方形に地面が少し浮き、ゆっくりと降下を始めた。

 ゼイ一行はしばらく降下すると眼の前の壁が開いて長距離の廊下が現れた。

 廊下には所々扉が設置されており、場所ごとに使用用途か、誰かの名前かが記載されていた。

 しばらくヴィオラについていくと、壁面に一際大きな扉が現れ、自動で開いた。

 大きな扉の先には巨大なテーブルとディスプレイ。

 そして、何人かの人間が居た。

 合わせて六人。


「帰ったわ、今回は二人よ」


「おおぉ」


 六人全員からの感嘆の声。


「二人もか、なかなか入ってこなかったからな」


「あぁ、今回は四年ぶりの入隊だ」


 がやがやと隊員たちが話し始める。

 ヴィオラはカロンとゼイに指で指示を出して席に座らせる。


「あなた達、静かにしなさい」


 ゼイの心音が聞こえるほどまで、部屋から音が消える。

 ヴィオラはディスプレイと扉から一番遠くの席に座った。


「みんな知ってるだろうけど、私がここ第二部隊の隊長ヴィオラ・エリベールよ、じゃあみんな自己紹介していって」


 ヴィオラから見て右側の礼服を着ている紳士風の男が立って頭を下げる。

 頭を上げた男は、周囲を見渡してその個人を判別できるほど特徴的に整えられた三日月型の髭を少し触る。


「私はルッキアート・エリべリオル、エリベール家の分家の一員となっております。今回入隊されたカルメリックの祖父に当ります。以後、お見知りおきを」


 ルッキアートは全員の顔見渡したあと深く頭を下げ、上げきってから座った。

 ルッキアートが完全に座り終えるのを見届けると隣の眼帯と裸体の上半身を持った傭兵のような男が立ち上がった。


「俺はチャーラック・ユードレッヒ。第一のシャンセンの弟だ。俺はあいつより強かぁねぇが弱くもねぇ、期待しとけ」


 ゼイはチャーラックから何処かパイフのような感覚を覚えた。

 カロンは横を向いてゼイの肩を叩く。


「チャーラックさんね、三年前に『サギ』に一人で挑んで生還したって噂が学校で流れてたけど、眉唾って話もあったんだよ、でも少数精鋭のここに在籍してるんだから半端な実力じゃなさそうだよね」


 カロンはどうやら噂なんかが好きらしく、様々な情報を持っている。

 それの真偽は不確かであるが。

 次いで、チャーラックの隣の男が立つ。

 男は特徴的な道化のような顔をしていた。

 人肌とはかけ離れた白い顔、華美なほどメイクを施された目。

 そして、顔の半分が黒いマスクで覆われている。


「私はアイゼンシュタイン・ケーロス」


 道化とマスクの男、アイゼンシュタインは例もせずに席についた。

 またカロンがゼイの肩を叩く。


「アイゼンシュタインさん、圧倒的にミステリアスな感じがするけどかなり情報はオープンな人だよ。彼の戦績は一切偽り無くホームページに載ってるし、出身校、部隊、動機なんかまで載ってる、むしろ怪しいくらいにね」


 アイゼンシュタイン、彼は多くの情報が簡単にしられる状態にあるため、このような場において多くを話す必要はない。

 この街では、「風のアイゼンシュタイン」と言われるようにアイゼンシュタインの名はどこに行っても聞こえてくるらしい。

 次に立った男には、頭がなかった。

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