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 それは2024年7月のこと。来月のシフトを決める時期がやってきたけれど、私はあることを思いついた。


 ーーあ、そうだ。ソウルに行こう。


 思いついてから私は早めに行動する。シフト制の接客業なので土日祝は仕事優先だ。平日3日間休みをとって韓国に行こうと思い、スカイスキャナーで安い航空券を検索する。関空発・仁川着の航空券を探し、1番安い日が8月27日から8月29日までだったのでそれを手配する。航空会社はPeachというLCCだけれど、座席指定なし・受託手荷物ありにしても25,000円以下で収まった。ホテルも予約サイトで2泊3,500円ほどだったので割と安い方かと思う。ドミトリーなので知らない人と相部屋になるけれど、寝るだけなので別に気にはならなかったのだ。

 職場の休み希望も入力し、あとは諸々の準備を進めていく。渡韓まで1ヶ月半くらい後だけれど、仕事で忙しくしていたら時間が経つのはあっという間だった。職場の若い女性同僚からソウルの主要観光地以外はあまり英語が通じにくいと聞いていたので、世界の果てまでイッテQ!の出川哲朗さんのようなマインドで英語と片言の韓国語で行こうと思っていた。出川イングリッシュならぬ出川コリアンだ。簡単な韓国語のみ使うか、最悪英語か日本語でどうにかしてやろうと思っていた。


 そんなこんなで出発日当日を迎える。事前に準備完了していたので、あとは忘れ物がないか確認して出発するのみだ。キャリーケースと出川コリアンを片手に関西国際空港から仁川国際空港へ向かう。ソウルはキャッシュレス決済が盛んだと聞いていたので、日頃からキャッシュレス派の私はクレジットカードと少しの日本円のみ持っていった。が、後に韓国ウォンを持って行かなかったことを後悔する。確かにキャッシュレス決済が盛んではあるものの、日本のモバイルICOCAのようにクレジットカード払いでICカードにチャージすることはできなかった。もしかしたらそういったこともできるかもしれないけれど、何しろ私にそれを理解できるだけの韓国語力がないのだ。そういうわけで現金が必要になるわけだけれど、日本のクレジットカードからキャッシングして現金を引き出せるATMは限られている。恥を忍んで駅のインフォメーションにいた女性スタッフに

「すみません……。日本のクレジットカードで引き出せるATMってどこにありますか?」

 と英語で聞いてみた。すると彼女は丁寧に教えてくれ、私はそこで現金を引き出せたのだ。ではどこでチャージしようかとなり、コンビニに入る。若めの男性店員だけれど英語は一切通じなかったので、覚えたての片言韓国語で

「これにチャージしてください」

 と言い現金を渡した。さすがに出川コリアンというわけにはいかなかったのだ。

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