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68.sideヴェル レールキャノン

 私、ハンナ・ヴァルカンが最後の無人機を撃ち落した時、まだ、ヘリボーン部隊は到着していなかった。


 激闘30分。3カ国の連合軍は、塔の上空での空戦で無人機軍団を壊滅させた。寄せ集め軍団にしては、よくやる。かつての敵を背中から撃とうとする奴がいなかったのも良かった。それだけ、レーヴェンの連中も統率が取れているのだろう。


「大佐、流石です。30機以上、大佐が落としましたよ」


 副官のハイエナ耳の男が通信で称賛してくれた。気分は良いが、まずは殿下の事である。


 私は、殿下にプレゼントしたチョーカーから発信される手がかりを元に、塔のどこに彼がいるかを慎重に探る。頭を集中させ、入ってくる位置情報をよりクリアにする。


「……!! 頂上か!」


 場所が分かった。塔の最上階に殿下はおられる。私は、慎重に高度を下げて、最上階を見る。


 だが、この場所は密閉されていて、どこにいるかが分からない。


 少しでも早く彼の顔が見たい私は、レールキャノンで壁を壊す事にした。慎重に、頭に入ってくる位置情報をより洗練させ、彼から一番遠い位置の壁を狙い、弾の威力を最小に設定して、背中の37㎜の巨大な砲を放った。2発、3発と放つと、流石の壁も崩れた。ヘリボーン部隊もあそこから侵入出来るだろう。


「む?」


 私は、開いた穴から中を覗くと、そこには驚くべき光景があった。


 そこにいたのは3匹の竜。1匹は吉弔。もう1匹は銀色の竜。そしてもう1匹は、お伽噺に出てくる様な8つの頭を持った竜だった。


 異様だったのは、8つの頭の竜から多数の触手が生えている事。そして、その触手に銀色の竜と……あと1人、誰か捕らえられている事だった。


「……!!」


 私はエンジンを絞り、低速度でそれを視認し、驚愕する。


「エルネスト殿下!?」


 その触手に捕らえられていたのは、見間違うはずもない。エルネスト殿下その人であった。あのもこもこ金髪と、羊の角は見間違うはずがない。


「……あいつか……あいつが殿下をかどわかしたのか……!!」


 次いで湧きあがるのは怒りの感情である。あの8つの首の竜。動機は分からないが、あいつが私の殿下を奪ったに違いない!


 私は、ハイライトの失った瞳のまま、機体を制御し、開けた大穴に正面から相対する形で飛ぶ。そしてそのまま、レールキャノンの照準を合わせた。間違えて殿下に当てない様に、それでいて、あの8つの頭の竜は確実にぶち抜ける様に照準を付けるなど、トップエースである私にとって、造作もない事だった。


「殿下からその汚いものを放せぇぇぇ! このトカゲ野郎!!」


 私は怒りを込めて、レールキャノンの引き金を落とす。加速された砲弾は、吸い込まれる様に竜に突き刺さった。


「殿下! 殿下!」


「大佐!?」


「お前達、ついてこい! 殿下をお救いする!」


 私は以前ここに案内された時、ここに滑走路があった事を覚えていた。そこに機体を置いて、殿下を救う事にした。部下達を置いて、滑走を見つけて、そこに着陸する。


「……?」


 滑走路には、あの腕のいいレーヴェンのパイロットが乗っていた機体が置いてあったが、今はそれよりも殿下の事だ。私は、塔の扉を蹴破ると、階段を駆け上がり、最上階に向かった。


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