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40/70

40.vs無人機

 後方を振り向くと、のっぺらぼうの無人機と、顔が合った様な錯覚を感じる。機関砲を撃ってきた時は思わず身をすくめた。何発かはかすめたが、直撃はしていない。


 更に後方からは、『バグパイプ』と『クロスボー』がついてきているのが分かる。後は私達が落とされるのが先か、奴が落とされるのが先かのチキンレースだ。


「ミサイルアラート!」


 不快な甲高い警告音が聞こえる。敵にミサイルを放たれた時の警告音だ。


「回避する」


 アナベルは冷静に、急旋回でそれをかわす。ミサイルは避けれたが、今度は機関砲が飛んでくる。だが、こちらもバレルロールでぎりぎり回避した。


 だが、それでも数発、機体に銃弾が当たってしまった様だ。機体に穴が開く嫌な音が響く。


「被弾!」


「ダメージは?」


「自動消火装置が作動したので、飛行には支障なし! しかし、燃料漏れが発生しているようです!」


「あまり長くは飛べないか……」


 帰りの燃料がもつと良いのだが……。


 その時、後方で爆発音がした。


「ミサイル命中! さすが『パファー』!」


 通信的に、『クロスボー』機の放ったミサイルが命中した様だ。見ると、無人機は所々が破損した状態だった。逆に言えば、そんな状態でも問題なく飛んでいるという事でもある。


「奴はまだ飛んでいます!」


「こっちは、残りの燃料計算しながら飛ばなきゃならんってのに、それに比べてタフなもんだなぁ」


 だが、それでも空戦はきついのか、こちらの追跡を諦め、フラフラとした挙動で、無人機は戦場から逃げようとしている。


「逃がすか!」


 今度は背後をとった『バグパイプ』が機銃を放つ。いくら強固といっても、空を飛ぶものに戦車の様な重装甲は施されていなかった様だ。たちまち、機体に穴が開く。無人機はそのまま失速して墜落していった。


「グッドキル! 『バグパイプ』」


「無人機相手なら人殺しにならん分、幾らか気は楽だな」


「同感でごわす。侵略者相手とはいえ、人を撃つのは心が痛むでごわす」


 墜落して爆発した無人機を眺めながら、そんな事を言う『バグパイプ』と『マンティス』。


「そんな事を言ってられるのも今のうちかもしれんぞ。技術の進歩は速い。飛行機を舐めてかかって全滅したドラコニア王国(・・)の竜の二の舞になりかねん」


「だな。油断大敵だ。それより『シルバー』、撃たれた様だが、機体は大丈夫か?」


「燃料漏れが発生している。基地まで燃料がもつか分からん。最悪、機体を体を捨てる羽目になるな」


「あまり無茶はするなよ」


「これも国民の税金で作られた物だと考えると、あまり無駄にはしたく無いが」


 私は残った燃料残量から、基地まで飛べるかを素早く計算する。恐らく無理だ、という結論に達するのに時間はかからなかった。


「恐らく、もちませんよ。燃料」


「……仕方ない。『ストライク』、パラシュート降下の訓練はきちんとしていたよな?」


「教官からは筋が良いと言われました」


「よろしい。上出来だ。最悪スカイダイビングをすることになるかもしれん、心の準備はしておいてくれ」



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