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23.反撃開始

「お前達、ブリーフィングを始める。席につけ」


 気がつくと、部屋の入り口には基地司令が立っていた。


「ブリーフィング? 新たなる作戦ですか?」


「そうだ。大本営からの命令だ。今度はこちらから少し驚かしてやる事にする」


 隊長の疑問に、司令は不敵に笑みを浮かべる。


 それからすぐに、基地のパイロット達に召集命令がかかった。ぞろぞろと、人が集まって来る。


「諜報部の活動により、ガポス平原に敵の大規模な物資集積地が確認された。知っての通り、敵軍は補給に苦慮しており、現在進撃スピードは鈍化している。これは、それに対応する為の前進基地であると推察される。ここに物資を集めて、前線に届ける事で、補給の問題を改善しようとしている訳だ」


 作戦会議室には、現在、この基地のパイロットたちがほぼ集まり、私を含め、皆、司令の話を聞いている。


「よって、この基地が存在し、機能する限り、敵軍に有利を取られたまま、という訳だ。早めにここは叩かねばならん。反撃の第一手として、我々レッドリー基地航空隊、および、近隣のレート基地航空隊に、この基地の奇襲任務が与えられた。天候は雨が予報されているが、だからこそ奇襲になる」


「反抗作戦第一弾か……責任重大だな」


「呑気に戦闘を楽しんでいる余裕は無いかもしれませんね」


「なーに、前と同様、あまり緊張せずにいこう」


 小声で、隣に座るアナベルと話すが、彼はあくまで飄々と言ってのけた。元々アグレッサーの教官をギブアップさせるまで戦う根性はあったが、実戦を経験して、余計に肝がすわった様に感じる。


「基地への直接的な攻撃は、レート基地の攻撃機部隊が行う。我々の任務は、レートの連中が到着するまでに、基地の防空能力を奪う事だ。基地には滑走路が築かれ、防空部隊が駐屯している他、多数の防空兵器が存在している。これらを排除し、爆撃部隊の露払いを行え」


 作戦会議室のスクリーンに、周辺の地形図が表示される。


「集積地には、レーダーによる探知を防ぐ為、超低空で侵入する事になる。本日夜間より、航空隊は当基地より順次発進、攻撃開始時刻は明日午前4時ジャスト。夜明け前に奇襲を仕掛ける。敵戦闘機および、対空兵装が動き出す前に始末するんだ」


 なるほど、対地攻撃任務……。今回は爆弾投下と、空対地ミサイルの制御が私の主な仕事になりそうだ。


「アナベル、あんまり低空飛行し過ぎて、地面にキスしないで下さいよ?」


「何だ、俺の腕を信用してないのか? 低空飛行訓練の成績はエールも知っているだろう?」


「勿論、兜の緒を締めてあげたんですよ」


 低空侵入については問題ない。後は、対空砲の弾幕に当たらない様に祈るだけだが。

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