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1. プロローグ : 転落した空の王者

ルフナ用の長編始めました。

 90年前。空の王者だった竜は負けた。


 完膚なきまでに、負けた。


 人の様な外見をしつつ、巨大な竜にも変身出来る誇り高き空の王者、竜人族。


 空も飛べれば、炎のブレスも吐ける、絶大な生命力も持つ、そんな強大なる竜人族が、王者の座から転落したのはおよそ90年前の事だった。


 原因はまさに頭上を飛んでいる飛行機。


 竜達は時代が変わった事に気づいていなかった。100年前、それまで地上を這う猿と見下していた人間達が、飛行機を発明した時、彼らはその木と布で作られた不格好な機械を散々に嘲笑し、こき下ろしていた。


 そして、それがとんでもない間違いだったと気付かされたのが、その約10年後。竜人族の大国、ドラコニア王国の王子が、運命の番だと言って、人間族の小国の姫君を、相手に婚約者がいるにも関わらず、横恋慕して強奪しようとした時だった。


 この理不尽な要求に小国は抵抗して、戦争になった。ドラコニアの竜人達はそれまでと同じ様に、人間達の、それも吹けば飛ぶような小国の軍隊なんて一瞬で蹴散らせると考えていた。


 だが、蹴散らされたのは竜達の方だった。今まで通りに、飛竜形態で小国の領空に侵入した竜人達を、遥か上空で待ち伏せていたのは、かの国の戦闘機部隊だった。


 竜達が侮り嘲っていた10年の間に、飛行機の性能は大きく進化していた。その頃には、飛行機は竜よりも速く、高く、空を飛べる様になっていた。


 その事を竜達は知らなかった。否、知っていてもあえて見ないように、考えない様にしていたのかもしれない。猿もどきの人間族が作った機械が、気付いた時には自分達の能力を遥かに上回っていたなど、プライドの高い彼らが受け入れられる訳が無かったのだ。


 結果、竜は飛行機に敗北した。言い訳できない程、一方的に。


 『屠殺戦争(スローター・ウォー)』と揶揄されたその戦争において、竜達は飛行機に全く追いつけず、矢や小口径の銃弾からは身を守ってくれた硬い甲殻も、戦闘機に搭載された大型の機関砲の前では、バターも同然だった。戦闘とは名ばかりの、一方的な虐殺だったという。


 その後も竜達は飛べば飛ぶだけ撃ち落されるだけになり、そのうち損害に耐え切れなくなり、講和を結んだ。竜達にとってかなり不利な条件で。


 竜が人間に一方的に敗北したという衝撃的なニュースはたちまち世界中を飛び回り、各国は一層、空軍の整備と軍用機の開発に力を入れる事になる。


 今や世界中の空を飛び回るのは、90年前の戦争で活躍したレシプロ機ですらなく、ジェット機が主流になっている。もう音速で飛び回り、ミサイルを撃ってくる戦闘機に、竜は絶対に敵わないだろう。


 そんな竜達のプライドがズタズタにされた日から、およそ90年が経った。


 今日も空には、飛行機雲が一直線に白い軌跡を描いている。

懲りずに戦闘機✕異世界恋愛物です。異世界の空でエースコンバッ◯やりたい人だからね。仕方ないね。


インスピレーション元はエースコンバッ◯シリーズと、R・TYP◯シリーズと、東◯Projec◯シリーズ。こいついつもシューティングゲームから発想得てるな。


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