夕菜の苦難 ⑤
夕菜は固まってしまった。
池田「なんだ?否定できないって事は、本当に勇馬なのか?」
池田は詰め寄ってきた。
夕菜「ち、違いますよ!!
私は、勇馬と違いますよ!!」
夕菜は慌てて言い返した。
池田「隠さなくても良いんだぞ。」
池田は聞いてきた。
夕菜「何を隠しているのでしょうか?」
夕菜はあくまでとぼけてみた。
池田「はぁ~」
池田は深いため息をはいた。
下はネタが少々入ります。
池田「もう調べはついている!!吐いちまって楽になれよ。」
池田は夕菜にスタンドのライトを向けながら言った。
夕菜「私は何もやってないっていっているでしょう!!」
夕菜は言い返した。
池田「証拠はもうあがっている。観念したらどうだ?」
夕菜「その証拠ってなんですか?」
夕菜は何も考えずに言ってしまった。
池田は夕菜が勇馬だという理由について語りだした。
池田「そうか。
まず一つ目の理由だ。
今日の宮崎との打ち合いでお前は少々ならやったことがあるといった
だがな、あの動きは少々やった程度では出来ない。
そして二つ目だ。
今日、宮崎に言ったよな?
『友梨。それ全力じゃないよね。
なにか別の事考えていない?』ってそれはな
毎日、宮崎を見ていないといえないようなことだ。
俺も気がついてはいたがいつも見ていない人には気づかない程度だった。
そこをお前は出会って数日なのに気がついた。」
夕菜「そ、それだけじゃ理由にはなりませんよ」
池田「まだあるぞ。
俺が今日この家に来たときに俺を家に入れるときに『襲わないでくださよ』っていったよな」
夕菜「えぇ…」
池田「それは、俺がこの家に初めて来たときも勇馬に言われたんだ」
夕菜(やば。あれ池田が家に来たときにも言ったことだったっけ?)
それは勇馬が入学してまもなくの事だった。
池田は高校の先生では珍しく生徒の家を回った。
その時に勇馬は池田を入れるときに
勇馬「俺が女っぽいからて襲わないでくださいよ」
といったのだ。
これが今ではあだとなったみたいだ。
池田「そういうことでおまえは勇馬だな?」
池田は言葉では疑問系だが顔は自信満々に言った。
夕菜「はぁ。そこまで理由があるんならもう言い逃れできそうにねぇな。」
夕菜はいよいよ諦めた。
池田「本当に勇馬でいいんだよな?」
池田は最後の確認をしてきた。
夕菜「あぁ。」
夕菜は口調を元の勇馬のものに戻した。
池田「やっと吐いてくれたか…
まだまだ証拠はあったんだがもういいか。
それにしてもどうしたんだ?」
当たり前のように池田は夕菜に聞いてきた。
夕菜はなぜ変わってしまったのかを池田に話した。
池田「そんで戻れるのか?」
夕菜「さぁわかんねぇ。警察からはそのことに関する押収品はなかったって言ってるし。」
夕菜は先日警察からかかってきた電話を思い出した。
その日、夕菜はテレビを見ていた。
すると電話がなった。
この時は優子が取った。
優子「はい。もしもし?」
そして優子はしばらくして電話を夕菜に渡してきた。
夕菜「はい、もしもし?」
???『警察ですが…勇馬君でしょうか?』
夕菜「は、はい。な、何でしょうか?」
夕菜は警察から自分に電話が来たことに驚いた。
それと自分の体が変わってしまった事を警察が調べていたことを思い出した。
警察『単刀直入に申し上げます。』
夕菜「は、はい。」
夕菜は緊張した。
警察『あの会社を家宅捜索しましたが繋がるものは何一つ押収できませんでした。』
夕菜「ということは…」
夕菜は結果は分かっていたが聞いてみた。
警察『言いづらいのですが、現時点であなたは戻ることが出来ません。』
夕菜「…そうですか。俺はもうなんだかこの生活に慣れてしまって特に困りはしませんけど…」
警察『そうですか…一応私達も頑張りますのでお気を落とさずに…』
夕菜の落胆が相手にも伝わったのだろう。
そして電話が切れた。
そのあと30分ほど夕菜が白けていたのは余談だ。
とこんなことがあったのだ。
池田「でお前はどうするつもりだ?」
夕菜「どうするとは?」
夕菜は池田にばれたので姿勢をくずして話していた。
池田「このことが公になったらまずいだろ?
俺に口止めとかはしないのか?」
夕菜「そこまで分かってるんなら言うまでもないだろ?」
夕菜はさも当たり前のように言った。
池田「ところで一つ疑問に思ったことがある。」
池田は人差し指を立てて言った。
夕菜「なんだ?」
池田「おまえ戸籍とかはどうした?
それが無いと高校なんて入れないだろう?」
夕菜「しらねぇよ。母さんがいつの間にか俺の戸籍を作ってた。」
池田「なんで簡単に戸籍作れるんだろう…」
夕菜「さぁ息子である俺でもわかんねぇ~」
夕菜は肩をすくめながら言った。
池田「ある意味こわいな…」
池田も肩をすくめて見せた。
夕菜「ところでまだ帰らなくて良いのか?」
夕菜が違う話題に振った。
池田が来てから大体1時間たった。
池田「もしかして邪魔か?」
夕菜「まぁハンバーグ作ってた最中ですし。」
池田「そうだったな。失礼した。」
池田は立ち上がり玄関に向かった。
外はもう暗くなっていた。
夕菜「このことは内密にお願いします。」
夕菜は池田に上目使いでいった。
池田「そうしたらマジで女だぞ。」
夕菜「今は女ですから。」
夕菜は普通に言った。
池田「おまえ、順応性高いよな。」
池田はあきれたように言った。
夕菜「まぁ気をつけてないと言葉が男言葉になっちゃうんですけどね。」
池田「そうか。気をつけろよ。」
夕菜「先生も、よろしくお願いします。」
池田「わかった。分かった。」
池田は帰っていった。
夕菜「はぁ~」
夕菜は深いため息をはいた。
夕菜「気をつけないとな…」
夕菜は心に深く刻んだのだった。
だが夕菜はスッキリとしていた。
普通に話すことの出来る人が家族以外に増えた事で肩の荷が少し軽くなった事が原因だった。
作者「ピギャワァァァァァ」
作者は走った。
夕菜「待てこら作者ぁ~」
夕菜は作者を追いかけている。
作者は壁際にきてしまった。
これで逃げることは出来なくなった。
夕菜「冥土の土産に一つ教えろ!!」
夕菜は作者を追い詰めながら言った。
作者「冥土の土産の使い方が違うような…
どっちかといったら私がそれを言うような感じだよね。」
夕菜「いまはそんなのどうでもいい!!作者!!」
作者「は。ハヒ」
作者はひるんだ。
夕菜「なんで俺の正体を池田にばれるようにした?」
作者「そ、そろそろ話し合える人が欲しいんじゃないかと…」
夕菜「そうか。じゃぁタヒね。」
夕菜はパンチを作者の腹に叩き込んだ。
作者「ゲフッ」
作者は血を吐いて倒れた。
作者の残りHP1.
かろうじて作者は生き延びた。
夕菜「チッ、タヒぞこないが!!」
夕菜は去って行った。
そして作者は通りかかった友梨が救急車を呼んで完全復活を遂げたそうな…