表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/44

夕菜の苦難 ④

夕菜は友梨の部活を見て家に帰ってから

友梨の考えていたことは何かを考えながら風呂に入った。

夕菜は汗をかいた体を洗い、浴槽で考え事をした。

それは友梨の事である。

夕菜(友梨はどうしたんだろ…今日はなにかが変だったな。

  もしかして俺(勇馬)に関係があるのか…)

夕菜は考えても核心となるような答えは導き出すことができなかった。

この時夕菜には考えなくてはいけないことがもう一つあった、

それは工藤桃子との教室での会話の事だった。

しかし夕菜は友梨の事しか考えずにその事を失念していた。

そして夕菜は風呂から出て、服を身につけ台所で夕食を作り出した。


トントントントントントントントントントントン


台所からテンポのいい、音が聞こえてきだした。

夕菜は包丁でたまねぎを切っていた。


トントントントン・トン・・トン・・・トン・・・・トン・・・・


だがしだいに包丁の奏でるリズムは狂って来た。

それは夕菜が自身の思考に入っていき始めて作業がおろそかになり始めたからだ。

夕菜(友梨が変なのは俺(勇馬)のせいなのか?

   そうだとしたら俺が初めてこの姿で学校に行った時に気持ちが沈んでしまっていたのも頷ける。)

夕菜はやっと友梨の確信に近づいてきたようだ。

夕菜はここでたまねぎのみじん切りが程よくなったのを気がついた。

今度はひき肉をボールに入れ、たまねぎをそのボールに入れてこね始めた。

夕菜はこねながらも何かを考え始めてしまった。

だがここでその思考はストップすることとなる。


ピンポーン


玄関のインターホンが鳴った。

今の時間は午後6時半だ。

だがこの時間の来客は普通いないはずである

夕菜は作業と思考をいったん置いておくことにした。

夕菜「は~い。今でます。」

夕菜は手についたひき肉などを落として、手を洗いながら言った。

夕菜は玄関に向かっていった。

そして玄関を開けたところにいたのは夕菜の担任である池田であった。

池田「よう。」

夕菜「え、えぇ~と、どうしたんですか池田先生?」

夕菜は池田が突然訪問してきたのに驚いた。

池田「いやちょっと聞きたいことがあってな。」

夕菜は聞きたいことがあるということで家に来た池田を怪訝そうな目で見つめた。

夕菜「なんなんですか?」

夕菜はひとまず聞いた。

池田「玄関先で話すようなことではないから、家に入れてくれ。」

夕菜「いいですけど。私を襲わないでくださいよ。」

夕菜は冗談をいった。

池田「そんなことはしないさ。仮にも教師だからね。」

夕菜は池田を客間に連れて行った。

夕菜は池田を客間に待たせて、池田用に珈琲のブラックを、

珈琲の砂糖とミルクを一杯ずついれた自分用をつくり客間にいる池田の元に持っていった。


池田は差し出されたブラック珈琲に一先ず少し飲んだ。

池田は笑みをこぼした。

夕菜(池田の奴どうしたんだ?)

夕菜は自分用につくってきた珈琲を飲みながら思った。

夕菜「ところで池田先生どうしたんですか?こんな時間に」

池田「いやな。今日部活を見にきて少し打って帰っただろう?

   あの腕なら良い所までいけると思って誘いに来たんだが。」

池田は夕菜を部活に勧誘しに来ただけのようだった。

夕菜はてっきり今日友梨にいった言葉で疑問を持ったのかと思っていた、

だからボロが出ないように気をつけるつもりだったのだ。

夕菜は先ほどの笑みが何だったのかを疑問に思ったが池田の質問に答えた。

夕菜「そのことなんですが、私は家事があるので、部活には入るつもりはないんです。」

夕菜はあらかじめ考えていた言い訳を話した。

池田「そうなのか?無理強いするつもりはないけどな。

   それにしても今日の夕飯はハンバーグか?」

池田は夕菜が先ほど作っていたもの、

つまりハンバーグなのだが、それを池田が知っているはずは無い。

夕菜「な、なんで知っているんですか?!」

夕菜は慌てて聞いた。

すると池田は語り始めた。


一時間前


池田はまだ体育館にいた。

それは夕菜が帰ってだいたい30分がたとうとしていた。

友梨は直樹がコート内からコート外へと引きずり出したままいまだに自分の世界に入っている。

池田は急に決心をしたような顔つきになり、部員を集めて言葉をかけた。

池田「今日はこの後俺はいなくなるがちゃんとやっとけよ。」

部員「はい。」

そして池田は体育館から姿を消した。

池田はその足のまま自転車置き場まで歩いていき、自転車で山崎家に向かっていった。

十数分で山崎家についたが、在宅を確認するために庭から家の中をのぞいたらしい。

すると夕菜が考える顔をしながら何かを作っていた。

台所の窓までいき、夕菜が作っている材料をみるとハンバーグと思ったらしい。


そして時間軸は元に戻り池田はその事を夕菜に言った。

池田「と、まぁこれが俺が分かった理由だ。」

夕菜「不法侵入。のぞき。・・・・」

夕菜は池田がやったことを呟いていた。

池田「え~とまぁ、そ、それだ。お、俺はいやしいものは何も見ていない!!」

池田はあせりながらも反論してきたがたいした反論になっていない。

夕菜「警察に電話しようかな…ここに不法侵入者がいますって。」

夕菜は立ち上がり電話のあるほうに向かって歩いていった。

池田「ちょっとまってくれ。」

夕菜「私は犯罪者の言葉には耳を傾けない。」

夕菜は電話のプッシュをした。

夕菜「あ、もしもし。警察ですか?」

池田は慌てて夕菜の持っている受話器を取り上げた。

池田「待ってくれって言っているだろう。」

池田は受話器を自分の耳に当てたが何も聞こえない。

池田「え?」

夕菜「プッ。池田先生本気にした?」

夕菜は抜かれた電話線を持って言った。


池田「ったくおまえは何回俺をいじくれば気が済むんだ?」

夕菜「さぁね。俺の気がすむ…m」

夕菜はここまで言って自分の言ったこと、池田が言ってきたことの重要さに気がついた。

池田「どうしたんだ?」

池田は平然と言った。

夕菜(池田は気がついていない。よかった。)

だが現実はそこまであまくなかった。

夕菜「い、いえ、なんでもありません。」

夕菜は慌てていった。

池田「そうなのか?

   というか隠さなくていいぞ。もう俺にはわかっている。」

池田は自信満々といった風に言った。

夕菜「え~と…な、何を隠さなくていいんでしょうか?」

夕菜は池田が言った言葉に動揺を隠せなかった。

池田「ふっ。俺の口から言ってほしいのか?」

池田はやはり自信満々に言った。

夕菜「ワ、ワタシハナニモカクシテイマセンヨ」

夕菜はあからさまに嘘としか言いようのない口調でいった。

池田「そんな風に言われても説得力が無いんだがな。

   まぁいい。

   言ってやろう。お前は前に俺が受け持っていた『山崎勇馬』だな。」

池田は確実に『山崎勇馬』といった。

これにより夕菜のなかで時間が止まった。




夕菜「なぁ作者俺、池田にばれちまったのか?」

作者「そだよぉ~」

夕菜「なんでだ?Why?なにがいけなかったんだ?」

作者「自分でばれる要素作ってるくせに…」

夕菜「なんだと?!」

__________________________________


作者「本日後書きに初登場池田当麻さんで~す。」

池田「よ、よろしくお願いします。」

池田は緊張している。

作者「でわ早速質問です。

   夕菜の正体に気がつき始めたのはいつから?」

池田「ちょっとおかしいと思ったのは転校してきて2日目です。」

作者「なんでですか?」

池田「学校になじむのが早すぎました。」

作者「それだけ?」

池田「それだけです。」

作者「確信になったのは?」

池田「それは次話で」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ