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夕菜の初登校 その②

夕菜は職員室に友梨と別れて向かっていた。

夕菜(友梨大丈夫かな・・・)

夕菜は友梨の心配ばかりをしていた。

そして職員室に着くと扉の前でいったん止まった。

夕菜(さてこのまま入ってしまっていいのだろうか?

   う~ん。分からん。俺なんか転校どころか引越しもしたことないしな…)

夕菜は職員室にどう入っていくかを悩んでいた。


ガラッ


すると突然職員室の扉が中から開かれた。

???「こんなところで何をしているんだ?」

職員室の中から出てきた先生に話しかけられてしまった。

夕菜にはこの声は聞き覚えがあった。

夕菜は話してきた相手の顔を見るために顔を上げた。

そこには勇馬の担任だった池田 当麻がいた。

夕菜は密かに初めて出会った先生が池田だったことに喜んだ。

夕菜(よかった。この姿であった先生が池田で…まだ親しみやすい…)

夕菜「お、おはようございます。お…わ、私今日から転入する山崎夕菜って言います。」

池田「おぉそうか君が今日転入してきた子か。

   とりあえず中に入って。」

夕菜は池田に勧められるまま職員室の中に入った。


職員室の中はまだ新しく、内装もきれいであった。

しかし先生方の机の上は散らかっていたが…

池田「こっちだよ。」

池田は夕菜を来客用のソファーに座らせた。

池田「そういえば挨拶がまだだったよね。お…僕の名前は池田当麻って言います。」

夕菜には池田が無理をして堅苦しい言葉を使ってきていると感じ取った。

夕菜「普通に話してくれてかまいませんよ。」

池田「それは助かった。俺堅苦しい言葉使いって嫌いなんだよね。」

池田は笑った。

池田「そうだ。君のクラスは俺の受け持つクラスだ。

   よろしく頼むよ。」

夕菜「は、はい。」

夕菜(まぁそりゃそうか。俺(勇馬)が休学したから人数が少ないのはあのクラスしかないんだったな。)

池田「それにしても山崎君にこんな可愛い妹さんがいたなんて。」

夕菜「想像もつかなかったですか?」

夕菜は苦笑いをしながら言った。

池田「まぁね。」


少し時間が過ぎ夕菜が教室に行く時間が迫ってきていた。

池田「それじゃぁ俺のあとについてきてね。」

夕菜と池田は教室に移動を始めた。



池田は夕菜を置いて先に教室に入っていった。

夕菜は廊下に置き去りにされた。

しばらくたち、教室から池田に呼ばれた。

池田「山崎さん入ってきなさい。」

夕菜は教室の扉を開け堂々と教卓の前まで歩いていった。

夕菜「山崎 夕菜です。よろしくお願いします。」

池田「山崎はいま休学している山崎勇馬の妹だ。」

夕菜は教室を見渡した。

友梨の方を見てみると友梨が顔を上げ一瞬だけ目があい友梨はまた机に突っ伏した。

直樹は…机で寝ていた。

ほかの生徒達は夕菜について話を始めた。

生徒A「あの子可愛くない?」

生徒B「可愛いねぇ~」

生徒C「夕菜たん付き合って~」

夕菜「え…」

ビュン←夕菜が走り出した。

ドスッ←夕菜が生徒Cの前に行き鳩尾に一発殴りを入れた。

バタッ←生徒Cが倒れた。

夕菜「ナンパ野郎はこうむり去った。」

夕菜は気持ちよく言い放った。

生徒達「・・・」

夕菜「え?あっ」

夕菜は自分が無意識のうちに生徒Cを倒してしまったことに気がついた。

夕菜(し、しまった…)

夕菜は周りの生徒の反応を待った。

夕菜(ど、どうなる?)


30秒ほどたち…


生徒達「ワァァァ山崎さんって凄くかっこいい。」

生徒達は立ち上がって夕菜を囲んだ。

夕菜「・・・・アハハハハ」

もう夕菜は笑うしかなった。


この騒動で友梨は机から顔を上げていた。

友梨(騒がしいわね…ん?あそこに倒れているのは生徒Cね。どうしたのかしら?)

友梨は夕菜の近くで倒れている生徒Cを見て考えた。

そして友梨は考えても答えが出なかったので隣の生徒にどうしたのかを聞いた。

するとその生徒から返ってきた言葉は想像もつかないことだった。

生徒「今日転校してきた夕菜って子がね、ナンパしようとした生徒Cを倒したのよ。

   そうね。かつて勇馬君がしたように。」

友梨「な。」



生徒がいった「かつて勇馬君がしたように」とは勇馬は入学当初は先生にも生徒にも女と勘違いされてしまっていた。

そして最初に告白したのがその生徒Cだった。

生徒Cはこの学校での勇馬による最初の被害者でもある。



友梨は信じられなかった、今日一緒に来た夕菜の腕は男を倒せるような太さの腕ではなかったからだ。

友梨「うそでしょ?」

友梨は生徒に確認を取った。

生徒「本当の事よ。その証拠に生徒Cがそこに倒れているでしょ。」

友梨はこの証拠を見ても実感がわかなかったが、決定的な証拠があるため信じるしかなった。


直樹は一瞬この騒動で起きはしたもののすぐにまた寝始めた。



夕菜「アハハどうしましょ…」

夕菜は多くの生徒に囲まれながらこれからどうやって生活しようかを考えていた。


池田は口を開いたまま閉じないようだった。


数分後やっと落ち着きを戻した生徒達はそれぞれの席に座っていった。

そのころには池田も回復しており進行を始めた。

池田「山崎さんはその席を使ってくれ。」

池田は夕菜に元々勇馬の席だったところを指差しながら言った。

夕菜「はい。」


そしてその後、無事に始業式は終わり、下校の時間になった。

すると背後から誰かに肩を叩かれた。

夕菜「だれ?」

夕菜は振り向きながら聞いた。

友梨「私よ」

夕菜「あっ」

そこには朝よりも元気を取り戻した友梨がいた。

友梨「ねぇ一緒に帰らない?」

夕菜「いいけど。」

しばらく歩き友梨は急に口を開いた。

友梨「ねぇなんであなた生徒Cを倒せたの?仮にも相手は男よ?

   なに武術でもやったことあるの?」

夕菜「え~と。武術はやったことないわ。勇馬にちょっと教わっただけ。」

夕菜はあくまで勇馬(自分)に教わったことにした。

友梨「そう。ところで勇馬っていまどこにいるんだろうね?」

夕菜「さ、さぁ…」

夕菜(目の前にいますなんていえないよな…)

友梨「ごめんなさいね。あなたに愚痴っても勇馬はすぐには帰ってこないのに。」

そして友梨との会話は終わってしまった。


夕菜の家の前に着き、夕菜と友梨は分かれた。

夕菜「それじゃ…」

友梨「じゃ。」





余談

直樹は始業式には出たものの寝たままで教室に帰るとまた机に突っ伏して寝始めていた。

そして直樹が気がつくと下校時間を過ぎていた。

直樹「はっ!!なんか今日を無駄に過ごした気がする。」


夕菜「なぁ作者。」

作者「はい?」

夕菜「俺って、友梨にとってどんな存在なんだ?」

作者「あんたまだ分かってないの?」

夕菜「何のことだ?」

作者「はぁ~あんたって鈍感ね…」

夕菜「なんだよ!!教えろよ。」

作者「面白そうだからおしえな~い。」

_______________________________________________________________


友梨(勇馬。勇馬。勇馬。勇馬…はっそうだ。)

友梨「作者出てきなさい!!」

作者「はいはい?何でしょうか?」

友梨「勇馬を出しなさい!!」

作者「え?そんなこと…無理。」

友梨「なんでよ。」

作者「そのほうが連載が続くからよ。」

友梨「そんな…」


_________________________________



直樹「俺の台詞なし?!」

作者「そうだねぇ~」

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