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始まりの合図
音感のない智洋が音感ピカイチの健人と軽音部に入り、
色々なことに巻き込まれていきます。
「智洋さ軽音部入らね?」
こんなことを聞いてくるのは俺の親友の健人だ。
「入らねぇよ、そもそも俺楽器弾けないし」
俺は音感がマジでない。音感のステータスはどこへ行ったのか疑問に思うレベルである。
「でも、エレキギターはかっこいいよな」
「じゃあさ軽音部入ったら教えてやるよ」
うーーん、これは響くな。俺と違って健人は音感がピカイチである。生活音が全部音符になって聞こえるらしい。何それと思っちゃうよな。こんな健人に教えて貰えるならワンチャンあるんじゃね?しかも女子からモテて春来ちゃうんじゃね?とか思ってしまった。その一瞬思考の隙に言ってしまった。
「毎回練習行かなくてもいいか?」
「それでいいよ!」
まあ、エレキが上手くならなかったら、少しずつ部活からフェードアウトして行って軽音部から消えてやろうと思った。でももし上手くなったら、イキリ散らかそうと心の奥で思いながら健人入部届を出しに行く。
これから健人との軽音部生活が始まった。