凪、人気者の所に行く2。
鈴原の小説は高校3年生の男子と高校2年生の女子が中心の話だった。男子の方は根っからのオタクで毎日オタク仲間とアニメ、漫画、ラノベを楽しむ生活。一方女子の方は隠れオタクで一人で趣味を楽しんでいた。そんなある日、2人は出会う。意気投合し、よく2人で遊ぶようになる。オススメの漫画の話をしたり、一緒にアニメを見たり、イベントなども一緒に観に行ったりする。
オタク友達だが、普通に遊んだりもする。夏はプールに行ったり祭りに行ったり。冬はクリスマスパーティーをしたり年越しを一緒に過ごしたりとまるで彼氏彼女のように過ごしていた。
男子の方が大学に合格し、春から大学生になるがこの町から離れることになるからもう会えなくなることになる。そうなる前に何とかしないといけないと思った女子の方は卒業式が終わった後に告白する事に決めた。
卒業式が終わった後に男子を呼び出し、告白をする。返事はOK。付き合う事になり、1年後、女子の方も同じ大学に行き、それからも幸せに過ごしました。終わり。
この小説に登場する男子と女子ってなんか俺と鈴原みたいな感じがする。俺たちオタクだし、この小説に書いてあること全部してきたし、でも、後半の部分は全然違うから俺の思い過ごしかもしれない。
「どうでした先輩?」
「あ、ああ。面白い。凄い面白かったよ。これなら新人賞取れるんじゃないか」
「それだけですか?他に思った事はないですか?」
「そう言われてもな、」
やっぱり登場人物の事か、思い過ごしなら恥ずかしいしな。
「タイトルなんて書いてます?」
タイトルの事だったのか。えーとタイトルはと
「『オタクの彼女は好きですか?』って書いてあるけど」
「オタクの彼女は好きですか?先輩?」
「オタクの彼女がいればそれは楽しいだろうけど」
「そうですよね。先輩もそう思いますよね」
「あ、ああ」
「なら先輩、私と付き合ってください」
「・・・・・・」
ま、まじか。まさか鈴原の方から告白してくるとは。
「先輩、ダメですか?」
「全然ダメじゃない。むしろ本当に俺なんかでいいのか?」
「先輩がいいんです」
「そ、そうか。でもまさか鈴原の方から言われるとは思わなかったよ。実は俺も今日告白しようと思ってたからさ」
「え?そうなんですか?なら私告白しなくても良かったんですか?」
「まあ、そうなるな」
「なら先輩からも告白して下さいよー」
「もう付き合ってるんだからいいだろ」
「私も言われたいですー」
「分かったよ」
さっき告白されたのに次は自分から言う事になるとは。
「鈴原、俺と付き合ってください」
「はい!喜んで」
今日から俺は鈴原と付き合うことになった。卒業式の日に彼女が出来た。よく卒業式の日に告白して恋人になるアニメとか漫画とかあるけどまさか自分がそうなるとは思わなかった。
「先輩、これからどうします?」
「そうだな。とりあえず家に行って結衣に報告しないとな」
「私も行きたいです」
「そうだな。2人で行くか」
家に行き、結衣に報告すると凄く喜んでくれた。結衣は鈴原の事好きだったから、これからも会えるようになって嬉しいんだろう。
大学も一緒の所になるだろうからこれからも鈴原に振り回される日々が沢山あるだろうけど楽しくなりそうだ。