凪と人気者、久しぶりに会う。
1月8日。今日から3学期が始まる。さらに1週間後には大学受験がある。ハードな1週間が始まろうとしていた。
「先輩、おはようございます!久しぶりですね」
登校途中、鈴原が話しかけてきた。会うのは初詣以来だから1週間ぶりか。
「ああ、おはよう。勉強しなきゃいけないからな」
「あと1週間で試験ですもんね。また私が教えましょうか?」
「いいのか?」
「いいですよ。合格してもらわないとダメですからね」
「落ちたらシャレにならないしな」
「それもそうですけど、私も先輩と同じ大学行くつもりなので」
「・・・・・・」
今なんて言った?同じ大学?誰と誰が?
「誰が俺と同じ大学って?」
「私と先輩が」
聞き間違いじゃなかったか。
「なんで?」
「なんでって私が行きたい大学だったんですよ。それで先輩がそこに行くって言ってたから同じ大学だって」
「もっと早く言ってくれたらよかったのに」
「驚かせようと思って言ってなかったんです」
鈴原と大学でも一緒にいられるのか。それは絶対合格しなくちゃいけない。
「鈴原、勉強教えてもらっていいか?」
「はい!じゃあ今日の放課後図書館でいいですか?」
「ああ、頼む」