凪と人気者、写真を撮る3。
ハグの写真を取り終え、3枚目の指示を待つ。どうやらつぎで最後らしい。
『じゃあ最後にキスしてね!』
「できるかー!」
思わず叫んでしまった。できるわけないだろ。キスだぞキス。恋人がするやつ。
「なあ鈴原、これは流石にな、」
「え、しないんですか?」
「・・・・・・」
鈴原さん?あなたするつもりなんですか?てかしてもいいんですか?
「キスは好きな人同士でするもんだろ。だからダメだ」
「私、先輩ならいいですよ」
「え、今なんて」
そう言った途端に写真が撮られた。写真には間抜けな顔になっている俺とその俺を見て笑っている鈴原。
「先輩の顔事故ってますよ」
「鈴原が変なこと言うからだろ」
「変な事って?」
「いや、もういい」
自分からさっきの事を聞くのは恥ずかしい。
「じゃあ先輩、撮った写真加工しに行きましょうか」
隣りの機械に入り、写真を加工する。目を大きくしたり、文字を入れたり出来る。
「どうですか?これ」
鈴原は3枚目の写真の俺に「間抜けな男」と書いた。別にいいけど。
「はい。先輩の分です」
「ありがとう」
「大切にして下さいね。スマホに貼ってもいいですよ」
こんなの貼れるか!家に飾っておこう。