凪と人気者、ゲーセンに行く。
街ゆく人が俺の方を見ている気がすると思ったが俺の隣の人を見ていた。それもそのはず、隣にいるのは鈴原鈴音だからな。
女性の人達は憧れの眼差しを向け、男性の人達は目がハートになっていたり、俺の方を睨んだりしてくる。もう慣れてしまった。
「先輩、映画の後何しますか?」
「そうだな。久しぶりにカラオケなんでどうだ?」
「いいですね。私も最近歌ってないんで行きましょう!」
映画の後にする事も決まったし、いい一日になりそうだ。
ショッピングモールの中に映画館が入っているからそこに行く。映画のチケットを先に買い、まだ時間があるからゲーセンに行くことにした。
「レースゲームしましょう!湾岸コース」
「いいぞ。言っておくが俺結構得意だぞ」
「私だって得意ですよ」
この手のゲームは1速2速と変えるのにクラッチを踏まなくていいから楽でいいよな。本物ならこうはいかない。
ガチャガチャするの楽しいから無駄にする人もいるくらいだ。
レースが始まり、最初のコーナー。鈴原は完璧なドリフトを決めてインコースから俺を抜かして行った。
「上手いな」
「えっへん。このままぶっちぎりますよ」
まだレースは始まったばかり、最後に抜かしたらいいからチャンスが来るまでじっくり待つ。
鈴原を抜かせないまま最終コーナーが迫ってきた。
「このまま勝たせてもらいますね」
「見てろよ」
最終コーナー。直角カーブ。2速におとし、エンジンブレーキが掛かり、スピードが落ちる。それを利用して鈴原の車をコーナーで抜かした。そのままゴール。
「・・・・・・負けました」
「負けるとこだった。上手いな鈴原」
「結構好きなんでこのゲーム」
鈴原とは好きなゲームが合うから遊んでいて楽しいな。