凪と人気者、部屋の掃除をする。
「先輩、起きてください」
鈴原の声が聞こえる。まだ朝だぞ。そんなに早く来たのか。
「早いな、鈴原。こんな朝早く」
「何言ってるんですか!もう4時ですよ4時!」
時計を確認する。確かに4時だ。おかしい。さっき時計を見た時は8時だったぞ。瞬きした瞬間に4時になっている。怖い。
「さあ、早く起きてください。そして私の料理作っている姿を見ててください。成長した姿を」
「うぃー」
「それにしても先輩の部屋散らかってますね」
「そうか?」
「はい。散らかってたら勉強集中出来ないですよ。掃除しましょう。手伝いますから」
「でも料理は?」
「まだ時間ありますからチャチャッとしましょ」
変なものとか出てきたりしないよな?俺のじゃなくて西野の置いていったものとかあったらまずい。絶対俺のと勘違いされる。
「じゃあ、鈴原は床に落ちてる物集めてくれ」
「了解です」
今のうちに変なものがありそうな所をチェックする。ベットの下。勉強机の奥。本棚の後ろ。よし!ない。
「これ先輩のですか?」
鈴原が手にしてるのは成年誌。西野のヤツめまじ許さん。
「違う違う。西野が置いていったんだよ」
「本当ですか?先輩はこういう女の人が好きなんじゃないんですか?」
鈴原が指さしたのは表紙の大人びた顔立ちのグラビアアイドル。
「それは西野が好きなタイプだな」
「へぇー」
全然信じてくれない。
「でもまあ先輩はオタクですからこんな本買いませんよね」
オタクなのは認めるがなんか釈然としない。