凪と人気者、文化祭を楽しむ8。
「もう1つ面白いとこ見つけたけど」
「行きましょう!」
鈴原はさっきのダンボール迷路からテンションが高い。余程面白かったみたいだ。
「で、ここなんですか?面白いとこ」
「ああ、なんでも結構怖いらしいぞ」
「文化祭の出し物レベルですよ」
「じゃあ行くか」
「ちょっと待ってください」
そう言うと、深呼吸をして気持ちを作っていた。
「行きましょう」
入ったら当たり前だが真っ暗であまり見えない。これは驚かされたら結構怖いぞ。すると俺の右腕が何かに掴まれた。
「うぉっ!なんだなんだ」
「すいません、あまり見えなくて。腕掴んでいいですか?」
「ああ、鈴原か、いいぞ」
お化け役の人に掴まれたかと思ってびっくりしてしまった。
少し進むと墓があった。いかにも怪しい。絶対何かあるな。
鈴原とその前を通ると、なにか聴こえる。うめき声みたいな声が。
「ちょっ、先輩先輩、早く行きましょ!絶対なにか来ますって」
焦っているのか鈴原は俺を引っ張って走って出口に向かう。走っている途中お化け役の人が脅かしてきてそれにびっくりしてまた走っての繰り返し。
「はぁ、はぁ、やっと出口ですね」
「めっちゃ怖がってたな」
「先輩だって驚いていたじゃないですか」
「まあ、怖かったし」
「本当に怖かったですね」
文化祭レベルのお化け屋敷じゃなかった。普通に怖かった。