凪と人気者、文化祭を楽しむ5。
「じゃあ絵描きますねー。何がいいですか?」
「そうだなー、じゃあ猫で」
「わかりました」
そう言って鈴原はケチャップで描き始めた。
「出来ました!」
「こ、これは」
鈴原が描いた猫は猫に見えなかった。猫というより犬?に近いような気がする。
「なんだ?」
「猫ですよ猫!」
「犬?じゃないのか?」
「先輩自分で猫書いてって言ったじゃないですか!」
「そうだったな」
オムライスの写真撮ったし、さあ食べるか。
「じゃあいただきます」
味の方は家で食べているオムライスの味に近かった。
「美味いな」
「ですよね。まあ私は作ってないんですけどね」
「鈴原は接客の方が似合ってるしな。それよりそろそろあっちの方はいいのか?」
さっきからずっと鈴原の事を見ている男子が沢山いる。チェキ撮影待ちの人が待ちくたびれている。そろそろ鈴原を解放しないと殺されそうだし。
「それもそうですね。先輩も私と撮りますか?」
「いや、俺は他の子と撮るつもりだけど」
「浮気するつもりなんですね先輩!ひどい」
「浮気ってお前、何言ってんだよ」
周りの人達がびっくりしている。勘違いするだろうからやめてくれ。
「私以外の子とチェキ撮影したら許しませんからね」
「わかったわかった。なら食べて他のクラスまわってるから終わったら電話でもしてくれ」
「わかりました。また後で」