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4. ガース・ウイリアムズの『しろいうさぎとくろいうさぎ』

今回は2部構成です

第一部:肴はナッツとカード


「何の騒ぎだね?今外で誰かが叫んでいただろう。あとなぜ君がここにいる?」


なんてこった、屋敷に入るとマウリッツのクソ親父がいた。

ご主人自らご登場とは...


「おっと、これは失礼。睡眠中のところ起こしてしまいましたかな?それとも楽しいゲームを中断させてしまいましたかな?ご主人」


「ふん、口の減らないガキが。で、いったいこの私に何の用だ?」


「いえ、お嬢さんと白いスカーフを道端で拾ったもので。ご主人にお届けに参上した次第です。」


「な、どうして貴様がそれを持っている。」


お嬢様はたまらなくなったのか口をはさんできやがった。


「あの、お父様、私...」


「ミナは黙っていなさい。私はシグルズに話をしている。」


ひゅー。怖いね。娘にも容赦なしだ。そんなにスカーフを取られたことが気に食わないのかね。


「このスカーフが風に飛ばされてきたのですよ。お嬢様に聞けば、洗濯をして干していたところを風に飛ばされたとか。全く少しお酒が入りすぎたのではないですか?どうやらラッツァローニを愛飲されているようですね。本当に甘いお酒が好きでいらっしゃる。」


「ふん、鼻だけは利くようだな。まあよい。スカーフの件、ご苦労だったな。」


そういってマウリッツがスカーフにを握った。が、俺は離さなかった。


「なんだ貴様。早くその汚い手を離さんか!」


「これはこれは。ずいぶんなご挨拶ですね。わざわざ届けて差し上げたのに。」


そういうとマウリッツの野郎はまるで初めての女みたいに真っ赤になりやがった。マジ切れが来るな...


「貴様にはゴブリンどもを皆殺しにして来いと、そう命令したはずだ。こんなところで油を売ってないで一匹でも多くあのごみどもを殺して来い。それがお前の仕事だろ。第一このスカーフはこの国への奉仕と忠誠、そして国民からの信頼そのものだ。貴様のような下賤の輩が軽々しく触ってよいものではない。わかったらさっさと手を離さんかこの愚か者が!」


俺にはじいさんのよがり声を聞く趣味はなかったんで、手を放してやった。

さーて可哀そうに。お嬢様は俺がおちょくってへそを曲げたじいさんにこっぴどく叱られるわけだ。


「じゃ、ご主人、今度はゴブリンを皆殺しにしてから会いに来ますぜ。」


すごい剣幕で娘を説教しているじいさんからの返事はなかったが、俺はこのまま玄関の戸を閉じた。





第二部:華麗なる大幻想


『ねぇ君、君って人間だよね。』

この言葉が僕の頭から離れない。

考えれば考えるほど僕がゴブリンのみんなと違うことばかり頭に浮かぶ。

しゃべる言葉、指の数、耳の形や歯の形。

僕はゴブリンではなく人間なのだろうか。ならなぜ僕はここにいるんだ。



「おいマイロ、アティカスが捕まったって本当か?」

カーシンさん小声で、しかし悔しさをにじませながら言った。


「ん?ああ...」


「お前がいながら何やってんだ。」


「全くだ、本当にふがいなかった。あいつはあれでもジェリーの親代わりだったってのによ...」


マイロさんは静かに涙を流していた。


「ほんと、ジェリーに合わせる顔がねえよ。」



ふと気づくと僕はアティカスの部屋に来ていた。

昨日までアティカスと一緒にこの部屋で過ごしてきた。

此処にはどろどろに汚れて読めなくなった絵本や、カビの生えたボール、弦が全部切れたバイオリン、他にもアティカスが僕のために地上から持ってきたものがたくさんあった。

あんなに楽しかったのに、あんなにやさしかったのに、もうアティカスはいないのだ。そして、アティカスを苦しめる人間という種族、僕はその人間だとあの女は言ったのだ。そしてあのシグルズという男は僕のことを知っているようだった。僕はいったい何者なんだ。僕はいったいどうすればいいんだ。


「アティカス、僕はどうすればいいんだ。教えてよ。」


すがるように声を出した。それでも物音ひとつしない。

僕はたまらなくなって泣き崩れてしまった。


...ポロン...


僕の手の中から不意に音がした。

眼をやるとそこにはオルゴールが固く固く握りしめられていた。


僕はゼンマイを巻いていった。

美しい調がアティカスの部屋中に広がった。

その音の甘美さに、優雅さに、そしてどこかもの悲しい感じに、僕は溶けていった。張り詰めていた何かが切れるように、気づくと僕は眠ってしまった。

ルカさんはジェリーの声で驚いてマンホールまで逃げた後、そのまま帰ってきています。

ルカさんが全然出てこないのは伏線ではありません。


ただ、どう登場させればよいかわからなくなってしまっただけです。


↑まずいですね

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