0. プロローグ
皆さんこんにちは。僕の名前はジェリー。ゴブリンです。
アティカスやマイロ、ルカやカーシン、たくさんの仲間たちと僕は暮らしています。
僕たちが住んでいるのは、クスカという小さな共和国のマンホールの下、その入り組んだ下水道の先にある僕たちの国です。
人間の皆さんのイメージでは、ゴブリンは野蛮で残忍で、女の子に乱暴する種族という感じのようですが、実際僕たちはそんなではありません。僕たちがいつもしていることと言えば、夜のクスカの町にくりだして、様々なものを拝借し、それを持ち帰って様々な機械を作ることです。例えば、捨ててあったガラスの破片から電球を作ったり、壊れて投棄してあった荷馬車の木材を使って水車を作って、それを使って下水道の流れから電力を生み出したりしています。ここにあげたのはほんの一例で、他にもすごいものをたくさん作っています。
クスカの人々はまだガス灯やろうそくを使っているみたいですし、技術だけなら僕たちの方が断然上なのです。エッヘン
あと、僕たちゴブリンは人を食べているという誤解があるようです。僕たちは人を食べません。あまり血を見たりするのは好きではないので、肉は食さないのです。その代わり、カルツァという虫の幼虫を食べています。うねうねしていて、噛むとぶちゅっとした食感の後に、ドロッとしたものが土と下水の風味と一緒に口いっぱいに広がって、とてもおいしいです。
僕たちは皆さんが思っているよりも友好的で、クラフター精神あふれる種族なのです。
でも最近、僕たちへの人の態度はより一層厳しくなってきたようなのです。僕を育ててくれたアティカスによると、昔は僕たちを見ても家に逃げ帰って鍵を閉めて閉じこもるだけだったのに、最近は国の偉い人がシグルズという男を雇って僕たちゴブリンを一掃しようとしているそうです。僕がまだ物心つく前にこんな状況になってしまったので、僕には何が原因かわかりません。でも、本当は僕たちはそんなにひどい種族じゃないのに。ゴブリンと人は共存できないのでしょうか。
これはそんな世界のお話です。
小説家になろうで活動を始めて約一週間。
今まで短編をあげてきましたが、長編にもチャレンジしたいと思い書き始めました。
まだまだ私には勉強が足りていないところ、文章が間違えているところなどがあるかもしれませんが、
今後も精進してまいりますので、よろしくお願いいたします。
ご意見、感想等大歓迎です。どしどし送ってください。