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第七十四話








 その年、1941年は幕開けた1月から松岡外相がタイ・仏印戦争の調停を申し入れたりFw190を装備したドイツ空軍によるバトル・オブ・ブリテンが再開されたりしていたが、同年4月10日に将和は新しく創設された第一航空艦隊司令長官に補職されると同時に大将へ昇進が決定された。


「……大将ですか……」

「不満ですかな?」


 将和はGF旗艦『長門』の作戦室で堀悌吉GF司令長官にそう訊ねられた。


「宮様も中将のままで一航艦をと考えておられましたが……私が大将に昇進しておいて貴方が昇進しないのは他の者も納得しますまい。それに大将に昇進する理由は十分過ぎる程ありますからな」

「だなぁ……しかし、そうなると開戦は……」

「……秒読みですな」


 堀の言葉に将和は溜め息を吐いた。


「……覚悟を決めるかな。今度は空母の喪失を防がんと……」

「まぁ空母を喪失したとしても貴方を更迭する理由もありませんし……」

「いや流石にそれは更迭しろよ」

「更迭したら航空屋から暗殺されますよ」

「ひでぇや」


 堀の言葉に笑う将和である。


「編成は?」

「これが編成です」


 そう言って堀は将和に書類を渡した。





 第一航空艦隊


 司令長官

 三好将和大将

 参謀長

 草鹿龍之介少将

 旗艦

 『加賀』

 第一航空戦隊

 『加賀』『天城』『赤城』

 第二航空戦隊

 『蒼龍』『飛龍』

 第三航空戦隊

 『妙義』『羽衣石』『赤石』

 第四航空戦隊

 『龍驤』

 第五航空戦隊

 『翔鶴』『瑞鶴』

 第六航空戦隊

 『雲龍』『蓬莱』『葛城』『笠置』

 第七航空戦隊

 『阿蘇』『生駒』『鞍馬』『身延』

 第八航空戦隊(建造中)

 『飯盛』『信貴』『飛鷹』『隼鷹』

 第五十航空戦隊

 『鳳翔』『龍鳳』

 第一防空戦隊

 『祥鳳』『瑞鳳』

 第二防空戦隊

 『千歳』『千代田』

 第三戦隊

 『河内』『因幡』『岩代』『薩摩』『備前』『常陸』

 第十一戦隊

 『金剛』

 第七戦隊

 『最上』『三隈』『鈴谷』『熊野』

 第八戦隊

 『利根』『筑摩』『九頭竜』『石狩』

 第一水雷戦隊

 『阿武隈』

 第四駆逐隊

 『嵐』『萩風』『野分』『舞風』

 第十七駆逐隊

 『谷風』『浦風』『浜風』『磯風』

 第十駆逐隊

 『秋雲』『風雲』『巻雲』『夕雲』

 第三十一駆逐隊

 『長波』『巻波』『高波』『清波』

 第一護衛戦隊

 『五十鈴』『名取』

 第六十一駆逐隊

 『秋月』『照月』『涼月』『初月』

 第六十二駆逐隊

 『新月』『若月』『霜月』『冬月』

 第六十三駆逐隊

 『春月』『宵月』『夏月』『満月』

 第六十四駆逐隊

 『花月』『清月』『大月』『葉月』




「はっはっは、大盤振る舞いだな」

「ほぼ全ての空母を貴方に任せるんです。当たり前ですよ」

「ははは、それもそうか」


 将和は書類を見ながら苦笑する。艦艇は特に新型が多くあった。

 『陽炎』型の改良型である『夕雲』型は現時点では『清波』まで竣工しており就役も間もなくである。また、『五十鈴』と『名取』は護衛巡洋艦として第一護衛戦隊を編成して第一航空艦隊に配備された。更に防空の要として『秋月』型防空艦も配備されていた。

 史実では魚雷を搭載していた『秋月』型であるが今回も魚雷のスペースには97ボフォース40ミリ連装機銃を搭載して防空能力を一段と向上させている。

 なお、駆逐艦は九七式12.7サンチ両用砲を搭載しており史実より防空能力は上がっている。また第五、第六、第七航空戦隊は現時点では艤装中であり八月までには一航艦入りを果たす予定である。


「航空艦隊とあるが以前とは違う」


 堀が言う以前とは将和が指揮した第一機動部隊は各艦隊から艦艇を派遣されての編成だった。しかし、今回の第一航空艦隊は最初からGFの新たな艦隊として組み込まれていたのだ。


「格としては第三艦隊よりかは上ですが三好大将の階級を考えると実質第一艦隊より上ですね」

「はっはっは。高須や近藤は怒るかな」


 将和は両中将を思い苦笑する。まぁ将和が言った二人も将和と仲は良好なので気にする必要はなかった。


「二人ともそこは弁えてますよ」

「信じてるよ。さて、それでは行くとするかな。やる事は一杯だ」


 将和はお茶を飲み干して長官室を退室するのであった。将和が一航艦長官に就任した事でパイロット達や航空関係者は歓喜の嵐に湧いた。


「おい、聞いたか今度の新設された航空艦隊?」

「あぁ、三好の親父を司令長官に大規模な航空艦隊だな」

「三好の親父が長官なら死んでも本望よ!!」

「成るべくしてなった人事だな」

「三好の親父が長官か。よし、幼馴染に告白してくる」

「おい馬鹿やめろ」

「空母乗組したいなぁ」


 等々、喜ぶ彼等を元に諸外国でも速報として流れていた。




『第一航空艦隊司令長官に三好将和大将に任ずる』




「……今回もヤるのかいマサカズ?」


 ルフトヴァッフェの司令部でゲーリングは虚空を見つめながらそう呟く。彼の言葉が何を意味するのかはまだこの時点では分からない。


「だけど、今回はドイツもまだ分からないからね……」





「ふぅ……マサカズが相手か。これでは我が大英帝国は負けたも同然か」


 イギリスでは親友であるフィリップスは新聞を見ながら呟く。そしてアメリカでは……。




「聞いたかレイ?あのアドミラル・ミヨシが機動部隊を再度率いるだとさ」

「あぁ……これは日米の戦いはあるかもしれないな」

「なーに、幾らアドミラル・ミヨシでも我が合衆国海軍には敵わんさ」

「だと良いがな……」


 史実では日本機動部隊と死闘を繰り広げたハルゼーとスプルーアンスはそう話し合うのであった。そして海軍作戦部長に就任したアーネスト・キング海軍大将は溜め息を吐いていた。


(ミヨシが相手になる……な……さて、戦力は足りないだろうなぁ……)


 かつて、スリから助けてくれたあの日を思い出しながらキングは政務に取り掛かるのである。6月22日、 ナチス・ドイツがソビエト連邦に対して攻撃開始(バルバロッサ作戦)し、これにより独ソ戦が勃発した。

 この時、ドイツ軍の戦車は三号と四号戦車だったがチハ・ショックにより四号戦車の開発速度は早まりF2型の車両が半数以上存在していた。

 また10月には88ミリ砲アハト・アハトを搭載した五号戦車ティーガーが制式採用される予定である。




「歴史の流れが微妙に早まっているな……これはもしかするともしかするかもしれないな」

「だが君の情報ではソ連軍はT-34を大量生産だろう?」

「はい。ですが四号長砲身ならT-34には十分対抗できるのです」

「まぁ四号長砲身はな……」


 6月30日、いつもの会合で東條の指摘に将和はそう返す。


「ただ、問題はソ連です。ノモンハンから年は経っていますので戦車も向上していると思います」

「ふむ……」

「それとドイツから正式ルートを通して対ソ戦の要請が来ている。領土はウラル山脈を線として西は好きにして良いとな」

「チハを有する我々にとって悪い話ではありませんが……しかし」

「巻き込まれるのはごめん被るものですな」


 そう苦々しく台詞を吐く杉山である。


「ですが問題はバトル・オブ・ブリテンです。イギリスが負けそうです」

「……本当なのか?」

「えぇ……どうやらヘルマンは何とかちょび髭のロンドン空襲命令を避けて爆撃しているようです」


 ドイツ空軍ルフトヴァッフェはイギリス本土への爆撃を1月から開始していたが攻撃目標はレーダー基地や航空基地、航空機生産工場等々に限定されていた。だが1月下旬に迷い込んだ1機の爆撃機がロンドンを爆撃した事でイギリスもベルリンに報復爆撃をしこれに怒ったヒトラーはロンドン空襲を指示したが、ゲーリングはのらりくらりとかわしながらロンドン空襲は断固としてしなかったのである。


(このまま行ければ……勝てるぞヘルマン……)


 史実でもロンドン空襲に切り替えた時、イギリス空軍戦闘機隊は本当に壊滅寸前でありロンドン空襲に切り替えた事で航空基地等も回復出来たに等しかった。それをゲーリングは覚えていたのである。

 そして1941年5月24日、史実であればこの日はデンマーク海峡海戦であるがドイツ海軍は出撃しなかった。だがこの日はちと別であった。

 この日、爆撃後の航空基地を視察中のチャーチルだったが再度の空襲で負傷、人事不省で首相を交代する事になったのである。

 チャーチルの後に首相に就いたのは先の外務大臣だったハリファックスだった。そしてハリファックスは国王ジョージ六世と何らかの密談がありそれから6月5日、ハリファックスはドイツに対して停戦交渉の用意があると発言した。

 遂にイギリスはドイツに屈服するのであった。










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