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ぼやきと戯れ言

読書家、愛書家、なろう読み、ラノベ読み

作者: 黒森 冬炎

投稿直後に誤字発見。修正しました(泣)

少しだけ加筆



 現在の学校では、朝の読書活動に力を入れているところが多い。5分間読書や10分間読書用の短編集や冒頭集、抄録集が多く出ている。


 大人にも売れたから、以前より大人向けのアンソロジーも多いし、抄録と解説を集めたものも一般書に続々出版されている。


 こうした取り組みや傾向は、本来のターゲットである嫌書家(そんな言葉はないが、確実に存在する人々。子供含む)に影響を及ぼしただろうか?



 TwitterやFacebookで、学校の先生方が、子供達がネット小説なら読んでるから、意外と活字に親しんでるらしい、というお話をなさっておられるのを見かける。


 だから、古今の名文も受け入れるかと思ったら、そうはいかないようだ。洋楽好きが必ずしも印欧語に興味を持つとは限らないのと同じである。



 逆に、英語拒否層は、Beatlesにすら嫌悪を露わにする。同じように、書籍拒否層は5分読まされると嫌悪の鎧をさらに強化する。

 朝読で釣れる新たな読書家は、ごく僅かだ。


 結果、朝読本が売れても読書家は増えない。時間がなく読みたいけど読めない人々と本を読ませたい親達に買われている、と言うのが現状である。



 そもそも、本を読むどころか活字を読む大人が少ない。


「子供に本を読ませたい」

「親が先ず読むことです」


 ネットの質問サイトや学校、書店や図書館で良く聞く会話だ。ピーマンが嫌いな親にピーマンを無理強いされても子供は食べない。食品はアレルギーもあるから、嫌いの正体を見極めるのが肝心。


 そして、一品目食べなくても死なない。

 本を読まなくても普通は死なない。

 死ぬ人もいるのが本の魔力ではある。



「読者家はキモい」

「読者家は偉い」


 この2つの意見は、どちらも毒を持つ。

 そして、この意見は男女どちらにもそこそこの派閥を形成しているのだ。悲しい。



 若い頃、バイトの休憩時間に本を読んでるだけで、わざわざ、


「本なんか興味ない」

「本なんか読むんだ」

「見せびらかしてる」


 と攻撃されたことが多かった。

 勧めてないよ。なんで新興宗教の勧誘員みたいな扱いすんのさ。ほっとけ!

 と思いつつ、人前で本を読まなくなっていった。



 一方で。


「有名本読んだ」

「あれいいよね。私も持ってる」

「お前が知ってる筈は無い」

「えっ?」

「無理に話合わせなくていいから」


 このように、筆者は中年の入り口くらいまで、よく遭遇した「偉い派」のメンバーに叩かれた。嘘つき、と。


 言動がアホっぽく実際ヴァカなのでまあ、仕方ない。中年が板につく頃、ようやく学習して読書家の会話に参加するのは諦めた。


 ビブリオバトルが嫌いなのは、この経験からなのかも知れない。

 それは今関係ないが。


 こうした2つの派閥によっても、読書家は減っているのかも知れない。


 お直しオバさんが、せっかく増えた若者や男性の新参着物愛好家を絶滅させたのと同じ害悪だ。

 お直しオバさんとは、着物を勝手に触って直したり口出したりしてくる見ず知らずの迷惑人種の事である。

 お触りオバさんとも呼ばれた。


 オバさん的人種は迷惑である。

 ライトユーザー減少は残念である。



 さて、一時期、読書家を活字中毒と混同する傾向がネットで見られたが、この二つの範疇は重なりはするが同一ではない。


 活字中毒者は、外的要因で離脱することはほぼない。彼等は反射的に読むからである。しかも生得性質であり、獲得性質ではないのだ。他人が辞めさせるのは無理なのである。

 因みに、活字中毒ビブリオマニアのビブリオは、本でなく字の意味である。


 読書家と愛書家または活字中毒者の関係は、特撮ファンとアニメファンの関係と少し似ている。

 特撮ファンはアニメファンを許容し、時に自らもアニメファンである。しかし、アニメファンは特撮ファンを避ける傾向にある。


 オタクは兼任オタクもいる。彼らが1番攻撃的で困る。ファンとオタクは違うので、ファンはオタクに嫌悪されるが、その話は関係ないので割愛する。



 愛書家は美本を求め異版を蒐集する。昔は読書家と対立していた。読書家からは本当の本好きではないとか、虐められていたのである。

 現在では、愛書家が激減したためか、虐めの現場には遭遇しなくなった。


 ひとつには、愛書家はあらゆる版を愛でるので、青空文庫の横書きデジタルも異版として愛する為、電子書籍時代に適応して目立たなくなったと言うのもある。ステルス成功で種の保存が果たされたと言えよう。



 愛書家は、意外となろう読者も多い。ラノベも読む。読書家よりもストライクゾーンが広いのだ。奇書を偏愛する率の高さからも、それは伺いしれる。そしてその事実こそが、嫌悪される原因ではある。


 一方の読書家は、ラノベ読みですらジャンル読みをする人が多い。


 不思議なことに、ラノベ読みは漫画読みよりキモオタ疑惑がついて回る。一昔前のラノベコーナーは、フランス書院コーナーとか全盛期の白夜書房並みに隔離されていた。


 尚、この出版社を知らない人は、調べないことをお勧めする。そのまま綺麗でいてください。



 愛書家は、多少の気恥ずかしさを感じながらも、あらゆるジャンルを確認せずにはいられない。

 出版流通業界はその辺を心得ていて、どんなジャンルにも特装版だのデジタルオンリーのボーナストラックだのを用意する。愛書家は、良い鴨なのである。



 当エッセイの読者諸兄(差別用語にあらず。文科省に凸しないでね。好きな言葉なの。消えてほしくない)は薄々勘づいておられるかも知れないが、私はライトな愛書家であり、うっすらと活字中毒の気配もある。


 つまり、なんでも読む。

 家電の取説愛蔵版とか出たら、品質次第で買っちゃうかも。



 なろうに登録して作者となってしばらくは、書いてばかりで読まなかった。書くのが楽しく、いつのまにか読む時間を削っていたのである。


 だから、「特に売れてないけど書き専」の人の気持ちもわかる。私は読み専出身なので、読まない気は毛頭無かったのだが、登録直後は結果的に書き専と化していた。


 ある日、読んでいただく為には流行を知るべきと言う簡単な事実に気付いた。しばらく各ジャンルのランキングを読み漁った。



 読み専時代は、未登録でもあり、読みたいテーマで一つの長編をゆっくり読んでいた。だから、なろうの流行は大ブレイク作品しかわからなかった。


 好きなのを読んでいる合間に、ミーハーぶりを発揮して覗いてみる程度。そこからハマるかは場合による。そんないい加減な読者であった。



 そんな読み専出身者が、とにかく流行り物を読みまくった。苦痛でも嫌いでもひたすら読んだ。


 結果、飽きた。


 のんびり読者だった頃には好きだった復讐ハイファンも婚約破棄も、すっかり飽きた。

 元々、もう流行も終わりかなーと感じていたので、余計に飽きてしまったのだろう。


 過疎が始まったジャンルだけど、なろうで書き始めるからには書きたいな、と思い、私も婚約破棄を書いた。まだそこそこ流行っている。テンプレとして生き残ってほしい。


 追放下剋上は書いてない。書かないうちにまた衰退が始まったらしい。惜しいことをした。


 いいじゃないか。ご都合主義。多少の矛盾は勢いで躱せ。


 まじ、このジャンルは勢いだけでいいよ。有識者っぽいのがごちゃごちゃ虐めるから衰退するんだよ。

 勿論、偏見である。私が読みたいだけである。



 そんな頃、異世界恋愛コミックが流行し、なろうの異世界ジャンルもまた追放と破棄に溢れた。現在、転生や転位が凋落したように、いずれ消えてしまうかも知れないから、執拗に叩くこともない。


 飽きた人は、別のを読む。別のを読む人が増えれば、別のを書く人も増える。どんな流行もそうやって流れて行く。



 そして、なろう以外を読み漁る。平行して読んではいたが、あまり読めなかった新刊を買い込む。手持ちの既刊を再読する。


 文章の迫力が違う。

 別物だ。

 読み耽る。


 元々別物だったよね。

 はたと気づく。

 またなろうを読む。


 無意味に、流行作家を目指すエッセイやら企画主催者向けエッセイを読む。

 作家はともかく、企画はどうやら、読み専がやっても良いらしい。


 読みたいもの書いてー!

 企画を主催してみた。

 0かな?と思ったが、2桁参加作品を得た。

 どれも私に面白く、中には世間にも面白かったらしい結果が出た。楽しかったのでまた企画をやった。


「変身企画」「螺旋企画」ときて、そろそろ「劇伴企画」スタートである。次は「制服企画」ですよ。

 解る人にはすぐ解る。お題は特撮繋がり。だけど、全くそんなことはない作品が多く面白い。


 受け取るイメージは人それぞれ。

 作品でも、単語でしかない企画のお題でも。

 それを知るのが楽しくて仕方ない。

 私は一生愛書家だろう。

 言葉は本当に面白い。




 最後に、近頃話題の作品インプレ。書評じゃないよ。

 不快だったらごめんなさいね。

 でもいう。

 通称だけで参りますよ。こちらもごめんね。



 •ゴブリン令嬢

 騒ぎになって2話から後追い。

 久々の冒頭切り。

 あわねえ。無理。

 いつかまた読み返したら、その時には好きかも知れない。

 未来のことは誰にもわからない。


 •テサシア

 1話新着に気づく。面白い。好き。

 でも今他に積読多すぎて3話くらいしか読んでない。

 気になる。気になる。


 •ハムちゃん

 1話新着から読む。

 文章がとにかく上手く、お話の展開も秀逸。

 終盤、好みではない展開だったが、結局最後は泣かされた。上質のエンターテイメントというやつだ。


 今頃、また話題になっている。

 書籍版、最近だっけ?わりと最初から出版決まってた実力派プロの新作だから、ちょっと把握しきれてない。

 コミカライズかな?私は残念ながら知らない。

 とにかく、すげえな。



 ハイファンは話題が割れてる気がする。新作ランキング上位には特に読んでみた作品はなし。と思う。読んで忘れた可能性はある。

 そこまで界隈をざわつかせる作品なし。


 現在のイチオシは、藤原ゴンザレス氏のトラクター令嬢。これの追っかけ活動で、総てが疎かになりつつある私め。



 関係ないけど、Twitterでうっかり凸かました相手が、実はレント酸のお方だったと気づく。読み専なんてそんなもんよ。


 あの時の対応は感想欄含めてほんわかしていた。思い出して和む。そして、この方の新作も読んでいたことに気づく。旧作もだいたい読んでいたと更に気づく。


 黒森なんてそんなもんよ。

 お後の用意がよろしいようで。


お読みいただき誠にありがとうございます

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