囲炉裏のお宿。
僕のおじいちゃんとおばあちゃんは、宿をやっている。
人が来そうにない、山奥にあるお宿。
そこには、囲炉裏があり疲れた身体を癒してくれる。
山奥に、お宿がポツンとそこにあるだけ、、、。
周りは、木々に囲まれていて山に行けば、山の食べ物がたっぷりとある。
タケノコにキノコに、山菜がたくさん。
それにこのお宿の近くには、小さな川があり。
透明な川の水の中には、魚もたくさんいるんだよ。
___だからね?
ここのお宿の料理は、山の幸と川の幸の料理がたくさん並ぶんだ。
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僕はね! 囲炉裏の前が大好きなんだ!
優しいオレンジの炎が、ビシッビシッと音をしながら燃えている。
僕は、まだ今より小さかった時に、両親を交通事故でなくしてしまった
んだ、、、! そんな僕をおじいちゃんとおばあちゃんが引き取ってく
れたんだよ!
僕の名前は、『西盛 奏人』11歳だ! 学校は、この山奥にあるお宿の
下にあるから、僕は朝早い時間に起きて、山の下まで2時間半かけて毎日
学校に行くんだ。
『奏人! 起きるんだ! 朝だぞ~!』
『えぇ!? じいちゃん、今何時なの?』
『AM3:00じゃよ~ 早う~起きんか、奏人!』
『・・・あぁ、分かったよ!』
なんで? こんなに早い時間に起きるかというと、、、?
牛とヤギ、羊にブタ、それに鶏とロバを1頭飼っているからだ。
僕が、動物達に餌やお世話をする事になっているから。
少しでも僕が起きるのが遅いと、、、?
おじいちゃんが僕を起こしに来るんだよ!
*
『やーあ! みんなおはよう! 昨日はちゃんと寝れた?』
【メェ~~~~~!】
【ブッブッ ブッ】
【コケコッコーーーーーーーー!!!】
【ンーーーーモォーーーーーー!!!】
『大人しいのは、ロバのキバタンだけだね!』
『さあ~みんな朝ごはんを食べたら、、、? 外に出て~! 小屋の
掃除をするから! ハイハイ! 出て~出て~!』
【コッーコッーコッー】
【メェーーーメェーーー!】
『ごめんごめん! まだ、食べてる最中だよね! 少し待つよ!』
僕は、動物たちとそんな会話をしながら毎日、こうやって、、、お世話を
するんだよ!
『おーーーい! 奏人、動物たちの世話は終わったのか? 終わったら!
ばあさんが、朝飯を作ってるから! 早く食べんか!』
『分かってるよ! ホント! じいちゃんは、せっかちだな!』
『はぁ!? 今、何か言ったか、、、?』
『・・・ううん、言ってないよ! さあ~朝ごはん! 朝ごはんと!』
おじいちゃんの歳は73歳というのに、、、【耳がイイ】
おじいちゃんもおばあちゃんも僕より元気だよ!
朝早くから、夜遅くまでよく働く。
朝昼晩の3食に、必ず【肉】を食べるぐらい元気だよ!
ある時に、、、。
僕が、おじいちゃんにこんな事を聞いた事があるんだ!
『ねえ、じいちゃん!』
『なんだ、奏人!』
『なんで、こんな山奥で宿をやろうと思ったの、、、?』
『・・・うーん? それはな! 最初は、山奥で住みたいとばあさんと
考えておったんじゃ~でも、それなら、、、? 宿をやろうと思ってな!』
『・・・どうして?』
『ここら辺は、山を登る人も多いんじゃ~その人達は癒しを求めてきてく
れた人たち、少しでも安らいでもらおうと思ってな~!』
『ふーん、はじめて聞いたよ! そういう理由だったんだね!』
『あぁ! それと、奏人! お前が伸び伸びと成長できる場所も、ここなら
いいと思ってな~たくさん自然に触れられるじゃろ~』
『・・・じいちゃん!』
『奏人! 立派な男になれ! いいな!』
『うん!』
___そして、今日は珍しくお宿にお客さんが来たよ~!
『いらっしゃいませ~!』
『あぁ! 今日、予約した黒野といいます!』
『はいはい~! 黒野様ですよねぇ~さあさあ~疲れたでしょ~
中にどうぞどうぞ~』
『はい! ありがとうございます。』
『ねえねえ、お兄ちゃん? きょう、山に登って来たの?』
『あぁ、そうだよ! 凄くいい山だったな~! それとここの宿がいいと
聞いて来たんだよ~!』
『えぇ!? そうなの~!』
『あぁ!』
___僕は、やっぱりここが大好きだ!
僕は、最高の囲炉裏のお宿だと思うんだ!
最後までお読みいただきありがとうございます。