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浸食

更新が遅くなってしまい誠に申し訳亜rませんでした。少しずつペースを戻していく所存です。



「自立式対国殲滅兵器 No.6 災厄…」


 今一度目を擦り、再びトビィから渡された冒険者カードを見る。



 トビィ『自立式対国殲滅兵器No.6 災厄』 (0 ♀)Level15/30


HP7500/7500 MP5000/5000 ATK8000 MAT9200 DEF6500 SP1500/1500


職業 龍拳師


スキル 混沌の息吹(Level0)


バッシブスキル 加速進化

        オルターエゴ

        肉体変容


称号 生きる災厄、混沌の王



「…仰々しいんだよ。なんだこの名前」

「まあ、僕には人間の感性はよくわからないけど…要するにあれさ。名付けた本人はかっこいいとでも思ったんじゃないのかい?」

「うん?うーん…」

「……大袈裟」

「名前はどうでも良いのさ…それよりもどうして称号にアクトの妻っての無いのだい!?アルマのところにはアクトの相棒ってあるのに!」


 知るか。


「とりあえず組合に行ってエルヴァ回収しに行くか」

「あのヴァリアントの子かい?僕を見た時に鼻で笑ったのを覚えているよ」

「ああ、そう」

「……アクト、わたあめ」

「俺はわたあめじゃない。ほら、買うなら並ぶぞ」


 なんか…子供が増えた気がする。気のせいか。



ーーーーー



「大変そう」

「おう、見ての通りだよ…」


 あれから2人が散々買い食いをしていた。

 アルマは自分の財布があるから兎も角トビィは無いくせにアレが欲しい、コレが欲しいと…まあそれを全部買ってあげてる俺もどうかと思うが…


 組合に付き、今日も今日とて売れてるなーとか見ているとゼタールが気付いたようでエルヴァを連れて来てくれた。


「エルヴァは?何かあるか?」

「…劇」

「ん?」

「……フェスティバルの時期限定…の英雄譚の劇が見たい…って」

「そんなのがあるのか」

「なんだい、なんだい?僕も気になるよ?」

「旦那。劇場は混みやすぜ?」


 ふむ…まあ、エルヴァが珍しく自分のやりたい事?を言い出したのでそれに決定しよう。


「ほんじゃ、行くとするかな」

「ああ、そうだ。旦那顔バレたんで変装した方がいいですぜ?」

「え?」

「ニルアの雷霆様…って」

「……」


 エルヴァが申し訳なさそうに目を逸らしたので即座に理解出来た。コイツわざとだな。わざと俺の正体バラして売上を伸ばそうとしやがったな。

 どうりでさっきから並んでる客たちからじろじろと遠慮なく見られるわけだよ。


「てめえ、覚えとけよ」

「はっはっはっ。旦那ぁ、悪しからず」

「やっぱり本物の雷霆だ!」

「キャー!サインください!」


 ふざけんな、アニメや漫画じゃねえんだよ。いきなり知らない人間になんざチヤホヤされてもこれっぽっちも嬉しかねえ。


「逃げんぞ」

「…ムカデ」

「いや、劇場には行く。だがこんだけ居たらうるせえだろうが」


 ゼタールの件は後でガルドさんに言っておこう。


 アルマの手を引き、急いで組合から出る。なんでいつもいつも落ち着いて過ごせないんだよ…



ーーーーー



「……面白かった」

「感動」

「いやはや、人間というものは時に素晴らしい作品を作り出すものだね」


 三者三様に感想を述べている。

 内容としては嘗ての英雄が再起し神の力を借りて魔王を倒すと言ったもので…まあ、別に面白かったのだが勇者のセリフが一々大仰で傲慢な感じがして連中を思い出すのがなぁ…と言った感じた。


「…?」

「ん?どうした?」

「ドラゴン」

「……下がってアクト」


 突然トビィが倒れたかと思うとエルヴァに強引に後ろに下げられアルマがトビィに向けて武器を構える。


 何が起きたのかと思うと突如としてトビィが起き上がり不適に笑い初め…その姿を変化させていく。

 バキッとかゴキッだとか…とにかく痛々しい音を立てながら皮膚や肉が裂けようがお構い無しに無理やりに身長が伸びると今度はその肉体を黒い鱗が全身を包み込んでいき…硬質化して形が整い、あの時見た黒い騎士へとその身を変えた。


『…ん?なんじゃ、此処は?』

「……」

「エルヴァ、下がってろよな?」

「言われなくとも」


 なるほど、たしかに彼女の言う通りだった。

 姿を変えて、中身も変わって…恐らくあれが兵器としての彼女…いや、口調や声的に老人だな。


「なんたらかんたらNo.6か?」

『自立式対国殲滅兵器No.6 災厄じゃ。低能な異世界人にはちと覚え難かったかの?ならヘキサとでも名乗るかのう』

「てめえの名前なんざどうでもいいんだよ」

「……トビィの体を返して」

『体を返せとな?随分とおかしな話であるな。これはわしが捕獲したドラゴンじゃ。ならばわしのものじゃ』

「そうか。なら分け前をくれよ。俺が弱らせたドラゴンを勝手にお前が捕まえたんだし」


 まあ、正直な話そんなものはいらないが…

 このジジイ?には感情とかあるのかは知らないが…鎧の顔部の隙間から見える赤い双眸が不気味に光出したので、どうやら答えはNOらしい。


『粋がるでない、童。貴様程度の実力など帝国にはうじゃうじゃいるわ…それにわしに楯突こうなどと笑止千万。身の程を弁えよ』

「おお、怖い怖い」

「……」

『だがのう…そっちの2匹。それは気になる。密偵どもから聞いておるわ。ラプラスの娘に…ヴァリアント。どちらもいい素材になりそうだわい』


 コイツがもし生身の人間だったらさぞや気色の悪い顔をしてるのだろうなと理解できる。

 何せ鎧の癖にアルマもエルヴァも舐めるような視線に後退りしてるし。


「で?まさかこんな所で暴れるつもりか?」

『当たり前じゃろ。カールマイドの人間なんぞがどれだけ死のうがわしには関係ない』

「ああ、そう」


 何せ街の大通りでしかもフェスティバルのせいか人がいつも以上に多い。

 こんな所で暴れられたら…そう考えると恐ろしくなってくる。


『さて…童。そこの2匹を渡せばお前の命を助けてやっても構わんぞ?ああ、連れて逃げると言うならば…此処にいる人間を殺す』

「大人しく渡すとでも?」

『ふむ…異世界の人間というのはどうやら随分と知能の低いようじゃな』

「親のお墨付きだからな」


 一応は時間稼ぎのつもりだ。時間が経てばトビィがとは思っているが…もしも彼女の精神が消えてきたとしたら…もうちょっと詳しく聞いておくべきだったな。


『…では、死んでもらうとするかのう』

「ほざけジジイ」


 即座にゼウスエンチャントを発動するが喉元に深く刺さった蹴りは勢いよく俺を後方へとぶっ飛ばし潰れた喉で満足に呼吸も出来なくなる。


 気を抜いた!中身はともかく外側はドラゴンだ!


 騒ぎのせいで人が逃げ惑い…それらを邪魔だと殺していくヘキサ。

 人の命をなんだと思ってやがる。


『ほう…やはり耐久性だけはあるようじゃな…』

「ゴボッ…て、めえ…」

『どれ、ちと試してやるかのう』


 ふと、ヘキサは俺の腕を掴むとなんて事もなく…強引に力で捻じ切った。


「ッ!?ぎぃ痛ぁぁっ!!」

『ほっほっ、なんじゃこんなにも簡単に…つまらんのう』

「腕…俺の腕がぁぁ!」

『興醒めじゃ』


 俺の腕をそこら辺に投げ捨てるとアルマ達を捕まえに行ったのだろう。痛がる俺に踵を返し元来た道を戻ろうとするが…


『む…?』

「……時間切れ」

「消えろ」


 先程と同じようにヘキサが倒れると体を震わせながら今度は黒い鎧が消えていき元のトビィへと姿を戻した。


「…はぁ、ビビった」

「……アクト、腕…大丈夫?」

「ああ、問題ない。痛覚も遮断してたしな」


 落ちた腕を傷口に当てて暫くすると感覚が戻ってきた。

 まあ、死ななかったし上々…じゃないな。屋台や飾り付けとかも散乱し何よりも…何人か死んだ。


「待つ」

「ん?ああ、そうだな」

「……アクト、トビィは?」

「そこら辺片付けて寝かせとくか?」

「…床で十分さ」


 なんだ、起きたのか。


 アルマが武器を構えたがもうヘキサの魔力を感じなかったのだろう、武器を収める。


「迷惑をかけたね」

「ああ、とんでもないくらいな」

「時間がない証拠さ。ごめんねアルマ君、エルヴァ君」

「……先にアクトに謝るべき」

「ムカデ」

「ははっ、旦那様は僕との熱い戯れ愛を許してくれるだろ?」

「中身ジジイだったろうが」

「それはご愛嬌」


 ふざけたこと抜かしてるし大丈夫そうだな。

 アルマとエルヴァも特に怪我は無さそうだし…

 いや…駄目だな。不安だったのだろう。アルマが抱きついてきた。

 

 ああ…クソが。こういうことにならないように普段から気を付けてんのに…

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