ドラゴンの心
中身はドラゴンだ。あの時のクソ野郎だ。それに俺にはアルマが…アルマ?あれ、アルマは相棒で大切な…
部屋に戻りいざ2人きりになるというのは緊張するもので、異様に喉が渇いてくる。
しかもドラゴンは部屋に入るなり急に服を脱ぎ始めた。
「いやん。あんまり、見ないでくれたまえよ?恥ずかしいからね」
「えっ…あー…あぁ…」
上着を脱ぎ服の前をたくし上げると…痛々しい傷跡が残っていた。
ちょうど俺が手を突っ込んで炉心石を砕いたあたりだ。
「覚えているかい?君がここに手を突っ込み、僕の腑を…」
「すみませんでした」
そりゃあこんなに見た目のいい子から、アプローチされりゃあって数秒だって勘違いはする。多少の期待もする。
だが…彼女?は違うようだ。傷を見せてきたというのはつまり、復讐のために俺を殺そうとでも…
「ふふっ。どうしたんだい、土下座なんてして。別に怒ってないさ」
「…じゃあ、なんで見せてきたんだよ」
「そりゃあ、君は疑り深そうだしね。傷を見せれば1発だろう。あっ、なんならドラゴンに戻ろうかい?そっちの方がわかりやすいかもしれないね」
メキメキと音を立てて姿形が変わっていき…
「ストップ!ストーーップ!宿が壊れる!」
『え?あぁ、そうだったね』
空気の抜けた風船のように簡単にしぼみ先程の見た目に戻る。
「…お前があの時のドラゴンなのは理解した。で、なんの目的で来たんだ?」
「へ?いやいや。案外君って忘れっぽいんだね」
「そうか?」
「そうさ。最初に言ったろ?君の妻になるって」
「……」
「……」
「もしかして、フェスティバルの初日はエイプリルフール的なやつなのか?」
「えいぷり?なんだって?そんなのは知らないさ」
……
「はいっ!?」
「わっ、びっくりした。急にどうしたんだい?」
「え、いや、だって…」
おかしくね?自分のこと殺そうとしたやつと?酒が変なところに入って耳がおかしくなったか?
「…?何を驚いているんだい?僕はたしかにそんじょそこらの魔物よりも強いけど…まあ、結局は魔物なんだ。自分より強い生物と番になるのは普通だろ?」
「待て待て待て…お前、正気か?」
「勿論さ!」
もうダメだ。酒が回っているというのに…こんなこと…
「…じゃあ、昼間てめえが殺した連中の件は?」
「……」
「別に他人がどこで死のうが勝手だが、この街の人間…顔見知りには手を出さないでくれよ」
「…ははは、あれは僕の意思じゃ無いよ?」
……?
「大切な話っていうのはね…勿論僕のこの気持ちは本物だって話と、もう一つ。僕の体についてさ」
「あー…普通そういうのって仲良くなってからじゃねえの?」
「それは時間のある生命の行いだろ?僕にはもう時間なんてものは、ほんのちょびっとしか残ってないのさ」
前にアルマから聞いた話だと、ドラゴンはかなりの長寿だと聞いた。そのドラゴンに時間がない?他のドラゴンとお見合いでもさせられるのか?
「別に君を責めてるわけではないんだけど…ほら、炉心石砕かれたろ?あれのせいで僕の肉体、崩壊が始まったんだ」
「…は?」
「炉心石はね、確かに意思を持つ魔石でもあるけど同時に体内の魔力を管理する器官でもあるのさ。それが壊されれば僕らドラゴンは…自分の魔力も抑えられずに肉体がね…馬鹿げた話だよ」
「……」
「おや?そんな顔しないでおくれよ。別に僕は満足さ。やりたい事…とは言っても、もう1度僕を倒しかけた君に会えた。正直それだけでも満足さ」
なんだそりゃ…だが、それもこいつの自業自得だ。俺らに攻撃してきて、それで…
ドラゴンはベットに座ると楽しげに笑う。
「今更後悔の気持ちかい?君は愚かしいねえ。
そんな物は必要ないよ?言ったろ。別に僕は君に炉心石を壊された事を怒ってなんてない」
「…じゃあ何か?同情して結婚しろと?」
「…ふふ、あはははっ!どうしてそうなるんだい!君見たところ甲斐性無さそうだし!何よりも今の僕は女なのだからそんなので意中の男と番になれても嬉しくもなんともないさ!」
「…そうか。ん?今は?」
「あぁ…そもそも、僕らドラゴンは明確な性別が無い。人間的に言えば雌雄同体ってやつ?」
「へぇー」
「だからこの姿も君の好みに合いそうな感じにしてるだけ」
好み…
そう言われて改めてまじまじと見るが…スレンダーな体型ではあるが、出るところは出てる。
「まあ、君が望むなら大きくて引き締まって揉みがいのある感じの大人な女性にも出来るよ?」
「…一つだけいいか?」
「なんだい?」
「アルマに言うなよ」
「ほっほー…なんだい、なんだい?やっぱりこの体型か?やーい、このむっつりすけべー」
……
「話が逸れたね。で、僕に時間がないというのは…」
「肉体の崩壊によってか…」
「ブブー!ハズレ!炉心石がなかった場合には崩壊するけど今はもう平気でーす!」
「殴っていい?」
「君はそういうのが好きなのかい!?いいさ、なら僕も気持ち良くなれるように努力するよ!」
「何言っても無駄かよ、このクソトカゲが…」
「あっ、それはやめてくれたまえ!僕にはアルマからトビィという名をもらったのだからね!」
トビィ?…もしかしてトビトカゲでトビィか?いやまあ…真相は知らないが、深く聞かないでおこう。
「だから旦那様も僕のことはトビィと呼んでくれたまえ」
「クソトカゲ」
「意地悪だなー!それとも君はやっぱり─」
「いいから話を進めろ」
全く…こんな遅くまで馬鹿な話をされに起きてるわけじゃないんだ。もうそろそろ眠気も限界なんだ。早くしてもらいたい。
「こほん…実はね僕、帝国の研究所に鹵獲されて対国兵器ってのに改造されたのさ」
「…はぁ?」
「ははっ、笑えるだろ?」
つまり生体兵器ってことだよな?
テスタロッサの野郎、胡散臭い奴だと思っていたが…そんなことにまで…
「あっ、さっき君が襲われてた彼らはまた別の部門さ。僕は別の人間に改造された…いや、改造というのもおかしな話かな?何せ特殊な魔石を埋め込まれただけだからね」
「じゃあ…その魔石のおかげで生きてられると?」
「その通り!炉心石ほどの処理能力は無いが、肉体の崩壊は起こらない!」
「じゃあなんだって時間がねえんだよ?」
肉体の崩壊によって死ぬということなら、その魔石のお陰で崩壊が止まり死なないということだろ?
するとトビィは一度立ち上がると手を広げそのままベットに倒れ込む。何がしたいんだ?
「…特殊な魔石というのは、要するに僕の今の人格を別の人格へと上書きするものさ。
昼間の君が見たのは多分…人格の裏返った僕…兵器だ」
「……」
「まあ、消えて無くなる前の猶予みたいなものを与えられていてね。折角だから君や…それにアルマ達と、ほんの少しの間でもいられる。最後に人間みたく楽しい思い出を残して消えれるなら…本望さ」
どう言葉をかければいいのかわからなかった。
トビィは気にして無いという。だが、彼女がそうなってしまったのは全部自分の責任だ。
いや…違う。さっきも考えたろ。こいつの自業自得だ。俺は…俺たちは悪くない。
「ふふっ。少しの間だけでいいさ。僕を受け入れてくれるかい?」
「…はぁ、わかったよ」
「やったぁ!じゃあ、早速夫婦の営みを…」
「お前の部屋は隣」
「…へ?」
「ここは俺とアルマの部屋」
「……」
「……」
「ええい、かくなる上は!」
「電気ショック」
飛びかかってきたので結構強めに電気を流したが…うん、ドラゴンだし大丈夫そうだな。若干痺れてるようだし。
「ひ、ひひど…酷いじゃなないいかかか」
「どうとでも言え」
前に荷物置き場として借りておいた隣の部屋にトビィを投げ込むとやっとこさベットに横になる。
はぁ…巻き込まれ体質?なのかなぁ…
目を瞑ればすぐに意識は微睡へと消えていく。
フェスティバルはまだ1日目が終わっただけ…今後は何があるのやら…
ーーーーー
ふと、目が覚めるといつもとあまり変わらない時間だった。まあ、いつまでも寝てるのはよくないしな、うん。とりあえずアルマに説明でも…
「….…アクト?」
「あれ?」
「……仲直りしたんだね」
「うん?うーん…」
朝になったらアルマと一緒に寝ていた。
いつ帰ってきたのだろうか?というか、なんで同じベッドで寝ているのか…不明だ。
「……昨日はごめんね」
「気にするなって、俺もちょっと焦り過ぎてた」
「……でも、仲直りできてよかった」
「ん?どうして仲直りしたと?」
「……だって、隣でトビィ寝てる」
「…?」
…隣?
ふと、手を横に伸ばすとふにんと柔らかな感触がある。なんだこれはと手を動かすと極上のクッションが如く…いや、まあ、なんというか…アルマには少しないような、初めてのもので…
「…んぅ…おや、旦那様。朝から随分と積極的だね」
「……」
「……アクト、ゲルダが言ってた。アクトがまた…変なこと言い出した…ら殴れば治るって」
俺を型落ちのテレビか何かと勘違いしてんじゃねえのか?あのババア。あと、アルマに変なこと教え込むのはやめてほしい。
「……治さなきゃ」
「なんか変な使命感に駆られていらっしゃる!?」
「…行くよ!」
「ちょ、まっ…ヘブッ!?」
昨日の程ではなくても、強烈なのをいただいた。
ーーーーー
「全く、君は暴力的な女だなアルマ君。別に僕らは夫婦なのだから僕の胸を舐るなり、しゃぶるなり、揉むなりしても僕は気にはしないのに。なんなら裸で連れ回してくれたって僕は一向に構わない」
「そりゃ、お前の性壁だろ?」
「……トビィ、それは痴女だよ。あと夫婦じゃない」
「おやおや?おやおやおやぁ?なんで目を逸らすんだい?ちゃんと旦那様に伝えたらどうだい?アクトはトビィのじゃなくて私のって」
「……ううう」
珍しくアルマが圧されてるなぁ…
クソトカゲ、改めトビィは相変わらず自分のペースというか何というか…まあ、いいか。もう付き合ってらんねえわ。
「ほら、どうだい?言ってみなよ!ほら!」
「いい加減にしとけ、そのうちリヴァイアサンが飛んでくるぞ?」
「ああ、あれかい?あれは普段は海に住んでいるのじゃないのかい?飛べるなんて初耳だよ」
「……」
「実在すんのか?」
今日は宿で朝食をとっていたのだが、トビィが目を輝かせる。話が長くなりそうだ。
「彼らはもはや魔物とは呼べずに魔獣と呼ばれる存在だよ。とは言っても最早御伽話にも出て来ないほどに忘れられた存在だけどね。ああ、僕らと同様に生きる災厄なんても呼ばれる。まあ、言ってしまえば出現するだけで港町が一つ壊滅するとかなんとか…一部地方では海の神とされて崇められているけどね。あっ、因みにねリヴァイアサンの生殖は特有でなんでもむぐぐ」
「それ以上は話さんでいい。それよか、さっさと飯を食え」
「……いるんだね」
「な、驚きだ」
ミュルメクスもかつて俺の元いた世界に来てたらしいし…案外殆どの神話上の生物は此方に存在してるのかもしれない。
「ぷはっ、全く息が出来なくて危うく汁という汁を垂れ流すところだったよ」
「口を開いてから閉じるまでが遅いんだよ」
「言ったろ?僕には時間が残ってない。だったらこの一言ですら僕にとっては遺言に等しくて、また同時に─」
「冷めるぞ?」
「それはいけない!」
まあ、アルマと同じで食い意地を張ってる分可愛らしさは多少はある。中身がアレだけど。
フェスティバル2日目。今日は一体、何が起こるのやら…
ーーーーー
「あっ」
「げっ」
相変わらず組合には大勢の人がいたり、街の中も昨日以上に活気に満ち溢れそこら中でお祭り騒ぎ。
まあ、また顔見知りに会うのだろうなとは思ったが…どちらかと言えば会いたくない奴に会ってしまった。
「お、お久しぶりです!コダマさん!」
「…なんでいんだよ」
ニシカワ ノリコだ。
あの、糞勇者共の仲間で何かと此方を気にかけてくる。
それにこの間の時もアルマと一悶着あった様で…はあ、やだやだ。
「お一人ですか?だったら─」
「断る」
面倒くさいことになるのは確定だが、アルマが居たのなら彼女に全て任せていただろう。だが、今はいない。
『旦那様!折角だから僕は冒険者になろうと思うよ!』
朝食後にそう言い残しアルマを連れ出してしまったのだ。
あの時の助けてアクト!って叫んでいたのはなんか色々と嫌な気分になってくるので次は止めることにしようと思った。
で、話を戻すが今は目の前のこいつだ。
「どうしてですか!?」
「嫌だから」
あのクソどもとの旅以降にたまにこの街に来ては連中のことを無駄に話してくる。
なんで興味もない事に一々反応しなければならないのだと最近は無視してたが、また来やがったのか。
「あ、貴方に会う為に今日はおめかしを…」
「だから何?」
無視してどこか別の場所にでも行こうかと考えるがその間にも何やら、やいのやいのと話しかけてくる。一体なんだって言うんだこいつは。
「あっ、コダマ先生」
「…おお、フィレム君。久しぶり。元気?」
「ええ、まあ…」
前に受け持った王都の学園の生徒、フィレム=ベイルは制服ではなく私服なのだろう格好に何人か見覚えのある少年少女…同じクラスの生徒達といた。
そして俺を見るなり何やら深刻そうな顔をしていた。
「…先日の件は大変でしたね」
「先日?」
「王都での…その…」
ああ、べつにそんなどもることで無いだろうに。
「安心しなって、もう君らの学園には近づきやしないよ。あそこに住んでる人間には2度と近づきたくも無いし」
「…クルーが心配してましたよ」
「ああ、そう」
「僕らだってそうです。先生はたしかに性格にかなり難はありますし、人間の屑でしょうけど…それにアルマ先生も魔族でした…でも、僕たちの目にはやっぱり貴方達が悪いようには見えませんでした」
後ろで生徒達が頷いているが言わせてもらいたい。悪口だよね、それ?
「学長もアレを見た後でも、やっぱり先生として雇いたいって言ってましたし」
「…なんだかなぁ」
「ねえ、先生!ところでアルマちゃんは?」
「今は別行動中だよ。そのうち来る。それで?君ら結局なんでいるの?」
王都は王都で上流階級の人間限定でパーティーとかやってると聞いたが、飽きてこちらにでも来たのだろうか?
「何でって、僕らこの街出身ですよ」
「あー…そうなんだ」
「まあ、先生からすればどうでも良い事ですからね」
正規雇用されてる先生なら家庭訪問的なのをやっているのだろうか?少し気になるな。
まあ、兎も角久しぶりに会ったなとか思ってたら後ろにいたノリコが機嫌悪そうにしている。無視するが。
「ん…?あれ、そっちの人勇者パーティーの?」
「ノリコ ニシカワです」
「へぇー、そう言えば先生最初コダマ アクトって言ってたからさてっきりコダマが名前かと思ってたんだよね」
「あ、私も!」
「僕もコダマだとばかり…」
ノリコの事など視野にも入れずに此方へと話を戻してくる。なんだ?王都で勇者達は嫌われ始めたのか?
「……」
「あっ、そろそろ待ち合わせの時間だ。んじゃあね、先生。またどっかで」
「おう。まあ、気を付けろよ」
「ははっ、僕ら一応そこらの大人なんかよりも強いんですけどね」
ぞろぞろとフィレム君とその一行は行ってしまった。
それにしても待ち合わせとな?案外それもラークス君辺りとの待ち合わせかもしれないとか思ってるとノリコが服の裾を掴んでくる。
「…なに?」
「逸れないようにしとこうかって」
「こっちはさっさと逸れたいんだけど」
本当に嫌になってくる。
ーーーーー
「見たまえよ、旦那様!」
それから数分経って、やっとアルマとトビィが合流した。
くそどうでもいい話ばかり横でされてて長かったなぁ、アルマに癒されたいとか思ったが、彼女は彼女で酷く疲れているのか無言で抱きついて来たのでそっとしておいた。
「トカゲでも冒険者のカード作れんだな」
「トビィと呼んでおくれよ!それと、冒険者カードは知性と魔力を持っていれば大抵は作れるそうだよ。流石に受付のメスは僕の正体を知って驚いていたけどね」
「わ、私も作ってきます!」
「あっ、そう。そのまんま2度とツラ見せないでね」
ノリコが泣きそうになっているがお生憎様。聖人君主でもなければみんなのヒーローでも無いので嫌いな物は嫌いと言わせてもらう。異世界に来てまで誰にでも人付き合い良くなんてしたくは無いのだ。
「……アクト成分、充電出来た」
「ん?そうなのか?」
「……ん」
抱き付いていたアルマも離れてくれる。何回もやられているのでもう慣れた物だ。
…それにしてもだ。少し成長したか?前と比べで目線がちょっと近くなった気がする。
「ちょいちょい、旦那様。いくら仲良しでも、そんなに見つめ合うと僕も嫉妬したくなるものさ」
「……これは、相棒の特権」
「ふ、ふーんだ。僕は旦那様の妻だからね。あんな事やそんな事も出来るもんねー」
「……でも、別部屋」
「うぐ…」
…まあ、なんだかんだで仲良くなってるしいいか。本気で喧嘩するようならどうにかしないといけなかったが。
「あ、あの!私は?」
「知らね。あっ、おーい、シド君」
「ん?誰かと思えば鬼畜冒険者じゃないか」
あたりを見回したらちょうどいい奴がいたので声をかける。
シドと呼ばれた少年はアルマよりも年齢も背も低いのだがしっかりとしていてとても口が悪い。あと、両親が未知の肉を商品棚に出そうとしてそれを止めるというのはこの街の日常になっている。
「この間フェスティバル期間の限定で店の手伝い探してたよね?」
「ああ、そうだが?お前がやってくれるのか?それともそっちのマセたのか?白黒か?」
「こいつ。働き手がないかってさっきから聞かれててさ」
多少強引にノリコを前に出すと品定めするようにシドが睨み付ける。
ノリコの方は理解が追いつかないのかどう言う事だと此方を見てくるが。
「ふむ…まあ、売り子だ。多少ツラが整っていればいい」
「仲介料はいらないよ」
「誰がお前なんぞにくれてやるか。明日はいい肉が入る予定だ。それを買いに来い」
「はいはい」
「え、あの、ちょーっ!?」
「さっさと来い」
ノリコを引きずって人混みの中に消えていく。小さいのに力強いなーとか思いながらやっと静かになったのでこれで安心して祭りを楽しめる。
「……アクトはどっち!?」
「…え?」
「君的には僕とアルマどちらだと思うかと聞いているのだよ!」
「何が?」
前言撤回。やっぱりトビィもどっかに押し付けてこようかな。




