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不出来な心

「…はぁ、なんだかなぁ」

「……アクトは酷いね」

「ん?なんだ起きてたのか」


 桃源郷の街へ入り宿の部屋に着き一息。

 アルマとエルヴァが起きるまで待っていようかなと椅子に寄りかかるとそんな事言われた。


「……アクトもアルマ探す時…必死だったでしょ?」

「うん」

「……あの勇者も同じ…」

「ふーん…」

「……探し物は…2度と手に入らない…けど」


 …駄目だ、考え付かない。

 俺は無責任だな。


「……アクトはアルマが大事?」

「まあ…そうだな」

「….…勇者も友達と恋人が…大事だった」

「ふむ」

「……アクトがへなちょこで…アルマもへなちょこだったら…アクトは死んでて、魔物の餌…アルマは孕み袋になって、妊娠1ヶ月…」


 …なるほど。


「わかったぞアルマ!

 つまり、慰めの言葉を送ってやったり、それは違うとかお前は悪く無い、お前のせいじゃ無いとか取り敢えず擁護(ようご)の言葉をを言えばよかったのか!」

「……アクトは純粋だね」

「え、そうか?」

「……ん。純粋な悪」


 悪なのか?


「……大丈夫。アルマと一緒に…沢山の大切…見つけよ?」

「…わかった。お前がそう言うなら」

「……それに、アクトは今の状況の…自分に手一杯…

 …しかも今日初めて会った人に…身の上話しされたって…共感できない…でも、アクトも言葉が…投げやり過ぎ、矛盾してる」

「そっか。ごめんな」


 アルマは首を横に振った。違うと言うことか?謝るのは勇者にと?


「……大丈夫、アクト…優しい…ふわぁぁぁぁ…あふぅ…眠い」

「昼ごはんどうする?」

「……先にお昼寝しよ?」

「まあ、後でいいか」

「……お疲れなアクトに…今日も抱き枕に…なってあげる」


 トンと軽く押されると思ったより力強く、倒されるといつもの様にアルマは俺の上に寝転び優しく頭を撫でてくれる。


 …ああ…駄目だもふもふとお日様の香りで…

 うとうとしだしたらもうおしまいだ。うちのふわもこ魔族は決して逃してはくれない。


「……おやすみ、アクト」

「……」


 微睡の中であの時のように囁かれると意識は完全に飲まれてしまう。

 ああ、きっと次に目覚めるときは最高の気分なのだろう。

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