エンチャントの授業
投稿ペースを上げようとした結果短く区切りすぎたかなと思いました。だから朝昼で更新すると思います。
立ち上がった先生は置いてあったホワイトボードに何やら書き始める。
「ほれ、読めるかいこれ?」
「…フィジカル・エンチャント?」
「そうだよ。で、こっちは?」
「ウェポンズ・エンチャント」
「そうだ。いいかい、魔法付与には大まかに分けて2種類あるんだ。
1つは肉体への付与、フィジカル・エンチャント。まあ言っちまえば魔法職業からの身体能力強化の魔法だったりとか吟遊詩人の歌によるステータスの強化、つまり肉体にエンチャントをかけるんだ」
「はぁ…」
急になんか始まりだした。まあ、知らなかった事なので聞きはするが。
「次にこっち。ウェポンズ・エンチャントだ。これはあんたら魔法付与師って呼ばれる連中のエンチャントスキルだね。主に武器や防具にかける」
「なるほど」
「名前の通りだ。ウェポン…つまり武器だよ。あんたのその剣もアルマのあの変な蛇腹剣もそうだね」
「いや、武器くらいは流石に分かりますよ…」
もしかすると馬鹿にされてる?あと一ヶ月しか寿命ないんでしょ?
これ、なんの時間?
「何言ってんだい?あんた、武器と自分の肉体の違いが分かってないじゃないかい。そのせいで自分の体にエンチャントかけたんだし」
「いや、そりゃあの時は生き延びる為に必死で…」
「あんた、バッシブスキルの【エンチャント・永続化】持ってるだろ?」
「え、はい」
「それのせいでもあるよ」
頭にはてなマークがいっぱい浮かぶ。何が言いたいんだ?あれは自分にしか適応されないスキルだし…
「勘違いしてんだよ。あんたは勇者共といた時はスキルの使い方もろくに知らなかったんだろ?」
「そうですね」
「だからバッシブスキルも不完全な状態で発動してたんだよ。
で、アルマにやり方教わって完璧とは言えないけど使い方を覚えた結果、バッシブスキルは完全に発動しめたんだ。だからアルマの蛇腹剣のエンチャントはいつまで経っても消えないだろ?なんなら前までは意識してないと自分の武器にかけてたエンチャント外れてただろ?」
言われてみればそうだ。あれから1度もエンチャントをかけてない。それにたしかに他は時間制限でだが自分の装備は意識しとけばどれだけ時間がかかっても消えなかった…そう言う事だったのか…
「で、話を戻すよ。あんた死にかけた時に体にかけたエンチャントは?」
「ベルセポネ…俺の世界のとある神話の神です」
「【エンチャント・夢幻】はイメージを投影してエンチャントかけるんだろ?どういうイメージでかけた?」
「勿論肉体の再生です。それと同時に死と再生も。命を削ってでも生き延びて…あっ…」
忘れてた…そうだよ、あれから1度もベルセポネを解除してない!
それになんか最近妙に傷の治りが早いと思ったら…こうしちゃいられない!急いで解除しないと!
左胸に手を当て解除しようとすると先生に腕を掴まれる。
「ダメだよ、確かにそのエンチャントはあんたの命を削っているが同時にあんたの命綱でもあるんだ」
「どういう事ですか?」
「あんた、エンチャントをそんな便利なものと勘違いしてるのかい?そりゃお門違いだよ」
「は、はぁ…」
「あくまでも強化。その枠からは超えてない。つまり今あんたにかかってるエンチャントはあんたの命を削りながら死にかけた時に壊れた肉体をずっと強化してるんだよ」
俺はあの時の死にかけのままに今日に至るまで生きていたと?
「ましてや、武器にかけるエンチャントを自分にかけるなんて正気の沙汰じゃないよ。
異世界人のあんたのエンチャントスキルはあの武器を見りゃ、こっちのと比べて明らかに常軌を逸脱してんの理解してんだろ?それを更に自分にだ?命が何個あったってすぐに消費しちまうよ」
「すみません…」
「…はぁ、死にたくないかい?」
「死にたくないです」
「アルマと生きたいかい?」
「はい」
「金はどんくらい払える?」
「結構余裕あります」
金で解決する物なのか?それとも異世界のまだ見ぬ未知の薬品で傷を治せるとか?
「よし、決定だ!アルマ出てきな」
「……ん」
「…聞いてたのか?」
「……大丈夫。私もあと…1年しか生きれないって…先生から言われた…」
「……」
「……」
「先生お願いします!アルマだけでも助けてください!金ならいくらでも払いますから、なんなら玉も腎臓も肺も生命活動に必要最低限の臓器以外全部売って金にしますんでお願いします!」
「そんな汚ないもんいらないよ。んじゃ、ちょっと待ってな連絡してくるからよ」
なんてこった。俺だけじゃなくてアルマまで…救おうと思ってたのに…また救えないのか、俺は…




