表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/130

それぞれの結末

あのー。。。新年あけましておめでとうございます。はい。案の定体調崩したのと、私の書き方が一章書き終えてから分割、更新なので今後も期間が開くやもしれませんが今年も何卒よろしくお願いいたします。


 なんかさっき絡んできた奴で…名前は…まあ、ともかくアルマに負けた奴だ。

 そいつと他数名の王国の騎士らしき連中がエルヴァとトビィに剣を向けている。

 

「動くなよ?動いたら…」

「どうなるってんだ?まさか、こいつらを殺すとでも言うつもりか?」

「はっ、馬鹿のわりに理解してるな」


 なんだろう…負けた挙句にのうのうと戻ってきて人質まで取って恥ずかしくないのだろうか?


「まあいいや。クソトカゲ、俺疲れたからソイツら代わりに頼むわ」

「あ?」

「やれやれ、君はドラゴン使いが悪いね」


 ボンッと破裂したような音がした。否、それは撃ち出された鱗が兵士1人の胴体を破砕しながら貫通し地面に激突した音だった。


「…あれ、暗殺用のじゃねえの?」

「……多分、トビィの素材で作った…から、トビィが使えば…もっと強くなる」

「へえー…」


 馬鹿の一つ覚えというのも違うとは思うが、1人死ねば周りがまた騒ぎ一目散に逃げ始める。

 その背中を楽しそうに撃ち抜くトビィと理解が落ち着かないのかその場で止まってしまっている先程の男。


「いやー、使いやすくて僕にピッタリだ!まっ、旦那様がわざわざ僕の為!だけに作ってくれた物だからね」

「……アイデアはアルマ」

「だけどエンチャントは旦那様さ!人間は婚約の時にリングを交わすと言うが婚約リングならぬ婚約付与魔法かい?嬉しいねえ」

「……だったらアルマはアクトに3つ…作ってもらってる」

「ふふふ、数が多ければいいと言う事でもないだろう?」


 なんかアホな小競り合い始まったけど後にしてもらいたい。エルヴァ死にかけてるし。


 その騒ぎでやっと我に帰ったのかジャルカは炎を纏う剣を構える。


「ッ!図に乗るなよ!」

「え?何が?」

「まあまあ、アレだよ旦那様。僕らみたいな美少女が側にいるから…」

「お前はちょっと黙ってろ」

「僕にだけ当たり強くないかい!?」


 まあ、面倒事を増やすトカゲは放っておいて。目の前の奴だ。いつでも戦えるぞと牽制しているつもりではあるが…魔力すっからかんだしなぁ…相手出来ないだろう。


「ジャルカ処刑隊長。そこまでです。彼らの保護が陛下からの勅命ですよ?」

「…チッ。面倒なのが来た」


 またなんか増えた。


 ゾロゾロと兵士を引き連れて今度は白衣を着た女性が声を張り上げながらやってきた。


「まったく…あっ、お久しぶりです。アクト コダマ。先刻の帝国軍の撃退見事でした」

「……」

「……」

「アルマさん」

「……ん」

「誰?」

「……知らない」


 なんかどっかで見たことはある気がするが…いやまあ、ブロンドヘアーなんてそこら辺に沢山いるし、なんかこれと言って特徴もないが…うーん…


「…あれ?もしかして忘れられてます?」

「あー…街ですれ違ったとか?」

「……それ、ナンパ」

「いやだって、マジで記憶に無いんだって。

 アルマ人覚えるの上手いだろ?どうにか思い出せないか?」

「……あんな胸から駄肉…垂れ下げてる女の人…なんて知らない」

「「うーん…」」


 2人して腕組んで考えてると痺れを切らしたのかその相手が口を開く。


「私、王城専属医師のユーリと申します」

「……」

「……」

「……エルヴァなら覚えてる…かも?」

「いや、あいつここ来たの一瞬だけだろ」

「僕は、僕は?」

「「ちょっと黙ってて」」


 ユーリ…んー?聞いたことないが…まああれだろ。ウォーデンの時に一緒に付き添いかなんかで来てたんだろう。


 まだ俺が勇者パーティーにいた時は基本的に傷は自分で治すかあの…賢者の女に頼んでたからな。まあ、それとプラスして余計な事を俺に吹き込みたくなかったとかだろう。よくは知らないが。


「と、兎も角よ。そのままじゃヴァリアントが死んでしまうわ。治せるかはわからないけど…最善を尽くすわ」

「結構だ」

「……貴方より、ゲルダの方がいい」


 プライドとかじゃない。単純にあの城に住む連中に病人なんて預けたら人体改造でもされてクソと小便撒き散らすだけの人形にでもされそうだ。


「…お願いよ。貴重なヴァリアントを死なせるわけにはいかないの。それに施設もしっかりしてるわ。街の医療施設なんかよりもね」

「だったら後ろの連中に殺意抑えろとか言えよ。エルヴァ回収したら俺らのこと殺して地面に埋めてやるってツラしてんぞ」

「なっ、言いがかりよ!」


 どうだか。


 体に鞭打ってエルヴァを守るように剣を構えると連中も待ってましたと言わんばかりに武器を構える。


「……アクト」

「ん?」

「……アルマも魔力切れ」

「マジか」


 ヒソヒソと声を潜めてアルマは囁いてくる。


「……でも、ゲルダの知識より…も最新の技術とかで治せる可能性…もある」

「連中に貸しを作れと?」

「……そんなもの、踏み倒せばいい」

「たしかに」

「……今回はアルマが全部悪い…から、もしもの時は…」


 そんな事は絶対にさせないと口には出せなかったが…まあいいや。


「ほっ、よかった。信用してくれるのね」

「信用?利用価値があるから助けるんだろ?だったら俺らもテメエら利用するだけだ。あっそれと…」


 ジャルカと他数名を順に指差していく。

 ユーリは何のことだと首を傾げるがあんたには関係ない。


「殺せ」

「承知したよ」

「ッ!?待って!」


 どうせメルカの差し金だろう。何やら奇妙な魔法道具らしき物が見えた。無論、アルマも気付いていたようで無言で頷いてくる。

 しかし珍しいな。アルマが人殺しを止めないなんて。


「上等だ。新…いや、真メメントモリとして貴様ら全員ぞうぶ─づををををを」

「うん。やはり、弱いね。旦那様が相手する必要もないくらいに」

「魔力切れてんだよ」


 本当に口先だけだったのか、トビィが化け物…いや後者だな。ジャルカは剣を構えて何やら叫んでいた途中で胴体を力づくで引き裂かれ絶命した。

 絶句するユーリを尻目に1人また1人と潰し、引き裂き、砕き…辺りが赤く染まった頃にトビィは一仕事終えていい笑顔で戻ってくる。


「治すってんなら構わねえけど…24時間トビィに監視させる。下手な事してみろ。次はお前がこうなると思っとけ」

「…ッ」

「……やりすぎ」

「僕に休みはないのかい?」

「迷惑かけた分、体で払え」

「ははっ、僕と夜の監視性活をしないかい?」

「次に変なこと言ったら無視するからな」

「わー!ごめんよ!だから無視はやめてくれたまえよ!」


 命令されたのか、自主的にかは知らないが…カチカチと歯を鳴らすほどに恐怖し今にも気絶しそうに真っ青な顔してるので下手な事はしてこないだろう。医療ミスとかしないといいが…



ーーーーー



「あー…つっかれた」

「やれやれ、勘弁してもらいたいですよ」

「だってー、折角試作運用段階なんだから使いたいじゃーん?」

「それで死んだら元も子もない無いですよ?」

「まーね」


 一瞬の浮遊感と途端に地面に吸い込まれるような重力を感じて、テスタロッサは部下に肩を貸してもらいながらも見慣れた研究施設に戻ってきた。

 先に戻ったキッドとルルは医務室へ、破壊された機竜はメモリーから戦闘データを読み取り次なる段階へと、今回もいい結果につながると嬉しい限りだ。

 胸をはって肩を貸され俺も医務室へと向かうとしよう。


「傷は大丈夫ですか?」

「義体部分だったからね。電気流されてたからもしかしたら壊れてっかも…あ、そういやペイルはどうした?」

「自立式対国殲滅兵器 No.5 魔眼の完全破壊、およびNo.3 轟天、No.6 災厄の損失そして…」

「ん?」

「彼の祖父であるヘキサ ジャーズを間接的に死亡させたとして明日処刑されます」

「……何?」

「驚きですか?まあ、なんだかんだで彼とは…」

「違う!ヘキサが…死んだ?」

「…はい、あれは─」



ーーーーー



 全身に複数の装置を付けてベットに横たわる老人は飛び上がるように目を覚ました。そして今しがた貫かれた自身の腕や足を確認しほんの少し安堵する。

 流石に本来の肉体までには届かぬかと。


「ヘキサ所長?随分早いお戻りですね」

「ああ、ちと手を抜いててな…やられたわい」

「なっ!?貴方がですか!」


 長年の部下の1人であり、信頼できる初老の男はかけていた眼鏡を落としそうになりながら困惑する。


「竜を盗られた」

「それは…」

「構わん、アーティファクトを使う」


 アーティファクト…それは嘗て帝国に召喚された勇者が作り出した兵器群の呼称だ。正確に言えば兵器自体はここには無く、それを使うための道具あるだけであるが。


 星の滴と呼ばれる兵器。曰くこの星の周りを常に漂い、魔力と太陽エネルギーを持って地上を焼き尽くすそうだ。それを今からあの国へ…否、個人へと撃つ。


 早足で兵器保管庫へと向かうと、後ろから追従してくる。余程心配らしい。


「しかし、あれは陛下の許可が!」

「元より緊急時はわしの判断で使っても良いと言われておるわい」


 自身の指紋と生体反応に魔力。魔法と異世界のカガクギジュツを集めたこの施設の中でも特に厳重にこの部屋は施錠されている。


「アレは今、生かしておけば必ず帝国の破滅に繋がる。今ここで殺さなければ、この国が!街が!人が!消えて無くなる」


 扉を開け、兵器保管庫の奥にあるモニターと呼ばれる映像射映装置に情報を打ち込むと瓦礫の中でテスタロッサと交戦中のコダマが映し出される。


「巻き込む気ですか!?」

「帝国の未来のためだ」


 コダマへとロックオンされると即座に撃てると文字が映し出される。

 しかしそのボタンが押される事はなく、急に胸を抑えるとヘキサが倒れ込む。


「ぐっ、ウゥッ!な、なん…なんだ…ごれ…あ…」

「所長?ヘキサ所長、しっかりしてください!」


 やはりドラゴンに埋め込んだ魔石に自分の魂の欠片を入れるなどという無茶が副作用を起こしたのか?

 なんとか兵器保管庫から連れ出し、医務室へと運ぼうと他の研究員を呼ぶ最中、誰かがこちらへと走ってくる。


「た、大変です!ルルが重傷を負い、手のつけようが!」

「こっちもそれどころでは無い!早く人を呼んでくれ!」


 慌てふためく研究員を横目に自分の胸に目を向けるとぼんやりと文字が浮かび上がってくる。なるほど、そういうことか…


「……。…!!……」

「……」


 後悔も懺悔も無い。ただ好きなように生きてきたからな。



ーーーーー



「肉体に付与されていた未知の刻印文字とキッドの肉体に付与されていた刻印文字は同じ物でした…つまりは…」

「コダマか…」


 別に彼に対して多くの思い出があるわけでも無い。ただの上司ってだけだ。

 だが…それでもいざ死なれると悲しい物だ。


「ペイル ジャーズは無断での兵器持ち出しと彼の無謀な計画のせいで帝国の宝であるヘキサ殿を死なせたので最低でも死罪なのはそうですけど、テスタロッサ?貴方もヤバイかと」

「いや、俺ちゃんはいいけどさぁ…それよか轟天も無くしたのか?魔眼はラプラスの遺児のヤバイビームでぶっ壊されてたけど…」

「転送時には反応があったのですが転送されてきたペイル ジャーズからは確認できませんでした」


 ラプラスの遺児に持ってかれたか?


「それにしてもコダマはとか言うのは良い性格してますね。ペイルの両方の睾丸がどっちも完全に潰れてましたよ。まあ、使う前に明日死にますけどね」

「化け物だよ。アレを野放しにしてるカールスマイドは馬鹿としか言いようがない」

「アレを無能と言い切る、かの国の勇者様はさぞお強いんでしょうね」


 勇者…勇者なぁ…


 異世界から何も知らずに召喚されてきた少年達には多少の同情はする。俺だってそんな事されりゃ例え命賭ける理由があっても嫌だ。それなのにあの馬鹿どもは…洗脳でもされているのか?


「機竜単体でも倒される程度だ。コダマの方は…まあ、戦闘データを見てくれ」

「まあ、取り敢えず傷の手当てをしてから陛下との謁見をお願いしますね」

「オーケー…」

「今回もお疲れ様です、テスタロッサ局長代理」

「…あーそっか、ヘキサとペイル居なくなったから俺ちゃんかー」

「そういうことです。あっ、それからメーヴィンさんから伝言で帰りに卵買ってきて…と…」

「…俺ちゃん帰れると思ってんの?無理だよ、体いまだに痺れてるし。と言うかそれくらい自分で買いに行けよ…」

「まぁまぁ、妹さんも素直に早く会いたいなんて言えないからそう言ってるんですよ」


 絶対違うだろうなぁ…


 そうこうしてるうちに医務室へと着いた。


「まっ、なんにせよ治療が先です。家族団欒は後でやってくださいね」

「へいへい」


 コダマにはまた近いうちに会う事にはなるだろうが…それまでは、せいぜい首を洗って待っていてもらいたいものだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ