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プロローグ

最短で毎日、最長で週一で更新していきたいと思い書き始めました!初心者ですがよろしくお願いします!

暗い夜道は今の俺の心を表している様だった。塾の帰り道、朝よりも重くなった気がする鞄を肩にかけながらトボトボと歩いていく。


「はぁ…」


 思わず出てしまう溜息は幸せが逃げてしまうなんて言うが果たしてどうなのだろうか?


 何故こんなに落ち込んでいるかって?理由は簡単だ。模試の点数が前よりも落ちた事だ。


 家に帰れば母に高い金払ってるのにって言われ、優秀だった兄の話をいつもされる。


 兄が事故で亡くなってからは特に母の俺に対する態度が著しく酷いものになってきた。何度か家出してやろうかなと思ったくらいだ。


 高校2年生の春から通い始めた塾は厳しく学校の勉強と両立させるのも難しいくらい課題を出してくる。そのせいで最後に友達と遊んだのは実に半年前というレベルだ。


 え?どうしてるかって?とっくに疎遠になって今じゃ立派なボッチだよ。

 それどころか仲も悪くなって影ではガリ勉野郎とか言われてるし。


「結局世の中、頭とか顔とか良い奴ばっかだよな。充実してる様なやつってさ」


 そんな事は無いのだが疲れてると人に当たってしまう。

 

 くだらない独り言を呟きながら少し大きめな交差点を渡る。昼間こそ人も車も多く走っているが深夜ともなると人っ子1人いない。


 まあ、それでも一応は信号を確認して渡る。誰かが見てなくたってそれは当たり前の事だしね。


 でも、今日に限ってはと言うか不幸は続くと言うか。

 横断歩道の真ん中あたりで暗闇に慣れた眼に眩むほど目映い光が差し込み思わず止まってしまった。


 直後に眼前に映ったの自分の何倍もある大きな鉄の壁…トラックだ。

 こんな時間だから人いないだろうなって思ってたんだろ?わかるよ。でもさ、信号くらいは守ろうよ。


凄まじい衝撃の後ゆっくりと空を舞う感覚がして…え?それからどうしたかって?


 勿論、俺──谺 (こだま )阿久斗(あくと)の何も為せなかった人生は幕を閉じたよ。

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