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日々怪談  作者: 三芳野
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幽霊と幽霊のはざまで

 幽霊が見えると言うと羨ましいと言われる。

 幽霊が見えると言うと大変だねと言われる。

 幽霊が見えると言うとそうなんだと言われる。

 幽霊が見えると言うとどうしてそんなことを言い出したのかと言われる。

 問いに対しては僕も答える。なぜ言うのかって?幽霊を見ること以外の娯楽が僕にないからさ。

 友達同士で漫画の話やドラマの話で花を咲かせたことはないのかい。それと同じことなんだ。

 僕の興味は幽霊にしかないから、話のタネはいつでも幽霊のことだけなんだ。

 幽霊はこちらに触ることもない。話しかけてくることもない。まるでこちらを見てないように行動する。これではまるでどちらが幽霊なのかわからないくらいだ。ただ幽かに見えるそれらの人々の営みを、盗み見るようなそんな生活が楽しいんだ。

 服を着ている幽霊がほとんどだけどたまには裸の幽霊もいたりする。子供の幽霊は成長するし、大人の幽霊は年老いていく。昇天でもしたのか、いつも見かけた幽霊を見かけなくなって、少し寂しい思いをすることもある。恋人と二人連れの幽霊や親子連れの幽霊、一人ぼっちでニタニタしている幽霊や歌でも歌っているのか口をパクパクさせては周りの幽霊から遠巻きにされている幽霊。

 そう声は聞こえないんだよね。聞こえたらまぁ大変だったと思うんだけどね。でも少しは聞いてみたいと思う気持ちもあるんだよね。自由にオンオフ切り替えられたらいいけどそんなことを考えてもしかたない。

 今の僕の望みは、僕が幽霊を見てるように、幽霊の誰かが僕を見て意思疎通を図ってくれることだ。あまり頭のおかしくない奴ならいいんだけどね。

なぜ”僕”は受け身なんだろうね。

相手から接触してくるのを待つのではなく自分から行けばいいのにね。

まぁ人の目が気になるからしょうがないね。

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