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仕様もなかった

(2008.11.26)

(2008.11.27)

(2008.11.28)

 万物の――ある製品の根源を求めるときに私たちはしばしば仕様なるものを確認する。

 仕様とは時に需要とも言われる「要求に対する回答」だと考えている。

 

 さて小説の仕様はどうだろうか?と急く前にワンクッションを置きたい。

 ハードウェアとソフトウェアの話を書こうとしたが、思った以上に説明に苦しんでしまったので、ここではあえて専門外の業界を例にして仕様について考えてみた。

 

 *************

 

 ドラマやアニメだと企画が立ち上がると、プロデューサーたちが旗振りをして、監督≒ディレクターたちが陣頭指揮を行う。その後、原作または原案のもと、構成が作られて、脚本を挟み、ようやく現場で美術や演者が動くようになる。

 

 この場合、皆が共有する仕様と呼ぶものがあるかというと曖昧である。脚本にとっての仕様と、演者にとっての仕様と、美術へ寄せる仕様など担当によって大きく異なるためである。

 一人一人が受け持つ業務のすり合わせをするために仕様を積み重ねる必要がある。初手から仕様を維持する原理主義となって「一にして全、全にして一」のような扱いになるわけでもない。

 

 王様や貴族がなんとなく「オレが今妄想した製品がある、さあ製品を作れ、ガハハ」と命令したら、チート賢者が「そうあれかし」と仕様の打ち合わせもせずにパッと完成品を具現化する異世界ではないのである。

 

 放送媒体や企画者のような御上が企画書に基づいて掲示する/掲示される仕様は具体的な内容にまで抵触せず

「エンドユーザとスポンサーと関係企業の要求を満たす三位一体の回答」

 といったニュアンスになるだろう。

 個々の差異がある話なので、「である」と断定する話ではない。

 

 御上が提示した仕様の実現のために動くのはプロデューサーだったり、ディレクターだったり、AP、専門P、専門D(演出や美術監督。ADや音響監督は違うかも?) といった中間管理職の方々だ。

 この辺は水が上から下へ滴り落ちるように道を描いていくためのいわば過程の段階で、彼らの携わる業務は三位一体の回答の実現に向けた仕様と構成の道ならしになる筈だ。

 きっとその道は一直線だったり螺旋だったり紆余曲折だったり首都高だったり様々に違いない。

 問題はその道を上から下へとつなげるために山を崩し、橋を作り、凱旋門の周りのような三叉路ならぬ十二叉路のようなものまで作って、末端の従事者まで神の声を伝える必要があるということだ。すべての凱旋門はローマかドラマに通ず。胃腸に優しくない仕事だろう。嗚呼、中間管理職。

 

 それでは演者が生み出す結果を導くための仕様はどのようなものか。エンドユーザを満足させる演技を仕様として載せるのは当然として、この位階においてスポンサーを気にする必要はないだろう。

 また、御上や中間管理職が要求する雑多な内容は末端の演出家や音響監督が指導できるまで単一化された作業――一人の作業従事者が演じるというレベルにまで細分化されている。

 よって「監督や現場が求める演技をこなし、脚本のリリースした台本を演じる能力を持つ」といった実務レベルの仕様が求められているだろう。

 三位一体の回答のような曖昧模糊にして広大な仕様の実現は求められてはいないし、偉い魑魅魍魎どもの要求を聞くような真似をしなくても良い筈だ。たぶん。おそらく。めいびー。

 

 *************

 

 ここまで妙な話を続けたが話を戻すと小説に求められる仕様とはどういったものか。

 読者、著者、企業(現時点では「なろう」とネット小説大賞運営)を含める何者かに自己紹介を要求された時、どのような申し開きをすべきだろうか。

 現実の私にとって「VS CTHEEEEET」を執筆する前段階で作るべき仕様とは何か。

 

 以前、私は小説を企画するためには「読者側の目線、著者側の好み、出版社の意向」の3つの趣があると述べた。

 それを満たす仕様を作ればいいのだが、作り手は私一人であり、もちろん中間管理職も私だ。昔流行った歌い手さんの動画のジャンル「全部俺」のようなものである。

 

 私小説の勢いのように脊髄反射の直滑降で文章を作ってもいい。

 しかし、序盤ぐらいは綿密に考えていきたいという安いポリシーと、執筆を単一化した作業へ落とし込むため、企画を満たす実現案の他、あらすじ、魅力といった様々な仕様案件を考えるべきだろう。

 そこに過程や展開や設計図を投入する必要はない。そういった設計はあとで考えればよい。

 

 以下に「VS CTHEEEEET」の基本仕様の一部を抜粋した概要を書く。

 ……書くつもりだった

 

 ……

 

 ……

 

 ……

 

 さて、ここで悲しいお知らせがある。

 

 今回の文章は「今日の私(2018.11.26)」の文章ではない。

 

「明日の私(2018.11.27)」と「明後日になっちゃった私(2018.11.28)」が書いている。

 

「明日の私」であるマキネッタが「今日の私」の書いた文章を全て破棄した。

 

 1800文字を全て消すことになるとは思わなかった。

 

 消した理由は冒頭にもあるハードウェアとソフトウェアにおける仕様についてで、書いていた文章に馴染みの少なそうな単語が並び過ぎていたためである。

 

 具体的に書くとTSS(タイムシェアリングシステム)とマルチスレッドの説明をしようとしていた。何故そのようなものを書いていたのか理解に苦しむ。1日経って見直して「ないわー」とファイルごと抹消した。

 

 さらに自分を見つめなおし書き直した結果、「VS CTHEEEEET」の仕様ってこうじゃないよね?という根本的な所にまで不具合を発見してしまった。

 

 これが業務上の話だったら誰かのクビが飛ぶ。

 

 マキネッタのクビを飛ばそう。なお、マキネッタの首っぽい部分は取り外せる設計だ。

 

 これがツイートなら10文字ぐらい使う顔文字を並べるところである。

 

 金土日と休みをいただいていたが、さらに2日お休みをいただいた後、11月30日に後編「仕様なの?」を投稿する。

 

 (執筆時間:1時間50分+8時間ぐらい)

「( ゜д゜)」

「:-P」

「」

「……………………絶句です」


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