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「なりたいあなた」

作者: 眼鏡男

ショート。1分。




今日の3限のことだった。


私は人の精神を乗っ取る能力を身につけた。


私はいつものように、片思いのSくんに目線を送って、S君のみてる視界を想像して遊んでいた時、そのままS君の中にするりと入り込んでしまったのだ。


S君になった私は、私の方を見てみた。


私はぼーっと虚ろな表情で、黒板を見ていた。まるで阿呆のようだ。うける。


咳払いをすると、私のものではない、Sくんの声が聞こえた。

自分の顎の骨を伝って声が聞こえてくる。

振動がくる。

なんて幸せなのだろう。


Sくんの友達が話しかけてくる。

Sくんは人気者だから、男も女も先生からもいろんな人が話しかけてくる。


でもSくんはもう私のものなのよ。

Sくんではなくて実は私なの。ふふふ。


ああ、こんな能力が身につくなんて私はなんという幸せ者なのかしら。

今度は誰の体を乗っ取ろうかしら。


えい。


やった。Tさんになった。

うわぁ、肌もちもち。ほっぺふにふに。


Tさんはクラスの可愛く身長のちっちゃな女の子だ。

私が男ならTさんに告白しちゃうくらい可愛い。


次は誰だろう。Uくんにいこう。えい。


楽しい。すごい能力だ。どういう原理なのかしら。


えい。


えい。


えい。


ほんとに誰でもなれるのね。


えい。


これなら、世界征服だって、できちゃうんじゃないかしら。


えい。


えい。










「次のニュースです」

「昨日14時頃起こった高校生集団意識混濁事件についてです」

「意識不明の高校生36人は今も意識不明のまま。命に別状はないそうです。」

「調べによりますと、今日未明、これまでパニックになっていた担当教員が『私は先生じゃないの、たすけて』などと証言をしており、なんらかの事情を知っているものとみて………

ビギナーズアンラック

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