お別れ
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本当にありがとうございます。
面白いと思ってもらえるよう頑張ります!
「コレがあなた、小鳥遊翔吾の恩恵だわ」
俺の頭から出てきた茶色い紙。
正直、その瞬間を見ることができなかったため想像することしかできないが、想像するだけでゾッとする。
そう思いながら、女神の言葉に疑問を抱く。
「恩恵?」
初めて出てきた言葉だ。
会話に一度も出てきていない言葉だ。
「これが、潜在能力ってやつよ」
女神はそう言いながら、元の席に戻っていく。
ああ、目の前の大きな山が消えていく。
「あなたの恩恵はね、これはすごいわね!」
嬉しそうな声音が聞こえる。
俺は自分の恩恵をわからないんですけど。
「これがあなたの恩恵よ。良かったわね。あたりよ」
あたりとかはずれがあるのかよ。
俺は渡された、紙を手に取る。
「なになに、”神化”?」
なに俺、神になれちゃうの?
あたりもあたりなのではないか?
「まぁ、なかなかいいんじゃない?」
おいおい、なかなかでは済まされないぞ。神になれるんだぞ?
「下の説明をよく読みなさい」
女神に促されるまま俺は下の説明に目を通す。
「なになに。”神化”とは、身体能力を極限まで向上させる能力であり、進化を発揮するのは神域でのみ。え?」
少しだけ文章を読んだだけでわかる。名前がかっこいいだけの能力じゃね?
俺がある意味驚きで固まっていると、女神がとどめを刺しにきた。
「そう。簡単に言うと身体能力向上。それがあなたの能力ね」
「うそだぁぁぁぁ!」
俺は悲鳴を上げた。
「こんなカッコイイ名前をしているのに、中を覗いてみればただの能力向上だって? おいおい軽い冗談ろ?」
俺はもう一度手に持っている、紙に目を通す。
だが、いくら見ても説明の所は変わらなかった。
「能力が向上するんだからいいじゃない」
「もっといいやつがあるじゃん。魔法が使えるとか、剣を投影できるとか! 神の力を使えるとか!」
「一応神の力は使えるぞ?」
「それは神域でのみだろ!」
確かに強いんだろう。だが、条件が酷すぎる。
「恩恵も判明したことだし、そろそろ転移させてもいい?」
どうせダメっていっても強制的に転移させるんだろ。
「当・た・り」
嬉しくねぇ。
「頑張って生き残りなさいよ!」
いや、もう無理でしょ。
「ほら、しっかりしなさい! 諦めたらそこでゲーム終了ですよ?」
「また、心を呼んだのかよ」
「読まなくても顔に出ているのよ」
「まぁ、痛いのは嫌だし死なないように生きるよ」
本当に痛いのはもうこりごりだよ。
「そこは一番になってやるぞぉ! とか言って欲しいところだけど。ってもうこんな時間!」
女神は自分の腕を見てそんなことをいう。
腕時計って神様も持っているんだな。
「じゃ、私のために頑張りなさい!」
あ、そうだ。最後に聞いておきたいことがあったんだ。さっきから言っている『私のために』ってどういう意味なんだろ。
「なぁ、『私のために』って――」
俺は聞くことができなかった。
聞く前に白い空間から俺がいなくなったからだ。
椅子の周りに黒くなり、椅子ごと落ちていったのだ。
「うわぁぁぁぁ!?」
途中から椅子もなくなりただただ、落ちていく。
意識がだんだんと朦朧としていくなか、俺はただ思う。
小説で見る転移と全然違うんですけど!
そして、俺は意識を失った。
「愉快な子だったわね」
白い空間で女神がポツリと呟く。
今頃、あの男は意識を失っているころだろう。
「って、感傷に浸っている暇はなかった」
女神は急いで身支度をする。女神の衣装が変わる。
あれは、仕事用に正装だ。
今度は、神様用の正装を身に着けた。
今から、神様の集まりがまたあるのだ。
誰がどのような者を選んだのか、与えた恩恵を教えあうのだ。
そして、この”世界”の生末を見届ける。
「さ、行こ行こ」
すでに数人が集まっているであろう場所に。
女神は指を鳴らすと消えた。
来た時と同じように、一瞬にして消えたのだった。
白い空間には椅子と机が置いてあった。
時が止まったかのようだった。
やっとプロロ~グが終わりました。
次からが本番です。
サバイバルゲーム、転移のような話ですが、この作品の面白さを出せるように頑張ります!




