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神様のための”世界”  作者: お茶ワン
プロローグ
3/14

神様に会った理由


 「神様が創った”世界”に転移して、そこで二年も生活しろってことですか? それに、ほかにも転移者がいてその人たちと戦えって……。どんなジョークですか。嘘はいけませんよ」

 「嘘じゃないよ。本当本当」 


 その言葉が聞きたいわけじゃないんだよなぁ。酷すぎる。こんなよくわからない場所に連れてこられて話を聞けば、神様が創った”世界”で殺し合いをしろと。

 正直断りたい。

 痛い思いをしてまで生き返りたいとは思わない。

 なら、言う言葉は一つだけだな。


 「あの、俺それじ――」

 「あ、拒否権とかないから」


 思い出したように女性が言ってくる。

 なんていいタイミングで言ってくるかな!

 なんかの嫌がらせ! 絶対わざとだよな。ふざけんなよ。

 

 「あ、なんか言おうとしてたよね。いいよ、言って」

 「いえ。もういいです」


 俺は深い、とても深いため息をついた。

 そんな俺を目の前の女性は首を傾げてみているだけだった。

 俺の心を読めるんだったら、察して欲しい。

 

 「それと、君たちは選ばれた人間で選ばれた理由がある」

 「選ばれた理由?」


 そうだよな。

 一日に人は俺の知らない間に何十人と死んでいるんだ。

 知らない国で、遠い国で、身近でも人は死んでいるのだ。

 それはニュースでは報道できないほど。

 いや、ニュースとかもうみてないけどね。つまんないし。

 そんなことより、なぜ俺が選ばれたのか。そうだよ。そこが知りたい。


 「潜在能力って知ってる?」

 「眠っている力っていうやつ?」

 

 よく漫画とかで見るよな。そういうの。

 まぁ、実際はそんなの見えないしわからないけどな。

 見えてたら逆に嫌だったわ。目指したい夢があるのにあなた能力がないから駄目。とか最初から言われるのって相当傷つくよな。

 門の前にすら立たせてくれないんだぜ?

 俺はやって絶望したいかな。

 努力は人を裏切らない。夢は必ずしも叶えることはできないけど。それでも努力したことは必ずどこかで役に経つと信じている。

 だから、俺のサバイバルサークルも意味があるはず。そう、信じている。っていってももう、死んだから意味ないんだけどね。


 「そう。その輝きって人によって違うのよ」


 うわぁ、嫌なこと聞いちゃったよ。

 みんな平等までとは言わないけどさ、ある程度同じにしてくれた方がいいんじゃないかな。駄目か。


 「そうなんですか」

 「そうなの。それであなたの輝きがほかの人の輝きよりも輝いていたから選んだの」

 

 女性の話が終わった。

 あれ? もう少しないの?

 ほらさ、よくある小説だとさ。間違えて殺しちゃったからとか、神様にゲームで勝ったからとか、なんか生き方が可哀そうだからとか。色々あるじゃん。


 「それだけ?」

 「ん? それだけだけど?」


 それだけかー。ほんと聞きたくなかったよ。


 「あ、ほかにあったわ」

 「お?」

 

 それは少し期待していいのだろうか。

 期待していいよね? 期待するよ? 期待しちゃいます!

 

 「ええっとねぇ。この輝きって元居た世界とは関係ないのよ」

 「関係ない?」


 そっかぁ、関係ないのか。


 「関係ない!」

 「わぁ!? ビックリさせないでよ」

 「あ、ごめんなさい」


 ビックリするのはこっちのセリフなんですけど。

 じゃぁ、その輝きってなんなんだよ。

 

 「その輝きって何なんですか?」

 「それがわからないんだよねぇ~」


 あっけらかんとした声で女性が答える。

 おい! 仮にもあなた神様って呼ばれているんでしょ! 知っとけよ!


 「か、神だって全知全能ではないのだからわからないわよ」

 

 あ、神様って全知全能じゃないんですね。

 てか、また心読まれた!

 もしかして全部聞こえてるの!


 「全部ではないわ。この力はね、ON、OFFできるのよ」


 なんて便利なんだ!

 いいな。その力。欲しい。


 「ってそんなことどうでもいいのよ。まぁ、こっちの話になるんだけどね、輝きが強いほうが最後まで残りやすいのよ」

 「どういうこと?」


 何を言っているのかさっぱりだ。

 輝きが強いものが残りやすいって、みんな何も能力なんて持ってないんだから運とか知恵とか、ほかには身体能力とかなんじゃないかな。

 その時、運があったから勝てた、運がなかったから負けた。あとは、体格差。戦略。それしかないと思うんだけどな。

 それに輝きなんて関係ない気がするんだ。


 「さっき言ったじゃない、潜在能力って。私たちか、神がね、あなたたちに授けるのよ」

 「まさか、潜在能力を?」

 「そう。そのまさかよ。潜在能力とは言わないけど」

 

 おいおい。そんな話聞いてないぞ。


 「言ってないしね」


 もう、驚かない。勝手に心を読んでくれ。


 「なるほど、輝きが強ければ生き残りやすい能力を持っていると?」

 「そういうこと」

 「あと、気になったことことがあるんだけどさ、コレに勝ったら、最後まで生き残れたらいいことでもあるの?」


 能力がもらえる。確かにうれしい。使ってみたい気持ちもある。だが、それをもらったからといって、神様が創った”世界”に行きたいかというとまた別の話。

 メリットがない。行くところは、殺し合いが必然、肯定された世界なのだ。

 俺の中ではデメリットしかないのだが。

 

 「完全に忘れていたわ。そうよねそれを言わないといけなかったわね」


 この女性忘れ過ぎじょね? 重要なことなんだから覚えておいてくれよ。

 

 「最後まで生き残ったら何でも願い一つだけ聞いてあげるわ」


 おお! 願いをかなえてくれるのか!

 でも待て、俺死んでるんだから意味なくね?

 

 「そこは大丈夫よ。生き返らせさせるし、何だったらみんな大好きな転生なんてこともできるのよ。ただし、願い事を増やすことはできないわ」

 「ってことは実質願い事が二つってことか?」

 「そうなるわね」


 メリットしかないな。

 まぁ、俺は生き返りたいとは思わないし、別に願い事何てないけど。


 「どう? すこしはやる気が出てきたでしょ?」


 神さまっていうけどその顔はやめてほしい。正直ウザい。

 

 「か、神に向かってそんな言葉を使うなんて! ここまで話してやる気が出ないやつなんて初めてよ」


 なんか、関心されたんだけど。そんなに嬉しくない。

 

 「まぁ、どうせ行くことは強制らしいし、俺の潜在能力ってやつを教えてくれよ」

 「私も知らない」

 「……」

 「……」


 静寂が訪れた。 

 最初に言葉を発したのは俺だった。


 「知らないのかよ!」

 「知るわけないでしょ。私が知ることができるのは輝きが強いかどうかだけだ。それ以外知るわけがない!」


 女性は胸を張っていう。

 服が薄いのと、胸が開いているのと、胸がでかいということもあって、大きく揺れる。

 俺はそこに視線が勝手に動く。

 もし、仮に胸がなかったら、そう絶壁だったら俺は哀れみの目とともに助言をしてあげようと思ったのだがなぁ。

 こんなものを持たれていたら何も言えない。俺の脳内メモリにしっかりと保存しなければならない。

 

 「って、どこをみているのよ!」


 神は少し顔を赤くしながら、自分の胸を隠す。


 「見てくださいって自慢しているのかと」

 「な訳あるか!」

 「神様なんだから、気にしないでしょ」

 「何その理屈!」


 だったらそんな服着なければいいのに。


 「これが正装なんだから仕方ないじゃん!」

 「うわぁ、それが正装とか」


 男を誘ってるようにしか見えないんだけど。

 軽そうだし。


 「私は軽くない! それに、処じ……。何でもない」


 何かを言いかけて、口を閉じる。顔を真っ赤にしていた。

 初心だな。

 俺は紳士だからそこは華麗にスルーしてあげようじゃないか。

 

 「美人は好きだが、神は興味ないし、神の下事情も興味ない。俺の潜在能力を教えてくれ」

 「私一応か、神なのに……」


 墓穴を掘る神が悪い。

 しょんぼりとしながらも女神は立ち上がった。俺の目の前まで来ると腰を少し屈める。

 ちょっと、刺激が強すぎないかな。

 目の前に大きなものが二つ!


 「ちょっと、神には興味ないんでしょ? いやらしい目で見ないでよ」

 「確かに神には興味ないけど、女性はすごく興味があるぞ。しかも、こんなものを目の前に出されて興味がないふりをしたらそいつは男じゃない!」


 俺は断言した。

 誰だってそうではないだろうか。男とはそういう生き物なのだ。

 そこに大金が落ちていたら拾うように、スカートが風でめくり上がった時に視線がそこに行ってしまうように。


 「ところで、ブラはしていますか?」

 「変なことまで聞かない!」

 「あだ!」

 

 思いっきり叩かれた。立ち上がれないし、女神がこちらにきてから、首から下が動かせなくなっていることをいいことに暴力をするとは。

 

 「少し、黙ってなさい」


 そう言うと俺の頭に手を置き、目をつぶった。

 もしかして、俺の記憶をすべて消す気か!

 必死に抵抗してやる!

 俺は首をぶんぶんと振り回そうとした。


 「動くな」


 女神のその言葉で俺の体は動かなくなった。

 目に映るのは大きな二つの山だけだ。

 俺はこの後数分、「大きなぁ」とひたすら思い続けた。

 それしかやることがなかったからな。

 

次の話は少し短くなります。

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