火をつける準備をする
遅くなりました
すいません
リアルが少し忙しくて。いいわけです
竜との戦闘から二日が経った。
昨日、俺は一日動くことができなかった。
たぶん、俺の恩恵の代償なのだろう。
それにしても酷すぎるのではないだろうか。時間差攻撃とか聞いてない。
「でも、そのまま倒れるよりかはましか」
もし、竜を倒してすぐに動けなくなってしまえば俺はあのまま、ほかの魔物に殺されていただろう。
あの場所が竜一匹の場所ではないのだろうから。
「もう少し、自分の恩恵について知らないとな」
昨日のあの痛みは恩恵の使った回数、時間に限らず同じなのかどうか、それを知りたい。
もし、一定なら使いづらい。
少し使っただけで、あの痛みが来るのは耐えられない。
「いや、待て。一定もありなのでは?」
少し考えた後、俺は考えを改めた。
一定ということは、どれだけ使ってもその痛みなのではないだろうか。
なら、使いまくればいいのでは?
「いやいや、待て待て。そんなはずないよな」
また考えを改める。
ずっと一定なわけがない。あるところまでいったら、次のステップ(もっと痛い)になるはずだ。
俺は腕を組み、拠点で唸っていた。
だが、いつまでたっても答えは出てこなかった。
「まぁ、此処で考え続けてもわからない。しかたない! 今日のやることをやろう」
俺は考えることを放棄した。
ここで考えても仕方がないと思ってしまったから。
憶測で答えを出してはいけないと思ったから。
俺は拠点からでて、大きく伸びた。
太陽に似たものを見上げ、思う。
この世界にも夜も朝もあった。
暗闇の中で唸る声が、遠吠えがあちらこちらから聞こえてきた。初めての体験をした。
俺は、蹲って夜を過ごした。
朝は木々の間から差し込む日差しで目を覚ます。
夜とは違い。唸り声も、遠吠えも鳴りを潜める。
異世界に来たのだと、元居た世界ではないのだと改めて実感した。
「さぁ! いっちょ頑張りますか!」
今日の予定は大体決まっている。
まず、火をおこす。
これが一番重要だ。
竜の肉を食べたい。好奇心もあるが、肉が欲しいのだ。肉が。
次に、恩恵の検証だ。
少しずつになってしまうが、理解していかなければならないと考えている。
この恩恵の代償を本当の意味で知らなければならない。
よくわからない、得体のしれないもののままにしていられない。
最後に、この山についてだ。
自分の拠点にまっすぐ帰れるくらいにはなりたい。
どこに何があるのか、どこがどこにつながっているのか知る必要がある。
俺は今日一日の使い方を決めた。
「……まずは火をこしからだな」
俺は火をおこすために必要な材料を探しに足を動かした。
現代社会に生きる者にとって火とは生活の一部でしかない。
あって当たり前。
だが、ここではそんな当たり前が効かない。というか、ない。存在しない。俺はサバイバルをしているのだ。
昔やっていた番組がサバイバル生活とかいうことをやっていたな。まさにそれをやっている。
「サバイバルサークルとかいう変なサークルに入っていてよかったわぁ。感謝しないとな」
過去の自分とその仲間たちに感謝する。
火の起こし方。とりあえず必要な素材があるのだ。燃えやすい、点火しやすい物を探さなければならない。
最終手段は今自分の着ている服を燃やすこと。だが、これは使いたくない。
服を着ていたい。
野生児になりたいわけではない。
せめて、俺が地球で生きていたという証を残しておきたい。
それに最初から楽はできない。
ものは無限ではない。
今着ている服を少しずつほぐしていってもいつかなくなる。
そして、この世界では服を調達することはできない気がする。
理由はそれくらいだ。
話を戻そう。
火がつきやすいものは、枯れた倒木の小枝や鳥の巣、枯れ草、松葉などらしい。これらのことを火口というらしい。
本当にあの本は有能だ。
まぁ、その本がどこまで信ぴょう性があるのかは実践してみないとわからないんだけどね。
「さ、探しますか!」
火口を探すこと数分。
俺はあることに気が付いた。枯れ木、枯れ草、小枝などは見つけることができた。
そこらへんに落ちてるからな。
だが、確かあの本では一番燃えやすいと書いていた鳥の巣がいつまでたっても見つからない。
竜の巣ならあるのかもしれない。というか絶対ある。
だが、小鳥とかの巣があるのか?
この弱肉強食の世界にいるのだろうか、と。
結果だけ言わせてもらおう。
鳥の巣はどこにもなかった。もしかしたらほかの所にはあるのかもしれないが、俺のいる場所にはいなかった。
「これくらいでいいか」
両手に持っているたくさんの材料を見て判断する。
火をつけるにはとても時間がかかるだろう。
ライターも紐も何も持っていないから。
俺が行う火のつけ方は、摩擦熱での火おこしだ。
そう、擦り続けるのだ。木を。
本に書いてあった。
相当な根性と体力が必要だと。
だが、俺にはある解決策があった。
俺は笑みを浮かべながら拠点へと帰っていった。
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