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神様のための”世界”  作者: お茶ワン
神の決め方
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開幕のお話

初めまして。よろしくお願いします。

白い、真っ白な空間に真っ白な長いテーブルと真っ白な10個の椅子が並べられていた。テーブルは丸くて、椅子はそのテーブルを囲うように並べられていた。

 一人の女性が現れた。一つの椅子の上に瞬間移動テレポーテーションでもしたかのように現れた。


 「あら、私が一番のようね」


 その声音には少し嬉しさが含まれていた。女性が話を聞くに、いつも一番最初に必ず居る者がいるらしい。

 だが、いなかったのだ。早く来たかいがあったというもの。


 「お? 今回はやけに早いな」


 次に現れたのは男性だった。先ほどの女性と同じように唐突に椅子の上に現れた。

 席は女性の正面の席。この男性のいつもの席だ。


 「あなたいつもこんなに早く来ていたのね」


 関心が半分と呆れが半分の入り混じっていた。

 まだ、皆が揃うまで時間がある。

 

 「俺は遅れたくないからな。今度からはもう少し早くこよ」

 「まだ早く来るつもり?」

 「おうよ!」


 男性は当たり前のように答える。

 そんな男性の呆れたようにため息をついた。

 他愛ない話をして、ほかの者たちを待った。

 二人から三人、四人とだんだんとこの白い空間に現れて、空きの椅子がなくなっていく。

 全部の椅子が埋まったのは、二人目が来てから下界時刻で、2時間後だった。




 「遅くなった」


 最後に着いたのは、容姿が周りより年老いている老人だった。

 それでも、か細くなく、逆に野太い声だった。

 

 「別にいいぜ。待つのは退屈だが、いつものことだしな」


 9番目に来た見た目がチャラチャラした若い男性が返事をする。


 「あなたはそんなに待ってまいでしょ」


 5番目に来た眼鏡をかけた知的な女性が若い男性に鋭い視線を向ける。

 

 「いや、待ったことは待ったんだしいいじゃん」

 「それはもっと前に来た人が言うべきでしょ。それに、あなた来た時に何も言わないで普通に席についていたじゃない」

 「いやいや、何も言ってないってことはないじゃん。『よっす』って言ってきたじゃん」

 「挨拶だけね。他に言うことがあるでしょ」


 二人だけは犬猿の仲。馬が合わない。

 そんな二人の口論を周りはまた始まったといった、呆れた顔で見ていた。

 周りの者の心の内を代弁すると、


 (よくやるよ)


 この一言に尽きる。二人は決して認めないだろうが、ここまでくると逆に仲がいいのではと思えてくる。

 だが、そんな痴話喧嘩もいつまでも続かせるわけにはいかない。

 最後に来た老人が声を上げる。


 「二人ともそれくらいにするのだ」

 「「はーい」」


 どちらも睨みあいながら、渋々といった感じで止めた。

 話し合いが終わってから、また始まるなと皆予期しながら老人の言葉を待った。

 老人が周りを見渡して、全員がいるかを確かめる。そして、いることをしっかりと確認すると一つ頷く。


 「それでは、始めよう。‘唯一神の選定‘を」


 ここに集まった者たちは神(仮)だ。神は一人でいい。

 百年で『唯一神』は『唯一神』ではなくなる。神の効力が消えるのだ。

 神がいなくなる。

 いなくなったらまた決めればいい。新たな神を。

 そして、今回がその時だったのだ。神がいなくなったのだ。

 この時を、神(仮)たちは待っていた。

 誰もが欲する、『唯一神』の座を。

 


 「前回の時と同じだ。一人、最近の死者から代表者プレイヤーを選び、戦わせる。そして、勝った者が『唯一神』。それでいいな」


 簡潔にルールの説明をする老人。その説明に一同は頷く。


 「ルール違反をしたら即退場。これは守ってもらう」


 老人が6番目の男性に視線を向ける。

 周りも思い出したような顔をして、6番目の方に顔を向ける。


 「わかってるよ。そんなことはもうしない」


 6番目にきた男性はそっぽを向く。


 「わかっているならそれでいい。では、今回の‘世界‘はどういうふうにするか話あおうではないか」


 戦わせるなら、それ相応の舞台が必要だ。前回は、皆を王として国盗りゲームをさせた。

 3番目に来た髪の長い男性が手を上げる。


 「今回は、代表プレイヤー以外人はなしにしよう」

 「あ、それ面白そう!」


 4番目に来た、髪を肩で切りそろえた女性が便乗する。


 「他はどうだ。異論はあるか」


 皆、少し考えた後、首を横に振った。


 「では、次に世界を創るとするか」

 「はい!」


 8番目に来た、女性が元気よく手を挙げた。


 「ほとんどが海ってどう? 前回は創りこみすぎて面倒くさくなったからさ」


 前回の時は、創りこみすぎて途中で飽きてしまった者が出てきて、所々出来が悪くなった。


 「それは駄目だろ!」


 7番目に来た、角刈りの男性が声を上げる。


 「どうして~。いい案じゃん。簡単だし」

 「お前は馬鹿か! 人間が海でどうやって戦うんだよ! あいつらずっと潜ってることすらできないんだぞ!」

 「そこはほら! 私たちの力を使ってさ!」

 「恩恵ギフトを二つにするってことか!」

 「そ、そうなるかな」


 どうかな、と期待を込めた目で老人の方に視線を向ける。

 が、老人は黙って首を横に振った。


 「ま、そうなるわな」

 「なら、あんたも何か言いなさいよ」

 「ああ。いいぞ。てか、言おうとしてたし。俺は今回は広大な土地にたくさんの魔物モンスターを置くのがいいと思う」

 「ほう」

 「へぇ」


 数人が声を上げる。老人は角刈りの男性に話の続きを促した。

 

 「広大な土地っていっても、平野だけだとだめだから、山とか谷とか、湖とかを入れてあげる。それと、人間がいないという設定で行くなら、もちろん村とか町はなし。こういうのを何て言うんだっけ……あ、サバイバルだ」

 「なるほどな。自分の力だけで生きろってことか~」


 チャラチャラした男性が納得したように頷く。


 「そういうこと」

 「それ面白そうだな! 俺はそれに一票」

 「他に何か案のあるやつはいるか?」


 老人は他の案があるのかと問うたが、皆首を横に振った。

 

 「ならこれを基礎ベースにしていこうと思う。今度はこの世界にあうような案を出してくれ」

 「はい」


 6番目に来た男性が手を挙げる。


 「せめて、魔石マジックストーンとかは入れてあげるべきだと思うな」

 「まったくなしだとかわいそうかも」


 8番目に来た女性が賛同する。それに、他の者たちも頷いていた。

 

 「あ、じゃやさ。こういうのはどう」


 肩で切り揃えた女性が手を上げる。


 「遺跡ダンジョンはどう?」

 「それだと、人間が作ったものの遺跡みたいじゃない?」

 「それは、神が創ったものにすればいいのよ。それで、最深部まで辿り着いたらアイテムゲットでどう?」

 「なるほど。それは、それで面白そうだ」

 「それとさ、これは重要なことなんじゃないか?」


 チャラチャラした男性が手を挙げる。

 

 「時間だよ。前回は相当長かったじゃん。だから制限時間を決めよう。あと、最後の二人になったら強制的に戦わせよう」

 「そうね。重要ね」

 「わたし、その案いいと思う!」

 

 今まで話を促し、聞くだけだった老人が意見を口にした。


 「2年だ。2年たったら世界の半分を壊す。そして、後は1日ずつ少し土地を消していく」

 「おお~。怖いことするね。でも、俺は賛成!」

 「俺の案に賛成の者は手を挙げてくれ」


 全員が手を挙げた。満場一致。

 

 「ふむ。後は、創りながら微調整するか」

 

 神(仮)たちは”世界”を創り始めた。

 『唯一神』を決めるためだけの”世界”。名もない世界が創られた。

 

 

 

 試行錯誤しながら、”世界”は創られた。

 人が住んでいない、魔物モンスターが徘徊する世界が。

 

 「では、これで世界は決まった。後は、各々代表プレイヤーを決めよ。そして、2日後にまた集まろうではないか」


 老人の言葉に一同が頷き、一斉に立ち上がる。


 「では、解散!」


 その言葉とともに皆、一瞬にして消えた。

 残ったものは、椅子と机。

 はじめからそこには誰もいなかったかのような静けさがあった。

これはプロローグの前の話です。

それでも、面白そうだなと少しでも思っていただけたら幸いです。

出来れば、ブクマとか感想、評価を頂ければ作者は大変喜びます。

明日も更新するのでよろしくお願いします。


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