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深海魚  作者: 夏頭巻
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見つけるは、深海魚

およそ15年前、僕が小学校4年生の時のことだ。僕は、両親の仕事の都合上、転校が多かった。そして、僕はその転校先の1つとして、港町Kへきた。そこで”深海魚”に会ったんだ。


~15年前 秋~


 「もう、ここの町には慣れた?海君!」

この港町で出来た友人I君は、転校してきた僕に気を遣ってか、そう聞いてきた。

「うん、だいぶ慣れた!色々転校してきたけど、ここの港町は一番面白いよ!」

僕は、そうI君に返した。事実、この港町はとても気に入っていた。元々魚を見るのが好きで、港の方に行けば色々な魚が見られるからだ。この時、将来漁師になりたいとまで思っていたほどだ。

「あ、俺の家こっちだ!じゃあね海君!また明日!」

「うん、またね!ばいばい!」

そう言って、僕とI君は別れた。さて、I君と別れた後、僕にはやるべきことがある。それは、この港町探検だ。帰っても、親は共働きで家には誰もいないし。まだ、この町に来てまもない僕には、どんな場所があるのか、秘密基地にできそうな場所はあるのかを知ることは急務であった。また、町探検をすることは数少ない転校生活での楽しみでもあった。


 探検と言いながらも、まず行くべき場所は海だった。雨は降らないまでも、どんよりと暗い曇りという天気のせいか、大好きな海も深く青く濁って見える。分厚い黒々とした雲を映した海は、青黒く光が無く、途方もなく底へと沈んでしまいそうな感覚に襲われる。そのせいか、秋の近づきによる寒さかは分からないが、僕は身震いをした。今日は、少し肌寒いので、違う所を探検してみようと思った時でもあった。


 港から、少し離れた所だった。普段行かない方向の道を歩いていくと、公園を発見した。なんと言っても僕は小学4年生だ。この発見には、興奮した。とても小さな公園だった。ブランコや砂場、滑り台、鉄棒くらいしか物はなく、公園自体の面積も家一軒ほどの面積しかない。しかし、僕が最も注目したのは遊具でも、公園の広さでもなく、一人の少女だった。彼女は一人でぽつんとブランコを漕いでいた。元々、人通りが少ないこの道では、彼女の存在はより大きく見えた。そのせいかは、わからないけど

「きみ、1人なの?」

と、その少女に僕は話しかけていた。すると、その少女は

「うん。」

とだけ答えた。よく見てみると、その少女は身なりがもの凄く汚い。(話しかけたの間違いだったかな。)と思ったが、なぜか惹きつけられるものがあり、帰っても暇なので僕はその少女と話をすることにした。


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