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深海魚  作者: 夏頭巻
1/2

思い出すは、深海魚

暗いです。


 …誰かが、僕を呼んでいる

    

   暗い 真っ暗だ


 海の底から 誰なんだろう

 何なんだろう… 

 

 そうだ!あれは…


 

 「…君!かい君!!!」

はっと、気づく。僕は時々、何か白昼夢のようなものを見る。この、白昼夢について僕は知っているはずだ。だが、僕は思い出せずにいる。いけないいけないこんな事を考えていては、僕はしがない会社の給料で、彼女と水族館に来ていたのだった。危ない危ない…。

「ごめんごめん。ぼーっとしてたよ。」

僕は、慌てて彼女にそう答えた。

「海君ってさー、時々そうなるよね!ぼーってしてさ!てか、男の人って意味わからない時にぼーって…」

まずいなあ。こうなると、この娘は長いんだよなあ。ここは話題をうまく切り替えて、この場を乗り切ろう…。

「あ、あれ!深海魚コーナー!ダイオウイカとかもいるのかねえ!ははは…。」

ちらっと、彼女を見ながら言う。果たしてどうだろうか…

「あっはは!海君ウケる!ダイオウイカはこんなちっぽけな深海魚コーナーじゃ収まんないでしょ!ははは!」

どうやら、なぜか受けたらしい。意味が分からん。本当にこの娘は、熱帯魚のように敏感で、鯉のように図太いと思う。いや、もはや竜だな。恐ろしい…。まあ、機嫌を直してくれたみたいでありがたい。


 彼女が機嫌を直してくれたみたいなので、2人で深海魚コーナーを見ることになった。深海魚コーナーは薄暗い。だが、ぼんやりとしたほのかな青い灯りが幻想的に見えた。水のゆらめきと、青い灯りに照らされた、この深海魚は一体どのようなことを考えているのだろうか…という気持ちになった。

 

 深海魚なんて、見るのは何年ぶりだろう…。ん?僕は、深海魚を見ている…!いや、違う!深海魚で何か思い出さなければいけないことがある!どこだ、いつのどの場所だ…!


 そうか…!あの時…!今が25だから、およそ15年前、小4の時!


 


 確かに、僕は深海魚に会っていた。

 



 

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