3/3
日本の誤ち~人造人間(中編)~
当時、日本政府の子供作り大臣に就任していた真木慎太郎は事務所で書類の整理をしていた。
気が付けば辺りは暗くなっていた。事務所にはもう誰もいない。
事務所の電気を点けるために重い腰を上げた。
子供作り省は人造実験が始まった頃に発足した。
慎太郎で第8代目となる。
事務所の電気を点けると蛍光灯が光を放つ。
その時、事務所の電話が鳴った。
慎太郎は急いで電話のもとへ駆け寄った。
軽く咳払いをしてから電話を手に取る。
「もしもし。こちら真木慎太郎事務所です。」
「もしもし、真木先生!」
声には聞き覚えがあった。秘書の高倉紗英だ。
「どうした。そんなに慌てて」
「大変です。子供が……子供が!」
「子供がどうした。」
「子供が、異常です・・・。」