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コート・サイド・ラバーズ  作者: 大和麻也
Love ――はじまり――
5/54

*いわく付きの更衣室

 更衣室の中はひどい熱気と臭気だった。じめじめと体にまとわりついて、まったく不快の極みである。

 それにしても、更衣室もそれなりに広い。最初の部屋と同じベンチもある。

 おそらく、表のミーティングルームは部室ふたつぶんで、この更衣室が本来の部室の広さなのだろう。男女テニス部のふたつの部室を連結させ、ひとつの部室を作ったというわけだ。

 そしてもうひとつの特徴が、ひたすら古い、ということだ。ロッカーは扉こそついた構造だが、木製である。歩けばそこかしこの床が悲鳴を上げる。

 しかし、更衣室に何があるわけでもなさそうだ。ロッカーはまとめて二、三十人ほどが使えるようで、部室ふたつぶん使っていることも考えると、以前は大人数の部活だったと見える。当時の汗臭さときたら想像を絶するに違いない。

 とりあえず、使えそうな部屋であるとはわかった。清掃は要するが、部員を集めて大勢で取り掛かれば問題なく部室として復活してくれるだろう。

 さて、あとは女子更衣室の側か。道徳心としても本心としても気乗りしないが、僕が調べると言ったからには調べよう。

 がたり――部室が大きな音を立てて軋む。


「た、忠! 早く来て!」


 ――みのりだ!

「どうした、何かあったか?」

 急いで部屋を出て、ミーティングルームにみのりがいないと悟る。すぐに女子更衣室に回った。

「みのり!」

 半開きになっていたドアを開くと、みのりがロッカーの前で腰を抜かしていた。

「……どうした?」

 駆け寄ると、みのりは部屋の一番奥のロッカーを指差す。

「あ、あれ……イタズラかもしれないんだけど、急に見たから、び、びっくりしちゃって」

「イタズラ? 一体何が……」

 ロッカーの扉は傷ついていた。だいたい、僕の目線と同じくらいの高さである。

 それをよくよく見てみれば、文字になっていることがわかる。


『ドウシテ

 殺シタノニ』


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