♪またまたまたまたまたまたまたまたチャットにて
マナ:おうい、みのり
マナ:調べ終えたぞ、十年前の生徒について
マナ:苦労したんだから、感謝しろよ
マナ:名前は、柴村順二
マナ:しばむらじゅんじ
マナ:第三高校テニス部の二年生で、
マナ:そこそこ実力があったらしい
マナ:どうやら素行は良くなかったらしいけど
マナ:一年のころ試合中の暴言でしばらく部活禁止にされてた
マナ:それが突然、熱中症で死んでしまったらしいんだ
マナ:みのり、見てる?
マナ:見てないならやめるか
みのりん:見てるよ
マナ:なんだよ、なら返事しろよ
マナ:それに、礼もなしか
みのりん:ありがと
マナ:おいおい
マナ:反応薄いねえ
マナ:欲しがっていた情報じゃないの
マナ:ぴんと来ないのか?
みのりん:ぜんぜん
マナ:なんだよ、話が全然進んでいないの?
みのりん:進んでない
みのりん:ひとりじゃ無理
マナ:あたしの情報だけじゃ足りないか
マナ:どうして清瀬と別々なのさ
マナ:手に入れる情報を増やそうってのなら、逆効果
マナ:清瀬のほうがよく知ってそうだもん
マナ:いい加減ふたりに戻れば?
みのりん:最近連絡取れない
マナ:え?
マナ:あの清瀬が?
マナ:みのりが大好きな清瀬が?
みのりん:うん。電話に出ない
みのりん:それに、忠はわたしのこと
みのりん:それほど好きじゃないよ
みのりん:わたしのことが邪魔みたい
マナ:は?
みのりん:忠は意味のないことをしないもの
みのりん:別行動になってわたしがダメになるのくらい
みのりん:最初から考えに入れていたはずだよ
マナ:やめなよ
マナ:みのりらしくもない
みのりん:わたしはどうせ
みのりん:プレイヤーにあこがれる
みのりん:コートサイドのギャラリーのひとり
みのりん:外の人は黙ってないといけないの
マナ:ダブルスは?
マナ:まだダブルスがある
みのりん:忠は別の相方を見つけたよ
みのりん:わたしはあくまで戦力外
マナ:ねえ
マナ:変だよ、気持ち悪いくらい
みのりん:そうかな
マナ:そうだ
マナ:清瀬は意味のない行動をしないんでしょ
マナ:みのりを突き放したのも、意味があるんだよ
マナ:みのりが役に立たないと思うなら
マナ:最初から一緒になるはずがない
みのりん:まなかには忠のことなんてわからないよ
マナ:みのりもわかってるの?
みのりん:まなかよりは
マナ:ああそうなのね
マナ:清瀬とみのりには隠し事もないんだ
マナ:結構な関係だこと
マナ:それなら本当に捨てられたのかもね
みのりん:まなか?
マナ:うじうじ言ってないで、動け
マナ:あたしは失望したんだ
マナ:みのりは頭が良くて
マナ:ひとりでもやり抜くと思ってたよ
みのりん:頭よくないよ
マナ:うん。そうみたいだね
マナ:いまだけはそう思う
マナ:だから
マナ:清瀬を頼れ、バカ