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コート・サイド・ラバーズ  作者: 大和麻也
Deuce ――交錯――
41/54

♪またまたまたまたまたまたまたまたチャットにて

 マナ:おうい、みのり

 マナ:調べ終えたぞ、十年前の生徒について

 マナ:苦労したんだから、感謝しろよ

 マナ:名前は、柴村順二

 マナ:しばむらじゅんじ

 マナ:第三高校テニス部の二年生で、

 マナ:そこそこ実力があったらしい

 マナ:どうやら素行は良くなかったらしいけど

 マナ:一年のころ試合中の暴言でしばらく部活禁止にされてた

 マナ:それが突然、熱中症で死んでしまったらしいんだ

 マナ:みのり、見てる?

 マナ:見てないならやめるか

 みのりん:見てるよ

 マナ:なんだよ、なら返事しろよ

 マナ:それに、礼もなしか

 みのりん:ありがと

 マナ:おいおい

 マナ:反応薄いねえ

 マナ:欲しがっていた情報じゃないの

 マナ:ぴんと来ないのか?

 みのりん:ぜんぜん

 マナ:なんだよ、話が全然進んでいないの?

 みのりん:進んでない

 みのりん:ひとりじゃ無理

 マナ:あたしの情報だけじゃ足りないか

 マナ:どうして清瀬と別々なのさ

 マナ:手に入れる情報を増やそうってのなら、逆効果

 マナ:清瀬のほうがよく知ってそうだもん

 マナ:いい加減ふたりに戻れば?

 みのりん:最近連絡取れない

 マナ:え?

 マナ:あの清瀬が?

 マナ:みのりが大好きな清瀬が?

 みのりん:うん。電話に出ない

 みのりん:それに、忠はわたしのこと

 みのりん:それほど好きじゃないよ

 みのりん:わたしのことが邪魔みたい

 マナ:は?

 みのりん:忠は意味のないことをしないもの

 みのりん:別行動になってわたしがダメになるのくらい

 みのりん:最初から考えに入れていたはずだよ

 マナ:やめなよ

 マナ:みのりらしくもない

 みのりん:わたしはどうせ

 みのりん:プレイヤーにあこがれる

 みのりん:コートサイドのギャラリーのひとり

 みのりん:外の人は黙ってないといけないの

 マナ:ダブルスは?

 マナ:まだダブルスがある

 みのりん:忠は別の相方を見つけたよ

 みのりん:わたしはあくまで戦力外

 マナ:ねえ

 マナ:変だよ、気持ち悪いくらい

 みのりん:そうかな

 マナ:そうだ

 マナ:清瀬は意味のない行動をしないんでしょ

 マナ:みのりを突き放したのも、意味があるんだよ

 マナ:みのりが役に立たないと思うなら

 マナ:最初から一緒になるはずがない

 みのりん:まなかには忠のことなんてわからないよ

 マナ:みのりもわかってるの?

 みのりん:まなかよりは

 マナ:ああそうなのね

 マナ:清瀬とみのりには隠し事もないんだ

 マナ:結構な関係だこと

 マナ:それなら本当に捨てられたのかもね

 みのりん:まなか?

 マナ:うじうじ言ってないで、動け

 マナ:あたしは失望したんだ

 マナ:みのりは頭が良くて

 マナ:ひとりでもやり抜くと思ってたよ

 みのりん:頭よくないよ

 マナ:うん。そうみたいだね

 マナ:いまだけはそう思う

 マナ:だから

 マナ:清瀬を頼れ、バカ


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