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文化祭は順調に終わり、どこも大きなトラブルなく終わりを迎えた。ここまで順調に文化祭が終わったのはひとえに桐野や琴吹のおかげだろう。
学生たちにとって楽しみの後夜祭が始まろうとしていた。この学校の後夜祭は毎年体育館での出し物がメインとなっている。これは自由参加で参加したくない生徒は、帰ってもいいことになっているが、ほとんどの生徒は帰ることはない。
人気者の桐野と琴吹はもちろん誘われて参加することになっていた。しかし、そこに神崎の姿はなかった。2人とも人に囲われながら、神崎を探していたが、体育館に神崎の姿はなかった。
人に囲われて体育館から離れることが出来ず、神崎を探すことが出来なかった。
ある程度、後夜祭が終わり、自由になった2人は神崎を探し始めた。
「あーー、神崎君、見ーつーけーた」
「全く、こんな所にいるなんて、帰ったと思ったわ」
神崎がいたのは料理を作っていた家庭科室だった。
「2人なら、俺のことを探しに来るっと思ってな」
「それはどういう事なの?」
2人はそろって首を傾げた。
「こういう事だ」
神崎が後ろのテーブルにのっかてた布を取るとそこには、どこかの高級フレンチと言わんばかりの料理が並んでいた。
「わ~綺麗~」
「材料が余ったんでな、このぐらいはいいと思ってな」
「・・・ずるいわ」
桐野は神崎に聞こえないように小さい声で呟いた。
「お前も食べていいぞ、櫻井」
そこで廊下に隠れていた櫻井が姿を現す。
「何でばれるの?雰囲気的にどっか行こうと思ったのに」
「俺から気配を隠すなんて10年早いな」
「どんだけ、気配察知がすごいの」
「まぁ、お前も今回の功労者と言えば功労者だからな」
最初から終わりまで女子の相手をし続けたので一番クラスに貢献したのは、櫻井とも言える。
皆、料理を食い入るように見ていた。
「ほら、早く食べないと冷めるぞ」
「綺麗すぎて、勿体よ~」
「琴吹さんの気持ちも分からなくないわ」
そういうもんかと神崎は首をかしげる。それならとスプーンで神崎は料理を崩して一口取った。
「ほら」
この状態はいわゆる、あーん状態だが、女子の2人は気まずそうに櫻井の方に視線を向けた。はいはいとわかった様に櫻井は後ろを向く。先にどっちが食べるか問題が起こるが、譲り合った結果、桐野が最初に食べさせてもらうことになった。
桐野は何の味も感じることは出来なかったがこの上ない幸福感に満たされていた。
それが終わると神崎は席に座って自分の分を食べようとした。
「それじゃ食べるか」
「「ちが――う」」
「はいはい」
その反応がわかってましたと言わんばかりに神崎はもう一口スプーンで取った。そして、それを琴吹の口に運ぶ。琴吹も桐野と同じような表情だったが、神崎は特に気にせず、改めて席に着いた。
「本当に冷めるぞ、早く食べてくれ」
その言葉を合図に他の3人は一斉に神崎の料理を食べ始めた。
こうして神崎の文化祭は幕を閉じた。
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