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10分後、男子生徒たちから逃げ切った、神崎は途方に暮れていた。男子から逃げ切れたものの、男子生徒たちが校舎に散らばって迂闊に移動できなくなっていた。このままでは、会長の桐野に合流できない上に男子生徒たちに見つかるのも時間の問題だ。


そんなことを考えている時に神崎の携帯が鳴った。


神崎は携帯を取り出し、誰か見てみるとディスプレイには番号のみが表示されていた。この忙しい時に出る理由もないのでHLDボタンを押す。するともう一度かかってきた。仕方がないので電話にでることにした。


「どちら様ですか?」

神崎はイライラするのを抑えながら、一応、誰か分からないの敬語を使う。

「いきなり切るなんて、神崎君、ひどいんじゃないの?」

電話から聞こえてくるのは、神崎が追いかけられている理由の桐野だった。


「まず、この番号を知ってることは置いといていやる。この状況をどうにかしろ」

「あら、それが人にものを頼む態度かしら?」

「お前が原因だろうが、責任とれよ」

神崎には、なぜか電話の向こうで桐野が笑っているような気がした。

「私は貴方に何もしてないわよ」

「俺は迷惑こうむってんだよ」

「仕方ないわね、少し待ってなさい」


そうすると、すぐに桐野の声が校内のスピーカーから流れてきた。

「生徒と会長の桐野です。ペアを組んでいない生徒は速やかにペアを探してクイズラリーに参加しなさい。クイズラリーの成績が一番だったものには私からスペシャルプレゼントがあるわよ」

放送が終わると、しばらく男子生徒たちの足音が廊下に響き渡った。


「助かった」

神崎が男子生徒たちの脅威から逃れたことに一息ついていると、さっきと同じ番号から電話がかかってきた。電話に出るとそこからはさっきと同じ桐野の声が聞こえてきた。

「これでよかったかしら?」

「ああ、でもよかったのか、あんなこと言って」

「スペシャルプレゼントのこと?大丈夫よ、私が一番取るもの」


(あいつら、可哀想だな、よくよく考えてばこいつが主席だってことぐらい分かるはずなのに、目先のものにつられやがった)

神崎は自分が会長のプレゼントという発言で助かったのだが、後でこの事実に気づく男子生徒たちが気の毒だと心の底から思った。


「ところであなたどこにいるの?」

「俺たちの教室だ」

「わかったわ、私がそっちに行くわね」

その5分後、神崎は男子生徒たち襲われることなくに無事に桐野と合流したのだった。


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