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神崎がこんなにも学校から家までの道で足を重くして帰ったことはないだろう。


「あら、意外と広い部屋ね」

桐野がそう言ったのは、神崎が住んでる部屋が2LDKだったからだ。1人で住むには広すぎると言っていいほどだ。

「取り敢えず、リビングでテレビでも見ていてくれ」

「わかったわ」


家に着いた神崎がまずしたことは冷蔵庫の中身を確認だった。


お祭りに行った物の軽い軽食のような物しか2人は食べておらず、その空腹を満たすために必然的に料理を作らなければならない。


基本的に神崎は食材を使い切るようにしていて、冷蔵庫には保存の利く物しか、残っていない。後は、朝作った料理のあまりしか食材は残っていなかった。


キャベツ、人参、ニンニク、タマネギ、ジャガイモ、大根、ベーコン、食材を確認した結果、残っている食材はこれだけだった。


考えた結果、神崎の頭の中に浮かん料理はポトフだった。


作る料理も決まって、神崎は廊下に行き、風呂沸かし器のスイッチを入れた。


「ほんとに泊まるのか?」

「何か、問題でも?」

「高校生の男女が一緒の家に泊まること自体が問題だ」

「それは泊まる人の問題で、泊まること自体は問題ないわ」

「そうゆうのは自分を正当化するための屁理屈っていうんだよ」

「でも、少なくとも貴方は私に邪な気持ちは抱いていないでしょう」

「それはそうだが」

「なら問題ないわ、着替えならちゃんと持ってきたわよ」

「あーもー、ちっ、あと10分ぐらいで風呂が沸くから、先に入ってろ」

どうやってもこっちの言うことを聞きそうにない桐野に神崎は野菜の下処理をしながら、風呂に入るように伝えた。


風呂に行く直前に桐野は料理中の神崎に話しかけた。

「のぞいていいわよ」

「興味ない」

「学校の男子生徒が一番みたいと思っているものよ」

「お・れ・は思ってないから、安心しろ」

俺はの部分を強調して、神崎は調理を続けた。

「つまらない、男ね」

何故か、軽蔑されたような言い方だったのは神崎の気のせいだろうか。


「貴方、本当に隙がないわね」

風呂から出た瞬間に桐野から呆れた言葉を神崎は掛けられた。

「何のことだ?」

急に隙がないと言われても神崎には身に覚えがなく、首を傾げた。

「男子にしては整理し過ぎよ」

桐野が指摘したのは脱衣所のタオルや洗剤の事だ。それは神崎が桐野が風呂に入る際に何も説明しなかったことに関係している。それは全ての物が分かりやすい場所に置いてあるということだ。

「そんなこと言われてもな、それより料理が出来たから冷めない内に食べるぞ」

「いい匂いね」


神崎が食卓に並べたのは、ごはん、味噌汁、ポトフだった。夕食のメニューと言うか、若干、朝食よりではあるものの、他に食べるものがないのでこれ以外の選択肢がない。


桐野が早速、ポトフのスープを口に入れた。

「美味しい」

その口から出て来たのは素直な感想だった。

「・・・」

神崎は桐野の感想に何も答えず、黙々と食べ始めた。


食事を終え、食器を片付け終わった後、改めて、神崎は桐野に質問をした。

「ホントに泊まるのか?」

「泊まるわ」

桐野から回答は即答だった。


「はぁ~、ベットは好きに使っていいぞ、俺はリビングに布団を敷いて寝る、たっぷり、消臭剤を掛けといたから匂いとかは気にしなくていいぞ」

9割9分来ると思っていた回答が来たので、神崎も予想していた回答を返した。桐野が風呂に入っている間に、神崎は色々と準備をしていた。

「女性にベットを譲るとはいい心がけだけど、最後の一言は余計ね」


「俺は風呂に入ってる間、変なことするなよ」

「大丈夫、何もしないわ」

桐野はそう言うものの神崎は、心の奥での心配をぬぐえなかった。しかし、風呂に入らないわけにもいかないので神崎は風呂に入った。


風呂から上がって来た神崎はパジャマを着ると髪を乾かさず、一度廊下に出て、桐野の様子を見た。そこには静かにテレビを見る桐野の姿があった。


取りあえず、それだけ確認すると、神崎は洗面台に戻ってやっていなかった髪を乾かし始めた。


リビングでテレビを見ている桐野の前に来ると、神崎はいきなりの質問をした。

「何かしたか?」

「いきなり、疑いの言葉から入るなんてひどいんじゃない」

「何かしらをしたことがある人間には疑いをかけるもんだ」

「何かしらした覚えはないわ」

「どうやら会長は都合のいいことしか、覚えられない頭らしいな」


神崎の発言にピクリと桐野は反応した。

「雫よ」

「それはデートだけの約束だっただろ」

「私の名前は雫よ、会長じゃないわ」

「急にどうした?」

「何で私は会長であの子は普通に呼ぶのよ」

神崎は桐野の発言に首を傾げた。

「雫を会長と呼んでいるのは最初に呼んでしまったからかな」

「そんな真面目なことは聞いてないの、私は名前で呼んでほしいって言ってるのよ」

「いまさらか?」

「今更よ」


少し考えて、神崎は答えを返した。

「2人の時は善処する」

「まぁ、そんなところだと思ったけど、今回はそれで許して上げるわ」

何もしてないのに許すとは一方的な過ぎると神崎は思ったが直ぐに何かしらの反撃が来ることが予想できたのでその感情は心の中に留めた。


「今日はもう寝ましょうか」

「そうだな」

その発言を合図に桐野は寝室、神崎はリビングで布団を敷いて寝た。

もう少し、早く投稿したかったんですけど、遅くなってしましました。すみません。

今年も遅くなりながらの投稿でしたがお読みくださりありがとうございました。


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