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人のいない場所まで2人は走り、雫は周りに誰もいないことを確認して天月に問い詰めるように迫った。

「なんで、貴方はそんな大金持ってるの」

「いや、夏休みの間に使う金を持ってるだけだが」

「そんな、〇〇〇万もいらないでしょ」

「銀行からいちいち下ろすのが面倒だから、使わなかったら戻すさ」

「それにしても下ろし過ぎよ。そもそも何で学生の貴方がそんな大金を持ってるのよ」

「別にネットで稼いだだけだ」

顔をそれらしながら、後ろめたいことがあるように神崎は大金を持っていた理由を説明した。


「何故かしら、貴方なら出来そうだけど物凄く胡散臭いさしか感じないのだけど、何か隠してない?」

「気のせいだ」

実際、ネットで稼いだのは間違ってはいないのだが元手が読者モデルから来ている事は伏せている。つまり、半分しかホントの事を言っていないことをズバリ桐野は言い当ててしまっている。


「さて、改めて祭りに行きましょうか、雫」

神崎は芝居掛かった台詞を言うと雫に恭しく右手を差し出した。


「そうね、せっかくここまで来たんですもの、あんなのに台無しにされたら勿体ないわ」

雫は神崎の手を取ると腕を組んだ。

「そんなに腕まで組む必要はあるのか?」

腕を組むと必要に体をくっつけて、来たので抗議の意味も込め、疑問をぶつけた。


「別にいいじゃない。彼氏なんだから」

「いや、待て、俺がいつ彼氏になると言った?」

雫は神崎の言葉を無視すると、ぐっと腕を引っ張り歩き出した。

「さて、行きましょうか」

「おい、話は終わってな―、おわ」

急に引っ張られ、神崎は態勢を崩してしまった。しかし、雫は構わず、神崎を引っ張り続けて人込みに戻る。


雫が向かった場所はリンゴ飴を売っている屋台だった。

「ここか?」

「そうよ」

「そんなにリンゴ飴が欲しかったのか」

「何か、いけないかしら。女子としては普通に祭りでほしいものよ」

「そういうものか、すみません、これ一つ下さい」

神崎は雫に確認をとるとすぐさま、リンゴ飴を買って雫に渡した。

「ありがと」

「どういたしまして」

自然に買って貰った雫から出た言葉は自然なありがとだった。


「別に、それじゃ、後は適当に回るか」

「そうね、それじゃここからのエスコートは貴方に任せるわ」


それから、2人は金魚すくい、射的当て、ヨーヨーすくいとゲーム系の屋台を回って行った。

「つまらないわね」

そう呟いた雫の手にはたくさんの景品が握られていた。

「まぁそんなに取れたら、つまらないだろうな。なら、あっちに行くか」

神崎が指を指したのは盆踊りの中心などで使われる矢倉だった。その矢倉には踊りをやっていないのに何故か、人が集まっていた。

「嫌な予感がするわね」


雫が女の勘とも呼べる発言をした次の瞬間、矢倉から出て来たのは琴吹響だった。


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