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次の日、いつも通り、櫻井と学校に登校していたが神崎が不意に欠伸をした。


「めずらしいな、欠伸なんて」

「昨日、いろいろあってな。疲れただけだ」

「神崎が疲れるなんて珍しいな」

「最近は疲れて、ばっかだけどな」

「桐野さんのことかな」

「あいつもその原因の一つだな」

「それなら席替えまで疲れるな」

「一か月の我慢だな」

「それで終わればいいけどね」

年の最初からハードな開幕となった神崎はこれからの1年を思うとつい、ため息をついてしまうのだった。


教室に着き、神崎はいつものように読書を始めた。いつもならSHRが始まるまで誰も声を掛けることはないのだが、最近はその日常が崩れ始めていた。


「おはよう、神崎君、今日も本を読んでるかしら」

「・・・」

「あら、朝から無視なんて酷いんじゃないかしら」


声をかけてきたのは桐野だったが、声をかけられた瞬間に男子生徒たちから嫉妬や妬みの視線が飛んでくるので神崎としては無視を付き通したかったが、無視し続けても男子生徒から『返事しろや』の死線が飛んできたのでしかたなく前を向いた。


「おはようございます。会長」

「随分と他人行儀なんじゃない」

それだけ言うと神崎はまた読書に戻った。


「また、無視かしら」

桐野が若干、声を大きくした。それにつられて男子生徒の視線がまた、神崎に集中する。


「ちっ、朝から何の用ですか?会長」

「何って、ただ雑談したいだけよ」

「それなら、他の方、あちらにおられますよ」

神崎が手を向けた方向には2人に会話を盗み聞こうとしていた男子生徒たちが群がっていた。


「私はあなたと話したいのよ。他の人を進めるなんて野暮じゃない」

「俺は、話したくないんですが」

「あらそうなの?こんなにも可愛い女子がいるのに」

「普通は自分から可愛いとは言わないものですよ。会長」

「いいのよ。私は誰が見ても可愛いもの」

どこからその自信が出てくるのか、聞きたかったが実際そうなので特に何も言うことはなく、神崎は会話を進めた。


「それでなんで俺なんかと話したいんですか?会長」

「貴方に興味があるからよ」

「俺はないですね」

「そんなこと言ってるとここでまた、キスするわよ」


コイツは何を言ってるんだと神崎は桐野を見たがふざけてる様子もなく、このままだと本気でキスをすると思い仕方なく話を続けた。


「わかった。話はしてやる。ただし、話しかけてきたのはそっちだ。話題はそっちで決めろ」

「そう、わかったわ。じゃ、とりあえず、気になってることから聞くわね」

「そうしてくれ」

「なんで、貴方は放課後、すぐに帰らずいろんな事をしてるのかしら」

「ただの暇つぶしだな」

「毎日、やることを変えて?」

「そうだな」

「多芸過ぎないかしら」

「それはそうかもしれないが俺の自由だろ」

「それはそうね。他に何かしていることはないかしら」

「特にはないな」


「嘘ね」

急に神崎の発言を嘘といった桐野は若干、不満といった口調で話を続けた。


「何が嘘なんだ」

「貴方、学校にバイトをする許可を取ってるわね」

「それは取ってるがなんで知ってるんだ」

「生徒会では色々調べられるのよ」

「職権乱用じゃないか」

「別に問題ないわよ」

「問題だ」

「何のバイトをしているのかしら」

「こっちの話を聞けよ」

「何のバイトかしら」

どうやら桐野は質問に答えるまで他のことを話す気がないようだ。


「喫茶店だ」

「あら、どこの喫茶店なの?」

「それを会長に教える義理はないね」

「あら、なんで教えてくれないの?」

「教えたら会長が押しかけて来ると思うからだ」

「別にいいとじゃない。1人お客が増えるのよ。お店にとってはいいことじゃない」

上目使いで色気を使いながら桐野は神崎に言って来るが神崎は特に動揺せずに返事を返した。

「お店にとっては、な。俺にとってじゃない」


ガラっとそこで先生が教室に入って来た。桐野は何か言いたそうだったが特に何も言わず前を向いた。


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