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ヘアセットも終わり、お礼を言って撮影に向かった神崎の背中を見ながら石沢は、ポツリと呟いた。

「全く、あんなこと言ってたけど~、優君は無駄な努力をするわね~」

石沢は神崎に琴吹が挨拶する姿を遠目から見て、いつ惚れるか時間の問題だと思った。


「今日はよろしくお願いします、ユウさん」

「こちらこそ、よろしくお願いします、琴吹さん」

両者とも軽い会釈で挨拶を済ませた。


「すみません、少し失礼」

その時、神崎は突然、地面から5センチ程の石を取り上げて右の草むらに向かって投げた。向かいにいる琴吹は神崎が何をしているのか、わからずその光景を見ていた。


パリンという何かが砕けた音が石の投げた方からしてきた。


「うわっカメラが」

そこから出てきたのは、不審者ともいえるカメラを構えた男だった。皆が驚いてる中、琴吹の顔が一瞬だけ歪んだのを神崎は見逃さなかった。


皆が驚いて動けない中、神崎は1人でその男に近づいて行った。


「俺のカメラがーーー」

「うるさい。もうカメラを壊されたくなかったらさっさと失せろ」

琴吹と話していた時とは違いドスの聞いた声で神崎は話し始めた。


「なんだと、お前が壊したんだろ。弁償しろ」

「何を抜け抜けと、盗撮は犯罪だろうが捕まりたくなかった。さっさと失せろ」

神崎が話しいる間にもスタッフの1人が電話を取り出していた。


「くそっ」

それを聞いて一目散に男は逃げていった。


「あ、もう電話はいいですよ」

電話を仕掛けていたスタッフに一言いうと神崎は自分の元いた場所に戻った。自然と拍手が起こるがなんだか神崎は照れ臭くさそうにしていた。


「ありがとうございます」

琴吹が近づいてきて、神崎に急に礼を言ってきた。

「いえ、当然のことをしたまでですから」

「そのこともなんですけど、さっきのあの人ずっと私のことストーカーされてて困っていたんです」

「そうなんですか、さっきの人警察に突き出せばよかったですね。逃がしてすみません」

「いえ、そんなことないです。ありがとうございました」

それだけ言うと琴吹は顔を赤らめながら去っていった。


ひとしきり挨拶を終え、神崎は石沢の所に戻った

「やっぱり~、惚れられたんじゃない~」

「え、ホントですか」

「じゃなかった、顔なんて赤らめないわよ~」

確かにさっき顔赤らめてたが、さっきのことなんかで惚れるのかと考えながら神崎はうーんと唸っていた。


そんな中、撮影が始まった。




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